暗号資産

「年収」「仕事環境」「BCの開発費用」など、意外と知らない「現場」の話をブロックチェーンエンジニアに聞いてみた——

2023/03/29Iolite 編集部
SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
「年収」「仕事環境」「BCの開発費用」など、意外と知らない「現場」の話をブロックチェーンエンジニアに聞いてみた——

エンジニアへのインタビューで「ブロックチェーン」の実態を紐解く

すでに多くの場で使われるようになった「ブロックチェーン」という言葉だが、その実態がいまいち掴めないという声も多い。

そこで、実際にブロックチェーン開発に携わっているエンジニアの方に、ブロックチェーンの開発とはどういうものなのかを語ってもらった。

——この記事では、ブロックチェーンエンジニアの仕事について聞きつつ、その実態がわかりづらい「ブロックチェーン」というものについて紐解いていければと思います。

ブロックチェーンエンジニアは何を開発するのか?

——ブロックチェーンエンジニアというのは何をする仕事なのですか?

A氏:ブロックチェーンに関連するアプリケーションや、ブロックチェーンそのものを実装したり開発する仕事ですね。

——その2つにはどのような違いがあるのでしょうか?

B氏:そもそもブロックチェーンというのは、ブロックチェーン単体で何かをできるようなシステムではありません。

たとえるなら、何も書いていない空白のエクセルだけでは人の役に立たないですよね。エクセルに何かデータを記入して、それを並び替えたり計算することでようやく人の役に立ちます。

この例えだと、エクセルがブロックチェーンで、そこに記入されるデータや計算処理などをするのがブロックチェーンのアプリケーションです。

A氏:ブロックチェーンというのは、要するに何らかのデータを保存したりデータをやりとりするためのデータベースのようなものなので、ただ空白のままそこにあるだけでは一般ユーザーにとっては無価値です。

そのインフラを使って、暗号資産のやりとりをしたり、NFTを発行して販売したりするためのアプリケーションが必要になります。

——ブロックチェーンそのものを開発するエンジニアと、アプリケーションを開発するエンジニアはどちらが多いのでしょうか?

B氏:ブロックチェーンエンジニアという立場で開発することが多いのは圧倒的に後者、私もAさんもそうですが、アプリケーションだと思います。

A氏:なぜならインフラであるブロックチェーンそのものはすでにいくつも存在するからです。あらたにブロックチェーンを作るのであれば、そのチェーンをどのように普及させるのかという大きな課題があります。

今からあらたなブロックチェーンを開発して、すでに存在している多くの有名なチェーンを追い抜くというのはあまり現実的ではありません。なので、多くのエンジニアはすでに稼働しているブロックチェーンで稼働するアプリケーションを作っています。

1番有名なのはイーサリアムなので、たいていのブロックチェーンエンジニアはイーサリアム上で動くアプリケーションの開発をしています。もちろんイーサリアム自体を開発している人もいますが、全体でみればわずかな割合です。

B氏:ほかにもブロックチェーンはたくさんありますが、現時点では市場のシェアの大半をイーサリアムが占めているので、やはりイーサリアムに関連するアプリケーションを開発しているエンジニアが1番多いのではないでしょうか。

しかもイーサリアム以外のブロックチェーンでも、イーサリアムの影響を受けているものが大量にあります。エンジニア目線でいえば、イーサリアムのアプリケーションを開発できればほかのブロックチェーンのアプリケーションを開発する時にもそのスキルは活かせることが多いんですよ。

A氏:ただし、アプリケーションといっても全てが一般ユーザーの方にみえるようなものではありません。取引所などのブロックチェーン関連企業が業務で使うためのアプリケーションを開発することもあります。

——ブロックチェーンエンジニアが開発するのはどういうアプリケーションなのですか?

A氏:ブロックチェーンエンジニアといっても担当する業務は非常に幅広く人それぞれなので一概には言い辛いのですが、ウォレットとか、ブロックチェーンゲームとか、DeFiのためのシステム、ユーザーさんからみえにくい部分だと取引所の資金を管理するためのシステムなどもブロックチェーンエンジニアが作ります。

その質問は『プログラマーはどういうものを作りますか?』と聞いているようなものです。企業の業務システムを作っているプログラマーもいれば、スマホアプリのサーバを作っているプログラマーもいますよね。

とにかく、ブロックチェーンに関連するなんらかのアプリケーションを作っているのがブロックチェーンエンジニアだと考えてください。具体的に何を作っているのかは、本当に人それぞれです。

ブロックチェーン業界は変化が早いので、
情報を追い続けないと取り残される

——ブロックチェーンエンジニアと聞くと、物凄い技術を持っているような印象を受けます。具体的にはどういうスキルが必要になるのですか?

