暗号資産

OKCoin Japanが「OKJ」へリブランディング その狙いに迫る——

2024/09/29Iolite 編集部
SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
OKCoin Japanが「OKJ」へリブランディング その狙いに迫る——

老舗暗号資産取引所のブランド刷新

ブロックチェーン事業をグローバルに展開するOKグループの日本法人として、2017年に設立された「オーケーコイン・ジャパン株式会社」。2020年に暗号資産取引業者として、金融庁に登録されて4年を迎えた今年8月20日に、同社のサービス名を「OKJ」に変更することが発表された。実は、この名称変更は2023年10月に、OKグループの最高責任者(COO)であるホン・ファン氏がX(旧Twitter)にて発表していたリブランディング計画の一環であるとみることができる。

ファン氏はこの投稿のなかで、「OKCoinが今後数ヵ月で“OKX”にリブランディングされる」と宣言していた。ちなみに「OKX」という名称は、OKグループの抱えるもう1つの暗号資産事業と同一のためOKグループのすべてのサービスが1つに統一されるものと考えられている。「OKCoinJapan」は、暗号資産の「販売所」、「取引所」だけでなく、「ステーキング」や「FlashDeals」、「積立サービス」も提供している。「OKJ」へのリブラディング後もこれらのサービスは継続して利用可能だ。

先述の通り、同社の事業領域は取引所業務の域を超え非常に幅広い。それら広がったサービスを、統一したブランド名にすることで、ユーザーに対して認知しやすいブランド名を提供し、グローバル市場でのさらなる成長を目指す、とOKXは自社の姿勢を明確にしている。「OKCoin Japan」から、短くシンプルな「OKJ」に変えることで、誰もが覚えやすいブランドとなるだろう。シンプルなブランド名は、異なる言語圏の市場であってもOKXグループのサービスであることが伝わりやすくなり、グローバルな市場での事業展開がスムーズに進むようになるはずだ。さらに、これら統一されたブランドのもとで、共通のUIを持ったサービスが提供できるようになれば、UXがかなり向上することが期待されている。

OKXは2022年頃より、サッカープレミアリーグのマンチェスター・シティや、F1チームのマクラーレン、トライベッカ映画祭のメインスポンサーなど、続々とスポンサー契約を締結。知名度の向上に前向きな姿勢をみせていた。

OKJの特徴

●グローバルに展開しているOKグループの日本法人

●利用者同士で暗号資産を送金しあうことができる

●独自トークンOKBも提供している

暗号資産はなぜ頻繁にリブランディングを行うのか

暗号資産業界は、比較的短いスパンでリブランディングが行われる傾向にある。2019年にMeta社が発行を発表したものの未発行のままに終わった暗号資産「Libra」が、2020年に名称を「Diem」に変更した例や、イーサリアムのセカンドレイヤーとして、さまざまなアプリの開発などで注目されている「MATIC」が、サービス内基軸トークンであるMATICトークンとブロックチェーンサービスとの名称混乱を避けるべく、2021年に「Polygon」へ名称を変更したことなどが記憶にあたらしい。

ではなぜ、暗号資産業界はリブランディングを試みるのか。それは、暗号資産のイメージをリブランディングにより刷新することができれば、価値の上昇が見込まれるからだ。

暗号資産の価格においてもっとも重要な要素は、利用者の数であることに異論を挟む人は少ないだろう。誰も知らない暗号資産と、誰もが知っている暗号資産、どちらに価値を見出すかは聞くまでもない。これはビットコインやイーサリアムに比べると、その他アルトコインが普及しにくい根本的な要因でもある。利用者が少ない暗号資産は、ボラティリティが大きすぎて、決済手段として使用しにくいのだ。

だが、もしリブランディングに成功しサービスの知名度が向上したらどうだろう。それだけその暗号資産に興味をもち、利用してくれるユーザーが増えるかもしれない。それは暗号資産の価格の安定につながり、投資家からも好材料として迎え入れられる。すなわち、価値の上昇につながるのである。

OKXグループは、そもそも高い技術力で信用を集め、世界10ヵ国以上で展開するように至ったという背景がある。現在ユーザー数は、全世界で5,000万人以上にのぼるといわれている。信用と技術力は、折り紙付きなのだ。今回のリブランディングに成功すれば、国内は元より、国際的にWeb3.0業界を代表する、リーディングカンパニーに躍り出るかもしれない。

まとめ

・サービスの名称を「OKJ」へ統一し、ユーザビリティを向上

・リブラディングによりOKグループの知名度をさらに向上できる

・OKグループの企業価値がさらに向上する可能性も


用語集

OKX……2014年に中国で創設された暗号資産取引所。アジア以外の地域での展開を積極的に行ってきた業界のリーダーの一社

Libra/Diem……Meta社が2019年6月に構想を発表した暗号資産。2022年2月に発行を停止し、計画は頓挫した

セカンドレイヤー……メインのブロックチェーンでの処理に負担がかかる場合に、外部システムで取引を実行する技術

Polygon……イーサリアムのセカンドレイヤーブロックチェーン。イーサリアムと互換しつつ、イーサリアムのようにアプリ開発もできる

アルトコイン……ビットコイン以外の暗号資産の総称。1番人気のビットコインの代わりとなるコイン、alternative coinの略語


関連記事

【NEWS】OKCoinJapanがサービス名をOKJに変更

暗号資産取引所OKJ サービス開始から4周年!サービス名を「OKJ」へ刷新 | OKCoinJapan COO・八角大輔

SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
Side Banner
MAGAZINE
Iolite(アイオライト)Vol.11

Iolite(アイオライト)Vol.11

2025年1月号2024年11月28日発売

Interview Iolite FACE vol.11 SHIFT AI・ 木内翔大、デジライズ・茶圓将裕 PHOTO & INTERVIEW 中村獅童 特集「Unlocking the Future AI時代の到来」「期待と懸念が交差し混沌極まる石破内閣 日本のWeb3.0は今後どうなるのか? 」「暗号資産取引に必要な 税金の知識を学ぶ!基礎知識や今からでも使えるテクニックを解説」 Interview :Bybit ベン・チョウ(Ben Zhou)、マネックスグループ株式会社 ゼロ室 室長/マネックスクリプトバンク 万代惇史・浅見浩志、カオーリア会計事務所代表 現役税理士・藤本剛平 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等

MAGAZINE

Iolite(アイオライト)Vol.11

2025年1月号2024年11月28日発売
Interview Iolite FACE vol.11 SHIFT AI・ 木内翔大、デジライズ・茶圓将裕 PHOTO & INTERVIEW 中村獅童 特集「Unlocking the Future AI時代の到来」「期待と懸念が交差し混沌極まる石破内閣 日本のWeb3.0は今後どうなるのか? 」「暗号資産取引に必要な 税金の知識を学ぶ!基礎知識や今からでも使えるテクニックを解説」 Interview :Bybit ベン・チョウ(Ben Zhou)、マネックスグループ株式会社 ゼロ室 室長/マネックスクリプトバンク 万代惇史・浅見浩志、カオーリア会計事務所代表 現役税理士・藤本剛平 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等