「Web3.0エンタメ」の未来に挑戦 │ 山田耕三インタビュー

GameFi領域を世界でリードする『PlayMining』
「Web3.0エンタメ」の未来に挑戦

これまでのゲーム開発の発想とは異なるWeb3.0時代のIP開発がマスアダプションのカギ。

2022年はGameFiという言葉が確立された年であり、さまざまなプロジェクトがスタートを切った。

日本発プロジェクトとしては、GameFiが確立される前から活動していたプレイヤーであるDEA（Digital Entertainment Asset Pte.Ltd）の国内での動きが加速度を増した年であるともいえる。

2022年初頭にGameFiプラットフォーム「PlayMining」の独自トークン・DEAPcoin（DEP）がビットポイントに上場したのを皮切りに、テレビ東京との業務提携など、まさに日本へ注力していく姿勢を強めた1年であった。

DEA社を率いるのは、吉田直人氏と山田耕三氏の2トップ。GameFiの最前線を走る企業として、現在の状況をどのようにみており、どこに目標を定めているのか、山田氏にうかがった。

ゲーム業界の課題
Web3.0ゲームでは絶えず変化する経済圏に適したゲーム開発が必要

山田：Web3.0領域の動向でいえば、今年はトークン価格が少し戻ってきている状況にあります。去年はルナショックやFTXショック等があり、非常に冷え切った状況でした。今年に入りビットコインの価格が上向き、これが非常に良い影響を及ぼしています。今年はある程度雪解けに向かうのではないかと思いますね。2023年はGameFiがWeb3.0領域を引っ張っていくと考えています。理由は明白で、春、そして夏にかけて国内の大手ゲーム企業が参入してくることです。我々スタートアップの知名度や信用度といったものは非常に低いのが現状です。加えて、一般的に『ゲームで生活ができますよ』といわれても、にわかには信じられないでしょう。

スタートアップだけで頑張っていてもマーケットを広げるのは難しいので、日本の大手ゲーム企業が参入してくることはすごく意味のあることです。

一方、実は我々としてはIPを借りてゲームを作ることに関してあまり興味がありません。今でもIPは自分たちで作るものだと思っています。

Web3.0時代になった時、果たしてソーシャルゲーム時代のようにIPが必要なのかといったらそんなことはないでしょう。例として、世界的に成功したAxie InfinityやSTEPNはIPの人気で成功したわけではありません。

Web3.0はユーザーにまったく未経験の体験をもたらします。IPが必要という話はWeb2.0的なものであって、現在のWeb3.0エンターテイメントには当てはまらないと思います。

また、Web3.0ゲームのコンテンツについて、大作を作ることは考えていません。現状として、経済圏に適したゲームを猛スピードで作ることが重要だと思っています。

3-4年以上をかけて、何十億円、何百億円もかけて作ることも考えていません。何年もかけて作った時にその経済圏が古くなってしまう可能性がありますから。

我々は昨年、テレビ東京との業務提携を発表しました。その一環で、自分たちでIPを作り、一緒に展開する話をしています。あたらしい時代にユーザーの心をとらえるのはWeb3.0エンターテイメント由来の全くあたらしいIPになると考えています。

また、テレビ東京とはコラボしてWeb3.0に関する情報番組を作れたら面白いと個人的に思っています。『Web3.0 って何なの？』とか、『Web3.0に取り組んでいる会社って何をやっているの？』とか。そういう番組は現在ありませんよね。

インターネットの初期もそういうものでした。2023年はWeb3.0がエンターテイメントの領域からマスアダプションを実現していく始まりの年になると思います。多くの方々に理解していただけるような取り組みを行なっていきますのでご期待ください。

Profile

◉山田 耕三
Co-CEOとして戦略構築とコンテンツ事業、メディア事業統括を担当。プラットフォーム事業「PlayMining」でのコンテンツ開発とNFT企画も手掛ける。NFTの可能性と有用性を啓蒙するYouTubeチャンネル「NFTv」Webメディア「NFTnavi」を運用。テレビ東京で15年間 音楽・バラエティ番組のプロデューサーを務めた経歴を持つ。東京大学法学部卒業。

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