B氏:まずは基本的なエンジニアとしての知識です。ブロックチェーン関連のアプリケーションといっても、普通のシステム開発と変わらない部分も多いので。

それに加えて、たとえばイーサリアムのスマートコントラクトを記述するためのSolidityのようなブロックチェーン用のプログラミング言語についても学ぶ必要があります。

A氏:それからブロックチェーンに関する知識も必要です。ブロックチェーンアプリケーションは最終的にブロックチェーンとデータをやり取りしたり、ブロックチェーンのプログラムを解析してつなぎ合わせたりする必要があります。

その時に、ブロックチェーンがどういうふうに作られているのか、トランザクションがどのように処理されるのかを理解していないといけませんから。

B氏:それに、ブロックチェーン業界は本当に変化が早くてあらたな技術や仕組みが次々と生まれています。なのでその情報を遅れずキャッチアップして、自分が開発するアプリケーションに適切に組み込んでいかないといけません。

これが、ブロックチェーンエンジニアという職業の特殊な部分といえるかもしれません。

A氏:ブロックチェーンの領域は本当に幅が広くて、学ばなくてはいけないことも大量にあります。そのすべてを理解しているような人はおそらくいないので、とにかく自分の業務で必要になった知識を日々勉強する意識が重要だと思います。

B氏:ブロックチェーンそのものを開発しない場合でも、たとえばイーサリアムにどういうアップデートがあるのかといった情報は常に追っていないといけません。それに対応して自分が開発しているアプリケーションを改修したり、あらたなアプローチを試みたりすることもあります。

A氏:ただし、ここまでの話も本当にケースバイケースです。たとえばメタバースプロジェクトに関わっている場合、ブロックチェーンとほぼ関係がない部分を担当するようなケースも珍しくないです。

その場合でもブロックチェーンに関する最低限の知識は求められますが、自分でスマートコントラクトを書くようなことはありません。

—プログラムは一からすべて書いてアプリケーションを作るのですか?流用するようなこともありますか?

A氏:完全に一から書くこともありますが、ほかの人が書いたコードを参考にすることもよくあります。そもそもブロックチェーン業界はオープンソースな世界なので、必要とするコードはすでにどこかで作られていることが多いんですよ。

ほかのアプリケーションのコードを流用すると聞けば悪いことのように聞こえるかもしれませんが、違法にプログラムコードを盗むようなことではない限り、悪いことではありません。

B氏:ブロックチェーンはセキュリティが非常に重要なので、よく理解しないまま自分でコードを書くよりも、すでにセキュリティがある程度担保されてるコードを流用する方が良いケースも多いです。それらをもとに自分たちで検証して、適切なコードを組んでいくこともあります。

ブロックチェーン関連の開発は世界中で盛んに行われているが、ブロックチェーンエンジニアは不足していて待遇は良い

——非常に大変な仕事のように思えます。ここからはブロックチェーンエンジニアというお仕事についてより具体的に聞かせてください。お二人はどのような経緯でブロックチェーンエンジニアになったのでしょうか?

A氏:私はそもそもスマートフォンゲームのバックエンド(サーバ側の処理)を主にやっているエンジニアだったのですが、そこから暗号資産やブロックチェーンに興味を持ち現職に就いたという経緯です。

B氏:私は学生時代にブロックチェーン関連の業務をしている企業にインターンのような形で入って、そのままブロックチェーンエンジニアとしていくつかの企業で仕事をしています。

A氏:たぶん、この業界に入ってきた時点でブロックチェーンのことを完全に理解しているような人はほとんどいませんよね。

B氏:そうですね。世界的にみてもブロックチェーンエンジニアは本当に人手不足の状況で、人材の奪い合いが常にあります。国内ではある程度知識があってブロックチェーン開発の経験があるようなエンジニアは、取引所や大手企業で働いていることが多いように感じます。

A氏:プログラマーとしてブロックチェーンとは関係がない仕事をしていた状態からこの業界に入ってくるパターンが多いと思います。当然ですが、その時点ではブロックチェーンについてはよく理解していないので、働きながら覚えるという感じですね。

