一部からは「自動売買ツールは稼げない」「詐欺アプリが多い」という声もあがっているため、導入できずに悩んでいる人も多いのでは?
今回は、自動売買ツールについてのメリット・デメリットを紹介。
株式投資やFX(外国為替証拠金取引)などの投資は、投資家自身がPCやスマートフォンから売買注文を出す、裁量取引が一般的。
今は「指値」「逆指値」など多彩な注文方法があるので、「〇円になったら買い、▲円になると売却」など半自動的なトレードも可能だが、注文を出すのはあくまでもトレーダー自身となる。
これに対して、あらかじめ定められた取引ルールをプログラム化し、自動的に発注を繰り返すのが「自動売買」だ。株やFXの分野で有償・無償のツールがあり、「システムトレード(シストレ)」とも呼ばれている。
その種類は大きく2つあり、プログラム(EA)を選択する「プログラム選択型」、投資家自身がプログラムを設定する「プログラム開発型」があげられる。
インターネットで商品自体が提供・販売されていたり、証券会社やFX事業者が顧客向けサービスとして提供しているパターンが大半だ。プログラムや金融の知識があるなら自作することもできるが、手間やコストの面から、これに取り組む投資家は少数だろう。
自動売買のメリットは、「取引を任せられるので時間が取られない」「テクニカル分析が不要」「感情的にならずに済む」「売買タイミングを計る必要がない」など、さまざま。
なかでも、多忙なビジネスパーソンがトレード時間を確保するのは大変だ。こと日本株の取引時間は仕事と重なる日中なので、自身の代わりとなり取引する自動売買はありがたい存在だ。
FXは平日24時間トレードができるとはいえ、夕方以降にするとプライベートな時間が削られる。自動売買はこういった悩みを解消してくれる。
また、取引中に過度な損失が発生すると売買判断を誤ることがあるが、自動売買はルールにのっとり取引をするので、感情的になることもない。
片や、デメリットがないわけではない。
いくら取引を任せるとはいっても、運用状況は定期的にチェックする必要があり、相場状況によっては自動売買を止める必要がある。
特に、突発的な金融・経済環境の変化に伴い相場が急変した時は、選択中のシステムでは対応しきれないことがあり、気が付くと多額の含み損を抱えていることがある。こういった場合は、事前に自動売買をストップさせておかないといけない。
また、自動売買のサービスには複数のプログラムが用意されていて、「トレンド相場で稼ぎやすい」「逆張りが得意」など、それぞれで特性は異なる。
今の相場状況やトレンド、ファンダメンタルズなど価格変動の要因と照らし合わせてマッチしたものを選ばないと、システムはうまく稼いでくれない。
自身で売買することをプレイヤーとたとえるなら、自動売買は個性の異なるシステムから状況に合わせて最適なものを選ぶ監督業のようなもの。そういったスタンスで臨まないといけない。
過去の成績がどれだけ優秀なシステムであっても、将来も同様とは限らないし、含み損を抱えることもある。すぐさま利益を出すとは限らず、腰を据えた運用も求められるだろう。また、証券会社などが提供する自動売買は、裁量取引に比べると手数料が割高になることもある。
