Web3.0

今までにないアートの文脈を広げていく │ 中村太一インタビュー

2023/03/29Iolite 編集部
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今までにないアートの文脈を広げていく │ 中村太一インタビュー

Web3.0×ART

『進撃の巨人』をNFT化
今までにないアートの文脈を広げていく

デジタルアートはあたらしい市場で大きな可能性を秘めている。NFTを活用して予想を超えた面白い体験を創出する。

IPホルダーが抱える問題として、無断転載や海賊版の存在等があげられる。ブロックチェーンを活用するNFTは発行されたものが唯一無二であることを証明するため、こうした課題を解決する糸口として期待される。

NFTのブームはアート領域から始まったといっても過言ではない。日本でも、Anique(アニーク)が多数のデジタルアートを手がけている。

同社では人気マンガ『進撃の巨人』のIPを活用したNFTトレーディングカード『Attack on Titan : Legacy』を提供。エンタメ領域で数々の新規事業立ち上げ等に携わってきた代表の中村太一氏が主導し、デジタルアートのユニークな魅せ方を追求する。


中村:2021年後半から2022年前半にかけてはNFTというだけで一定人気を得ることができた期間で、2022年後半は狂乱のフェーズが過ぎ、『何ができるのか?』というユーティリティに注目が集まりました。
2023年は改めてコンテンツの保有体験・購入体験が今以上に問われると思います。ユーザーにあたらしい体験価値を提供できるかがプロジェクト成功の分かれ目になります。

デジタルであることによってコストが下がりあたらしい顧客層にリーチができる、リアルとのリンクが深まる、エモート表現ができる、AIを活用してチャットができるといったさまざまな体験価値が創出されていくと思います。

デジタルアートプロジェクトは参入プレイヤーも増え競争は激化しています。

一方で、まだまだあたらしいマーケットであることから、ユニークな体験価値を付加することができれば一気に注目される可能性を秘めています。

たとえば『Checks VV Edition』などに代表されるオープン・エディション形式のNFTがアートの文脈で出てきたりしました。今までにないデジタル体験で、アート分脈ならではの予想を超える面白さがありました。

もともとIPというのはファンにさまざまな楽しみを提供するものです。書籍、ゲーム、イベント、Webサービスと展開してきて、あらたにNFTという文脈に取り組んでいる。

ただ、クリプトやウォレットがないと売買できなかったり、コミュニティに入るのにもDiscordが必要になる場合があるなど、参入障壁はあります。それが既存のファンに合うのか、理解できるのかという問題もある。

現在は日本の出版社やゲーム会社、海外ではディズニーやDCコミックといった、既存のエンタメ企業もWeb3.0を活用して、グローバルなファンに向けて面白い体験を作ろうと試行錯誤している段階にあります。

これまでグローバルにサービスを展開してきたなかで、僕たちは世界中のマンガ、アニメ好きのファンの注目を集めることに一定の成功を収めたと自負しています。

今年、僕たちAniqueは出版社を始めとしたコンテンツホルダーの皆さんと一緒にファンが喜ぶあたらしい体験価値を創っていくことに今以上にフォーカスしていきます。

特に日本のアニメ・マンガが長年培ってきたストーリー性や世界観をオンライン・オフライン双方で拡張していき、グローバルなファンに、共感の幅を拡張させる体験を提供していくことができたらと思います。

マンガやアニメなど、日本が持つ強いコンテンツがまた違った切り口でグローバルなファンに興味を持っていただいたり、コンテンツホルダー及びクリエイターの方々にとってはあたらしい収益源が生まれたりするチャンスでもあります。そういうWeb3.0産業に貢献できるのはやはり魅力的なことですね。

NFTとデジタルアートの親和性

IP/クリエイターの可能性を一気に拡げ面白さとあたらしさを兼ね備えた体験の提供が可能に。


◉中村 太一
Profile│博報堂DYメディアパートナーズ入社/TV・雑誌・Web・コンテンツ・マーケティング・新規事業立ち上げを経験。2019年5月よりアニメ・マンガ・ゲームなどのアートワークを特別な体験とともに、作品を愛するファンに届けるサービス「Anique(アニーク)」をスタート。素晴らしい創作物をファンがオンラインで楽しめる「オンライン展覧会」、グローバル向けNFTプロダクト「Attack on Titan: Legacy」、IPホルダー向けNFTサービス「Anique Enterprise Platform」を展開中。

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