——何人くらいで開発することが多いのでしょうか? また、仕事環境について教えてください。

A氏:よほどの大企業でない限りは、明確なチーム制みたいな仕組みにはなっていないので答えづらいですが、たいていの場合は社内外の人と協力しながら数人で開発しています。

仕事はほぼフルリモートですね。ただし、これはブロックチェーンエンジニアだから、というよりも昨今の情勢による影響の方が大きいとは思います。

B氏:私も基本的にはフルリモートです。個人的にはブロックチェーン業界の方々と広く交流を持ちたいと思っているので、勉強会などの集まりの場には積極的に参加するようにしています。

A氏:あたらしい技術やトピックを追いかけるためにも、交流はとても重要だと私も感じています。そういう場で話したことからヒントを得たり、時には仕事の手伝いを依頼されることもよくあります。

B氏:エンジニアとしての勉強や技術研鑽は1人でもできますが、ブロックチェーン業界全体の流れや流行を知るという意味で人との交流は非常に重要だと思っています。何より、同じ業界で同じものに興味を持っている人と話すのはとても楽しいですから。

——ブロックチェーンエンジニアになるための勉強はどういうことをすればよいのですか?

A氏:私は最初にこの業界に入った企業で教えてもらいながら学びました。あとは書籍であったりエンジニアのコミュニティに入って調べるという感じですね。

B氏:技術的な情報はネット上のコミュニティにいくらでも転がっているので、自分で検索して詳しい人に聞くのが一般的です。これはブロックチェーンエンジニアだからというよりも、エンジニアなら誰でもそうするものです。

——ちなみに、給与はどのくらいですか? ブロックチェーン以外のエンジニアと比べて良いですか?

A氏:一般論としては通常のエンジニアよりも高い水準でもらっている人が多いはずです。国内の平均は700万円、海外では1,000万円以上が当たり前といわれていますし、私も前職よりはるかに高い給料をもらっています。

B氏:私も同世代のプログラマー・エンジニアよりも高い給料をもらっています。Aさんがおっしゃっている平均給与よりは上ですね。

A氏:よく『ブロックチェーンエンジニアになるなら今がチャンス』という話がネット記事などであがっていますが、それは間違いないと思います。現時点でも一定のスキルがあるブロックチェーンエンジニアは引っ張りだこですし、今後も需要は伸びていくはずですから。

ただし、先程もいったようにブロックチェーンエンジニアとしてやっていくためには日常的に勉強をし続ける必要があります。勤勉さも必要ですし、何よりもブロックチェーン技術そのものへの関心がないと続けるのはつらいと思います。

B氏:あと、よほどの大企業に勤めるのではない限り、コードを書くだけの純粋なエンジニアとして働けるとは思わないほうが良いと思います。

ブロックチェーン系の企業の大半は現時点ではスタートアップなので、コードを書く以外にも多くの雑務を求められるケースが多いです。逆にいえば、本当に毎日色んな変化が起きるしさまざまな人と出会えるので刺激的な環境ではあります。

※各数値は求人情報から抜粋


▶海外のブロックチェーンエンジニア事情

ブロックチェーンエンジニアは世界的に不足しており、年収2,000万円相当の求人も。大手IT企業によるエンジニア求人も増加している。

——非常に忙しいように聞こえますが、いわゆるブラックな環境が多いのでしょうか?

A氏:難しい質問ですね。業務時間以外にも勉強をしていることが多いので、捉えようによってはブラックといえるかもしれませんが、スタートアップというのはそういうものなので、感じ方は人それぞれだと思います。

私が以前勤めていた企業よりは自由時間が多く、裁量も大きいので、そういう部分が負担に感じる方にとってはブラックなのかもしれませんね。

B氏:私はスタートアップ系の方と仕事をすることが多いのですが、基本的にワーカーホリックというか、ブロックチェーンに熱中している方が多い印象です。なので外からみれば仕事に全てを捧げているブラック体質に見えるかもしれませんが、明らかに充実した日々を過ごしている人が多いように感じます。

どちらにしてもブロックチェーン技術に強い関心がなければやっていけない仕事なので、その熱量次第ではブラックに思えるかもしれません。

——ちなみに、ご自身で暗号資産を買ったり、値上がりしそうな暗号資産の情報を入手できたりするようなことはありますか?

