──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
酒井勇也(以下、酒井):Web3.0の最大の魅力は、インターオペラビリティであると考えています。ブロックチェーンという技術を活用することで、サービス間でのデータの相互利用がとても簡単になり、より便利で効率的な事業開発が可能になります。ここにトークンエコシステムを活用することで、ユーザーやエコシステムの参加者に対して、サービスが成長することによるインセンティブを構築し、事業成長をスピードアップさせることが可能であると考えています。
また、Web3.0業界は今から成長期に入ってくると考えています。インフラ領域が一旦整備され、ウォレットやガス代といったWeb3.0独特の複雑なUXは解決されつつあります。これからはどれだけ、便利で楽しく、生活を豊かにするアプリケーションが生まれてくるかがWeb3.0のマスアダプションのポイントになると考えています。
一方、課題感として、まだまだ人材が足りていません。エンジニアだけでなく、ブロックチェーンの特徴を活かしたプロダクトを設計できるPdMや、ビジネスを設計できるBizDevも不足しています。これは、まだまだWeb3.0の理解が進んでいないという点に起因していると考えています。Web2.0サービスの開発経験はWeb3.0領域でも役立つことが多く、多くの人材が流れてくることを期待します。
ONIGIRI Chainで食のデータによる価値提供を加速
──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、どのようなことを成し遂げたいと考えていますか?
酒井:我々は、「おいしい!増やす」をミッションに掲げ、食を通じて人々の生活に豊かにすること目指しています。
to Cサービスである「SARAH」は、月間200万人以上のユーザーを誇るグルメアプリで、メニュー単位でレストランの口コミを集めています。投稿することでポイントが貯まり、飲食店の「NOREN NFT」を購入できる仕組みを提供しています。
NOREN NFTは、常連客であることの証明として機能し、消費者と飲食店との関係性を深めることができます。2023年よりWeb3.0技術を活用し、これらの機能を提供しています。大半のユーザーはWeb3.0について知りませんが、ウォレット・レスやガス・レスにより、Web2.0と変わらないUXを提供することで、多くの方に使っていただいています。
また、我々はSARAHのデータを分析できるサービスを食品メーカーに提供することで、マネタイズを行っています。SARAHのデータを分析することで、食のトレンドや消費者ニーズを把握することができ、商品開発やマーケティングに活用されています。
食のデータは、ヘルスケアや金融などの多くの分野でも活用可能です。ブロックチェーンを活用することで、多くの事業者で連携して集め、永続的に保存することができます。我々はユーザーのプライバシーを保護する独自の「ONIGIRI Chain」を構築し、食のデータによる価値提供を加速させます。
今後の展望▶︎
Web3.0で「おいしい!増やす」を実現
食のデータによるあらたな価値を提供する
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Profile
◉酒井勇也 Yuya Sakai
株式会社SARAH代表取締役CEO
2015年法政大学キャリアデザイン学部卒。在学中より、Co-FounderとしてSARAHに参画。2021年にCOO就任。その後、M&Aや事業計画策定、ファイナンス等の経営企画業務に携わり、2022年にCSO(ChiefStrategyOfficer)に就任。現在はブロックチェーンを活用した新規事業の立ち上げを行い、2024年に代表取締役CEOに就任。