起業を考えるなら今が好機
今年の注目は「インフラ系」
AptosやSuiなどのあたらしいレイヤー1チェーンが盛り上がりをみせ、あたらしいチェーンに実装されるあたらしいサービスが作られていく。
さまざまな事件等を受け市況が冷え込んだ暗号資産市場。そういった状況でも、あらたなプロジェクトは芽吹き飛躍に向けたエネルギーを溜めている。
そして、将来性のあるプロジェクトにフォーカスを当て、投資するだけでなくイベントに誘致するのが島川敏明氏だ。
大規模カンファレンス『IVS』の運営のほか、有望なスタートアップ等へ出資するHeadline Asiaに従事する島川氏が、VC・イベント主催者としての視点でWeb3.0領域の現状や起業について語る。
VCが注目する投資の動き
プロジェクトの最初の成果、成果物、アウトプット的なところが今年は出てくる
島川:Web3.0領域ではベアマーケットが続いているなか、私はAptosやSuiなどのあたらしいレイヤー1チェーンが盛り上がりをみせていくと考えています。今後はあたらしいチェーンに実装されるあたらしいサービスが作られていくでしょう。これまで別のチェーンで動いていたものがリプレイスされて大きく成長し、あたらしい経済圏が生まれて動いていくことが予測されます。『暗号資産冬の時代』といわれていますが、今までも暴落と上昇を繰り返してきました。過去に大きく成長したサービス、たとえばOpenSeaなどは冬の時代に仕込まれ、準備されていました。冬以前にしっかりと資金調達をしたサービスが、この期間を乗り越えてより大きく跳ねてくると考えていますので、投資家としてネガティブな感覚はありません。
むしろ、今こそ投資をすべきタイミングであると考えています。
日本のマーケットでは、最近はより堅実なサービスが増えてきたと思います。これまでDAO的な思想であったり、『ザ・Web3.0』のような考え方のサービスが多かったのですが、今は1周してWeb2.5あたりのサービスが多い。
法的な観点でトークンを運用できないなどの障壁はあるものの、日本の大企業やIPホルダーがWeb3.0に関心を持ち、プロジェクトを立ち上げ始めています。そういったプロジェクトの最初の成果、成果物、アウトプット的なところが今年は出てくるでしょう。
今年投資するべきテーマとして注目しているのはインフラ系です。最近はセキュリティ面が話題になっています。それはWeb3.0領域での犯罪が多くなってきたからです。
ですので、Web3.0における生活、活動においての基礎的なサービスとなるプロジェクトに投資を行うべく、インフラ系のスタートアップを注視しています。
IVSとしては、今年6月28日から30日にかけて、京都で大型カンファレンス『IVSCrypto 2023』を開催します。海外から数千人を誘致する予定で、すでに豪華な登壇者も決まっていますし、日本の方々にこの場所で刺激を受けていただき、グローバル化に踏み出せるような場所を作っていきたいと考えています。
日本はどうしてもガラパゴス化しがちな環境だと思いますので、起業を考えている方は今のタイミングで起業して、足腰の強い会社を作っていくところが非常に重要だと思います。
IVSが開催するカンファレンスを、この時期を恐れずに挑戦してもらえるような場にしていきます。
また起業等、挑戦したい方はぜひ当社にご連絡をください。グローバルのトッププレイヤーに次のラウンドで出資を受けたいとか協業したいというストラテジーを持っている方もぜひ声をかけていただきたいと思います。
Profile
◉島川 敏明
大阪大学大学院生命機能研究科卒。2017年インフィニティベンチャーズLLP(現:Headline Asia)に入社し、招待制カンファレンス「IVS」の運営や日本最大のライブ配信アプリを提供する株式会社17Media Japan(現:17LIVE株式会社)の創業メンバー・経営企画室 室長として2年間で日本のライブ配信業界において売上1位を達成する。2020年にIVSの代表に就任。
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