A氏:一応買っていますが、有名な通貨をたまに買うくらいですね。開発と投資はまったく異なる分野なので、エンジニアだからといって暗号資産投資に強いとは思っていません。

B氏:エンジニアはそういう投資的な話よりも技術の話が好きな人の方が多いですからね。ブロックチェーン業界の情報についてはできる限り幅広く収集していますが、それだけで投資に有利になるということはないように感じます。

もちろん、値上がりしそうな通貨の情報なんてどこからも入ってきません。珍しいケースとしては過去に関わったプロジェクトの報酬として、そのプロジェクトの独自トークンを受け取ったことがあります。といっても、大きな利益を得たわけではないのでちょっとしたおまけの報酬という感じでした。

ブロックチェーン関連の開発は技術的にも費用対効果の面でも未知の部分が多いので、開発費用を見積もることは難しい。

——ではここから、ブロックチェーンエンジニアやブロックチェーン関連企業がどのように動いて収益を上げているのか聞かせてください。ストレートに聞きますが、今お二人が関わっている企業・プロジェクトは儲かっていますか?

A氏:私が関わっている企業はスタートアップで、まだプロダクトを開発中です。なので事業による収益という意味ではプラスにはなっていません。現時点では資金調達によって得た開発資金を使っている段階ですね。

B氏:私も同様ですね。ただ、私が今携わっている企業はブロックチェーン以外の部門で収益を上げているので、ブロックチェーン開発は先行投資のようなものです。

A氏:純粋なブロックチェーン事業で収益を上げている企業やプロジェクトは今はほんの一握りではないかと思います。取引所であったり、DeFiで成功したようなケースですね。

——なるほど。ブロックチェーン開発はどのような経緯で始まるのですか? 営業をかけたり、どこかから発注が来たりするんでしょうか?

A氏:もちろん発注を受けるケースもありますが、どちらかといえば自社で何らかのプロダクトを開発するという形が多いとは思います。

というのも、そもそもブロックチェーンエンジニアの数は非常に少ないですし、ブロックチェーン関連のサービスを作ろうとしている企業もそれほど多くはありません。たいていは自社で何らかのブロックチェーンサービスを作ろうと考えて、それからエンジニアを集めるケースが多いのではないでしょうか。

B氏:そうですね。私は過去に他社から協力依頼という形で受注を受けたことはありますが、基本的には自社のプロダクトを作っているという企業が多いように感じます。ただ、最近では下請けとしてブロックチェーン開発をする企業も増えてはいます。

A氏:自ら営業をするようなケースはあまりないと思います。ブロックチェーンを活用することでコストが下がったり利便性が上がったりするようなメリットがあるかどうかを皆で探っている段階ですし、そもそも営業をかけるような製品パッケージがありません。

——たとえば社外の人からブロックチェーン関連のシステムを作れないかと相談が来るようなことはありますか?

B氏:個人的にも、会社としてもよくあります。ただし、それ自体が仕事に直結して依頼を受けるようなケースはほとんどありません。たいていの場合は興味を持っているという程度の話で、具体的にブロックチェーンを使ってどういうシステムを作りたいのかというところまで話が進むことは稀ですね。

A氏:大企業に勤めていてブロックチェーンについて学びたい、という方からの相談を受けることがよくありますね。ただし、実はブロックチェーンについてよく知らないというケースも多いです。なので、ブロックチェーンとは何なのか、何ができるのか、みたいな話をして終わることが多いです。

B氏:そういう技術コンサル、システムコンサルのような活動をする方も徐々に増えているように感じます。一般的なIT業界でいうところのSI(システムインテグレーター。顧客向けにシステム開発・導入などを支援するサービス業)のような職種も、今後はブロックチェーン業界に求められるのかもしれません。

——たとえばブロックチェーンエンジニアを複数抱えているスタートアップに何らかのシステム開発を依頼したらどの程度費用がかかるのでしょうか?

A氏:通常のシステム開発と同じで、基本的には人月計算ですね。たとえばブロックチェーンエンジニアなら1ヵ月100万~150万円くらいの計算で、あとは開発までにかかる時間で合計金額は決まります。

ただし、ブロックチェーン関連のシステム開発は未知の部分が多いので、『こういうシステムならいくら』と最初から明確に決められるケースはあまり多くないと思います。

まずは暗号資産やNFTを活用するような金融分野でブロックチェーンが活用され、それから他分野に広がる

——お話を聞いていると、まだブロックチェーンを活用したシステムのようなものはあまり世間に出ていないような印象を受けます。

A氏:わかりやすいものだと、取引所とDeFi、あとはブロックチェーンゲームやウォレットあたりは多くのプロダクトが出ています。たとえば取引所の裏ではユーザーがみえない部分で強固なセキュリティを求められる資産管理のためのシステムが必要になったりします。

