需要増す「トークングラフマーケティング」
NFTは法人マーケティングのあらたな武器
Web2.0時代のマーケティングはすでに行き詰まっている。「実用的なNFT」を掲げ、マーケティング業界に新風を吹き込む。
時代の変化に伴い、マーケティングの手法も変わりつつある。特に広告を活用したマーケティングでは、紙とWebとの間にある境目が薄れ、その費用対効果に差はほとんどない。
徳永氏はSEOメディアの起業を経て、渋谷の寿司店『鮨 渡利』の江戸前鮨技術をブロックチェーンに刻んだNFT『SUSHI TOP SHOT』をプロデュース。その後トークングラフマーケティングの文化創造をミッションとして掲げ、SUSHI TOP MARKETING株式会社を起業した。
徳永:全体的な話として、現状のWeb3.0というのはグロースセクターに分類されると思います。Web3.0領域に限った話ではありませんが、グローバルでみれば利上げの影響を受け厳しい状況にあるというのが正直な見立てです。一方で、だからといってWeb3.0領域への投資がなくなるということはないでしょう。
コーポレートベンチャーキャピタルなどの間ではさまざまなブロックチェーン領域へ投資を行う動きも感じているところです。ただ、傾向として実態が伴うプロジェクトや、実際に利益が上がっているものなどに当面は資金が集中すると思っています。
NFT領域の話ですと、2023年は『既存領域との融合』がテーマになると感じています。広告業としてNFTを活用していくのが我々の仕事なのですが、これまでの過程でさまざまなインセンティブを生み出すことができると感じました。
マクロ的な話でいえば、クッキーがより制限され、今後潜在的な顧客の顔がみえにくくなっていくなかで、その人が所有するトークンを参照して趣味嗜好を分析する『トークングラフ』が非常に有効なものになると考えています。
広告においてもいえることなのですが、ポイントマーケティングの代替としてNFTが活用されます。
ポイントマーケティングの利点としては、ポイントを介して顧客への接点を増やす『タッチポイント』、金銭的な『インセンティブ』、そして顧客のポイント利用をまとめた『CRMデータ連携』があげられます。これらによって顧客の解像度やロイヤリティを測るのですが、NFTを活用することで多元的に行うことができます。
NFTを1回だけミントできる『One Shot』という特許申請中の技術があるのですが、こういったものを活用してポイントの代わりとなるタッチポイントを作ることができます。直接的な金銭としての利用はないかもしれませんが、クーポンとして利用することはできます。
さまざまなロイヤリティを付与することで、投機的な属性を持つNFTと比べてより多くの産業に消費者とのコミュニケーションに対して革新を起こせるのではないかと考えています。
我々はこのようなNFTマーケティングを行えるツールを開発しており、その提供に2023年は注力していく所存です。これまでは我々ブロックチェーン事業者が専売特許的にNFTの発行をしてきたのですが、このツールを使用すれば普通の企業でもNFTを簡単に発行できるようになります。
Web3.0で日本産業をエンパワーメントを実現することが我々の目標であり、ビジョンとして掲げているものです。オールジャパンで結束して、日本の企業をブロックチェーンの力で押し上げていきます。
マーケティングの未来
NFTを用いたマーケティングでこれまで以上にユーザーの価値体験を豊かにする。
◉徳永 大輔
Profile│平成元年生まれ。立命館大学日本文学専攻卒業。山と渓谷新卒入社後、インプレスHDの子会社、天夢人で書籍プロデューサーを経てメディア事業で起業。トークングラフマーケティングの文化創造を目指す「SUSHI TOP MARKETING株式会社」を起業。