パブリックセール2分で完売の大人気NFTプロジェクト"NeoTokyoPunks"のクリエイター兼ファウンダーNIKO氏とRepezen Foxx 記念NFTプロデューサーYuu氏。2名のプロフェッショナルによるNFT動向予測。
——今年のNFTに必要となるテーマ
NIKO :今年は各事業者やスタートアップが、どのようにNFTとフィジカルを紐づけるかがテーマになりそうです。また大企業が参入することにより、今までNFTを触っていなかった広い層にリーチしていくことも考えられます。
Yuu :僕もNFTとフィジカルの融合については同意します。今後想定される状況を鑑みると、皆さん同じような取り組みを始めていますよね。
NIKO :企業とのコラボもテーマとなるでしょうね。企業がレバレッジを効かせて行う大規模な開発は、自分たちでは難しいですからその技術を使わせていただいたりすることで勉強にもなります。
Yuu :プロジェクト側もコラボに関して前向きです。NFTプロジェクトに携わらせていただいた経験からいうと、企業さんはNFTをやってはみたいけど、どうしていいのかわからないと思っているのではないかと。
その点はNIKOさんが1番良く知っているのかなと思うのですが、どういう感覚を持っていますか?
NIKO :今までやってきた肌感では、Yuuさんのいうように、NFT関連事業への取り組み方がわからないため、私たちの知見を借りたいという部分はあるのかなと思います。
それとユーザー数に関する見方でも認識の違いがあります。大企業は既存事業の広告予算との兼ね合いで取り組みます。NFTの数千規模のホルダーは、必ずしも既存企業が所持している数千名のデータと同様に機能するとはいえません。
——NFTマーケティングで需要が集まるポイント
NIKO :企業はユーザーが増えているところに広告費を出したいですもんね。
インターネットができて、メルマガ、Twitter、Instagram、YouTube、TikTokと続いてきて、次はNFTないしウォレットを持つ人の数が増えていくといわれています。そこに向けたマーケティングの需要が高まると思います。
Yuu :多くのプロジェクトがユーザーを広める方法について課題にしています。
そもそも、Web3.0を多くの方々に認知してもらうことが重要と思っています。そこで大企業が自分のブランドNFTを発行してくれたらマスアダプションにつながると思っています。
今までは最初にコミュニティを作って、NFTを持ってもらって、その資金を使ってコンテンツを充実させていくような感じでした。NTP(NEO Tokyo Punks)さんはその成功例ですね。
NIKO :マーケティング方法で最近注目しているのが「電殿神伝-DenDekaDen-」です。コレクションのなかには7人のキャラクターがいるのですが、Twitterに各キャラクターのアカウントを作って、それに対するインプレッション数などでバトルさせるという方法を取っていて面白い。
こうしたSNSを活用したあたらしいマーケティングはまだ出てくると思います。企業の既存ブランドでも、たとえば既存のアニメとかキャラクターで、このキャラクターを推したい時に、NFTを発行する。そのNFTを持つことでキャラクターを応援できるという。
Yuu :AKB48のWeb3.0版のような感じですね。
NIKO :確かに。CDの中に購入枚数によってインセンティブが付くんですよね。NFTでもそこに見返りを求めてではないとはいえ、トークンなどの設計とかインセンティブ設計することができたらもっと発展しそうですよね。
Profile
◉NIKO 「NEO TOKYO PUNKS(ネオトーキョーパンクス)」日本のイラストレーター・NIKO24氏が描いた横顔イラストを特徴とするNFTコレクション。サイバーパンクな世界観のもと、さまざまなガジェットを装着したキャラクターの姿が描写されている。各キャラクターはランダムに各パーツを組み合わせる「ジェネラティブアート」と呼ばれる手法で作成された。今後はNFTホルダー向けのイベントやメタバース上での3D展開も予定されており、日本発のコンテンツとして海外のコレクターからも期待されている。
◉Yuu 一橋大学卒業後、野村證券に入社。2022年12月にNMarketingを創業し、Repezen Foxx ライブ記念NFTや「MASKEDGIRLNFT」などさまざまなNFTプロジェクトでNFTを活用したマーケティングやプロジェクトの支援を行なっている。
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