国内企業によるブロックチェーンゲーム(BCG)への参入が相次いでいる。
近年では海外ゲームメーカーに押されてはいるものの、日本は世界有数のゲーム大国であることは知っての通り。この分野で国内企業が世界を席巻する日が来ることに大いに期待したいところだ。
2023年は注目タイトルが続々リリース
2023年の国内BCGとしては、まずは1月にリリースされた『キャプテン翼-RIVALS-』が話題になった。世界中を見回しても、これほど有名で巨大なIPを取り扱ったBCGは存在しない。その点だけでも、BCGのあらたな展開を切り開いた作品である。
また、BCGの問題点とされていたトークン(暗号資産)の価格について独自の施策を用意し、価格を維持する仕組みを導入している点もほかに類をみないタイトルである。
本作はリリース直後にセキュリティ上のトラブルが発生するなど混乱はあったものの、リリースから約2ヵ月を経てもトークン価格が安定していることから、一定の成功を収めたといえるだろう。
ただし、統計サイトによればトークン保有者数(実質的にユーザー数を示す数)は1,500程度。大量のゲームプレイヤーをBCGに呼び込むまでには至っていないようだ。
国内企業によるBCGとしては、大手ソーシャルゲームを開発しているドリコム社の『GGGGG』にも期待が集まっている。同作は100人のプレイヤーによるバトルロイヤル系のシューティング・アクションゲーム。
事前プレイを体験したユーザーからはゲーム性の高さ、面白さを高く評価する声が多く、これまでほぼ存在しなかった「面白いBCG」の先駆けとなるかもしれない。
スマートフォン向けで完全無料でプレイ可能な点が魅力で、リリースは3月31日予定。これまでBCGに触れてこなかったプレイヤーにもぜひ触れてほしいタイトルだ。
一方、残念なニュースもある。株式会社HashPaletteとモバイルゲーム企業の株式会社enishがタッグを組んで開発していた『De:LitheΦ』が、開発上のトラブルを公表し、先行きが不透明な状況に。
同作はハイクオリティなグラフィックとゲーム性を備えた国産BCGとして期待されていたタイトル。トラブルの詳細については明らかになっていないが、BCGゲームの開発が決して簡単ではないことを示す例となってしまった。
以上のほかにも、2023年はBCG特化型ブロックチェーンのOasysについても注視したい。非常に簡単にいえば、Oasysは「ブロックチェーンゲーム用の巨大プラットフォーム」。
SEGAやスクウェア・エニックス、バンダイナムコなど、国内の名だたるゲーム企業が参画しており、これらの企業によるBCGの開発・リリースを期待したいところだ。

▶︎『De:LitheΦ』が、開発上のトラブルを公表し、先行きが不透明な状況に。