あらたな資金流入を見越し動き始めた暗号資産業界

bitbankは、2014年からサービスがスタートした暗号資産取引所だ。運営はビットバンク株式会社。日本初のビットコインATMを設置したり、クレジットカードから暗号資産を購入できるウォレット「bitcheck wallet」のサービスを開始したりと、10年近く国内Web3.0業界をリードし続けてきた。
同社は、2021年9月に、国内でSNSの普及の嚆矢となった「mixi」の運営や、ゲームアプリ「モンスターストライク」の開発で知られる株式会社ミクシィと、複数のWebメディアの運営を行っている株式会社セレスから、合計75億円の資金を調達すると発表。さらに、ミクシィと資本業務提携を結び、現在同社の持分法適用関連会社となっている。
2024年7月31日に突如発表されたビットバンク株式会社の株式上場準備は、ミクシィのIR情報にて発表された。現在、ビットバンク株式会社の持ち株比率は、株式会社ミクシィが26.99%、株式会社セレスが23.05%。ビットバンク株式会社の代表取締役CEOの廣末紀之氏が30.69%となっている。
思い返せば、5年前に同じく暗号資産取引所のbitFlyer上場の噂がまことしやかに囁かれた時も、同じように業界は揺れ動いた。だが、この噂はいまだ実現に至っておらず、代替手段として、現在マネックスグループ傘下の取引所であるCoincheckが「SPAC上場」という手段で、米国での上場を目指している。
そのようななかで、ミクシィのような超大手企業が暗号資産取引所の株式上場、しかも東京証券取引所への上場を目指すというニュースは、日本国内の暗号資産取引所に対する評価が、次なるフェーズへ移行したからとみてよいだろう。
この動きのきっかけの1つとなったのは、やはり前ページで紹介した、米国でのビットコイン現物ETFの上場だ。これまで市場を支えてきた暗号資産愛好家以外の投資家から大きな資金が暗号資産市場に流入する可能性がみえたことで、各社が次の時代のリーディングカンパニーを目指して活発に動き始めている。

日本の機関投資家の特徴
- 全体の54%が暗号資産に投資する意向あり
- 暗号資産にネガティブな機関投資家は25%
- 銘柄はビットコインとイーサリアムが人気