また、ブロックチェーンゲームならゲーム部分とブロックチェーンをつなぐためにブロックチェーンエンジニアが必要となります。

B氏:GoogleとかAmazonのように、世間の誰もが使うようなシステムの裏でブロックチェーンが活用されているというような状態にはなっていません。そういう意味では、まだ一部の業界だけで活用されているともいえますね。

——では、将来的に誰もが実はブロックチェーンを使っている、という状態になるような分野はありますか?

A氏:それは難しい質問ですね。よくいわれるのは金融と物流でしょうか。あとは小売、ヘルスケア、自動車などの製造業、エンターテイメントなどもブロックチェーンの活用先としてよくあげられます。

このあたりの分野は実証実験なども進んでいて、将来的にはブロックチェーンが活用されるようになるかもしれません。

B氏:それぞれの分野ごとに活用方法は異なりますが、特に注目されているのはブロックチェーンのトレーサビリティの部分でしょうか。

トレーサビリティというのは追跡可能性のことで、たとえば製造業で部品がいつどこで作られて、どういう経路で輸送されたのかといった情報を管理するためにブロックチェーンを使います。

A氏:将来的にはそういう使い方が広まる可能性はありますが、しばらくは暗号資産やNFTを使った金融分野が中心になると思います。たとえば暗号資産を利用したレンディングサービスなどですね。

あとはSTOという言葉が一時期話題になりましたが、証券などのブロックチェーン上でトークンとして発行して、その取引などを簡単に行えるようにするというような、これまでの金融システムの利便性を高めるようなサービスが今後増えていくと思います。

——ありがとうございました。最後に、ブロックチェーン開発に関わっていて楽しい部分と、今後のブロックチェーン業界に期待することを教えてください。

A氏:とにかく技術の進歩がめざましく、毎日のように変化が起きるという点ですね。ブロックチェーンに関連する技術を学ぶことが楽しいというだけではなく、ブロックチェーンに関連するあらたなプロダクトに感心することも多いので非常に刺激的です。

B氏:私はブロックチェーンに興味を持っている人と出会えることが楽しいですね。そういう方とNFTの価値について語り合ったり、ブロックチェーンによって起きる変化について議論する時間がとても好きです。

ブロックチェーンといえば暗号資産の投機的な面ばかりが注目されがちですが、最近になってようやく外部の方からも技術に対する関心が高まったように感じます。ここからは、社会の役に立つプロダクトを生み出して、ブロックチェーンの価値を多くの方に知っていただくことが重要かと思います。

個人的には、ウォレットだけで世界中の人と送金しあえるようになったという点だけでも、ブロックチェーンはすでに世界を大きく変えていると感じていますが、これからさらに世界を変えていけるようなプロダクトが誕生してほしいですし、自分もそういうプロダクトに関わりたいと考えています。


Profile

◉A氏
20代男性。ブロックチェーンエンジニアとして活動しつつ、NFTプロジェクトなどにも参画した経験を持つ。

◉B氏
30代男性。複数のブロックチェーン開発企業を経て現在はスタート アップ企業に勤務。主にバックエンド開発を担当している。

SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
Side Banner
MAGAZINE
Iolite(アイオライト)Vol.10

Iolite(アイオライト)Vol.10

2024年11月号2024年09月29日発売

Interview Iolite FACE vol.10 デービッド・シュワルツ、平田路依 PHOTO & INTERVIEW「ゆうこす」 特集「日本国内の暗号資産業界動向」「トランプvsハリス 暗号資産業界はどうなる? 」「評価経済社会は予言書だったのか」 Interview :株式会社メタプラネット サイモン・ゲロヴィッチ、CALIVERSE キム・ドンギュ 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等

MAGAZINE

Iolite(アイオライト)Vol.10

2024年11月号2024年09月29日発売
Interview Iolite FACE vol.10 デービッド・シュワルツ、平田路依 PHOTO & INTERVIEW「ゆうこす」 特集「日本国内の暗号資産業界動向」「トランプvsハリス 暗号資産業界はどうなる? 」「評価経済社会は予言書だったのか」 Interview :株式会社メタプラネット サイモン・ゲロヴィッチ、CALIVERSE キム・ドンギュ 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等