人気IP『キャプテン翼』『北斗の拳』を活用
日本の強みを活かしマスアダプションを狙う
もはやNFTが高額というだけで話題になる時代は過ぎ去った。日本のIPを活用し、ユーティリティ性のあるコンテンツを生み出す。
NFTは高額な値を付け爆発的な話題を生んだが、それも今となっては昔の話。次なるフェーズへと突入し、特に日本では豊富なIPを活かしたNFTの活用方法もみられるようになった。
水野氏はキャラクター・スタンプで50億超のダウンロードを記録した実績を持ち、現在は『キャプテン翼』、『北斗の拳』といった人気IPのNFT・メタバースを手がけるMintoを率いる。
未来を創るのはユーザーとクリエイター
ユーザーの参入障壁を引き下げる取り組みとクリエイターに還元できる環境作りに焦点が当てられる
水野:2022年はFTXの破綻などで市場が大きく傾きましたが、今年に入って回復してきたと感じます。中断されていたNFTの各プロジェクトも今年の春くらいからしっかりと活動を行なっていくのではないでしょうか。そうした点を考慮すると、NFTを中心としたWeb3.0コンテンツは盛り上がりをみせていくと思います。最近ではさまざまなNFT関連のプラットフォームが出てきましたが、僕らコンテンツクリエイターと一緒にやっていく立場からすると、二次流通のロイヤリティがクリエイターにしっかりと還元される世界観を維持してほしいなと思います。プラットフォーム側にそれを望んでいきますし、もしないのであれば作っていく必要もあると考えています。
NFTについては、もともとアートやゲームといったところから、PFP(ProFile Picture)のように付加価値を有していて、なおかつファンしか入れない会員権のようなユーティリティ性を持つものが数多くみられるようになりました。
今年はコンテンツとして楽しむだけではなく、オフラインでの接点、コミュニティの接点としての付加価値がもっと求められてくると思います。
また、クリエイターをNFT領域に呼び込むためには、もっと多くのユーザーが参入する必要があります。そしてユーザーを増やすためには、暗号資産やNFTをもっとわかりやすく扱えるUI/UXが必要です。
国内向けにNFTをより展開していくためにも同様のことがいえ、我々もUI/UXや開発レイヤーからしっかりと携わり、開発のところで、多くの人にNFTを触ってもらえるような環境作りを進めます。
また、グローバルのプラットフォーマーに対し、我々のIPと日本のIPを提供していくことも重要です。我々はすでに『キャプテン翼』、『北斗の拳』等のIPを提供しています。今後も引き続き日本の強力なIPをグローバルに展開していきます。
2021年の末に公開した『うさぎゅーん!』のNFTは、提供先のLINEさんに多くのユーザーがいたこと、そしてアサヒ飲料さんとのコラボキャンペーンということもあり、約30万ダウンロードされ、最もダウンロードされたNFTとなりました。
今まで触れたことのない人も含め、多くの人にNFTを使ってもらうという点で、今年も引き続きLINEさんと協業しアプローチしていけたらと思います。
メタバース領域におきましても、今年1月に『北斗の拳』初のメタバースについて発表しましたが、いろいろなプレイヤーさんにコンテンツを提供していくという意味で、誰もが知っている多くのIPをさらに提供していきます。
Profile
◉水野 和寛
前職でモバイル&アプリ事業を牽引した後クオン設立。キャラクター・スタンプで50億超のDL。ブロックチェーン領域では2018年からNFTを手がけ約5億円の流通総額。2021年からメタバース領域へ進出。LAND販売で2.4億円超。その後SNS漫画No.1のwwwaapと経営統合しMinto代表取締役に。
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