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「トランプvsハリス」で迎える転換期 二分する暗号資産業界の行く末

2024/10/01Iolite 編集部
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「トランプvsハリス」で迎える転換期 二分する暗号資産業界の行く末

“暗号資産大統領トランプ”は本物か

2024年に入り、暗号資産市場では米国におけるビットコイン現物ETFの承認、またビットコイン(BTC)の半減期に伴い、相場は盛り上がりをみせた。加えて、米国ではイーサリアム(ETH)の現物ETFが正式に取引開始され、さらには暗号資産規制に関する議論も活発化している。こうした状況から、米国ではまさに今、暗号資産領域に過渡期が訪れているといえる。

そのような情勢下で、かねてより暗号資産市場において注目を集めているのが、11月に実施される米大統領選の行方だ。とりわけ、共和党候補のドナルド・トランプ元大統領の動向が2024年に入ってから暗号資産業界にポジティブな影響をもたらしている。

かつてトランプ氏はビットコインについて「詐欺のようなものだ」と一蹴し、“反暗号資産派”を代表する人物であった。しかし、そんな同氏は今、自らを“暗号資産大統領”と称するなど、暗号資産推進派へ華麗な転身をはたしている。なぜこの4年でこれほどまでにスタンスを転換させたのか。その背景には、SNSの存在が大きいとみられる。

トランプ氏は2021年1月に発生した議会襲撃を煽動したことなどを理由に、最大の発信の場であったTwitter(現X)のアカウントを凍結された。以降は自身が立ち上げたSNS「Truth Social」で発信することとなったがこれだけでは自身の支持者を囲い込むための効果しか得られず、Xのように幅広い層に言葉を届けることは難しい。

そこで、XなどのSNSと相性が良く、ミーム的な熱狂を兼ね備える暗号資産業領域に目を付けたのではないだろうか。自身を暗号資産推進派としてアピールすることで、いわゆる暗号資産票を固めるだけでなく、かつての発信の場であったXなどでの露出も増える。実際、過激な発言とパフォーマンスが代名詞であるトランプ氏の言動は、暗号資産業界に鮮烈な印象を与えた。

しかし、かつての面影もなく暗号資産推進派を名乗り、業界との親密さを連日アピールする姿は、あくまで過度なパフォーマンスに過ぎないとの見方もある。少なからず、市場規模が拡大し、資金が潤沢となりつつある暗号資産業界から選挙資金を調達するという戦略の一環である側面も忘れてはならない。こうした状況も鑑みると、トランプ氏がはたして本物の“暗号資産大統領”であるかはもう少し精査する必要があるだろう。

待ったをかける民主党の刺客

当初描かれていた大統領選の構図は、バイデン大統領とトランプ氏による再戦であった。しかしこのシナリオは、バイデン大統領の度重なる失言など、高齢からくる健康不安の懸念もあり、大きく崩れ去った。

その後、バイデン大統領は大統領選からの撤退を表明することとなるが、置き土産としてカマラ・ハリス副大統領を事実上の後任として指名した。この動きを受け、トランプ氏は「バイデンよりも戦いやすい」と、余裕をみせつつ“口撃”してみせたが、現在状況は変わりつつある。

分散型予測市場「Polymarket」によれば、トランプ氏は7月13日の選挙集会中に銃撃された日を境に、最大72%の確率で「大統領選挙に勝利する」と予想されていた。当時まだ撤退を表明していなかったバイデン大統領の勝利確率はわずか17%で、このままいけばトランプ氏がどこまで大差で勝利するかを見届ける大統領選となる状況であった。

しかし、ハリス氏が民主党の大統領候補者になる見込みとなると状況は一変。その差はみるみる縮まり、Polymarket上の予測ではハリス氏がトランプ氏を猛追し、記事執筆時点ではわずかにリードしている。また、米大手メディアによる世論調査でもハリス氏がトランプ氏を僅差で上回る結果がみられた。トランプ氏としてはまさに伏兵を送り込まれた格好となり、大統領選は再び混戦を極める構図となっている。

正式に民主党候補となったハリス氏が発表した公約をみると、事前の予想通りバイデン路線を継承する内容が多々見受けられた。そのため、これまで締め付けを強化されてきた暗号資産業界にとっては少なからずネガティブなイメージに映る可能性がある。実際、ハリス氏が当選した場合のシナリオとして、すでに暗号資産業界にとっては好ましくない意見も散見されている。

そのため、ハリス氏の勢いが強まれば暗号資産市場の動向も芳しくないものとなる可能性がある。しかしハリス氏があらたな公約で暗号資産について言及すれば、当然見方は変わるだろう。そのような展開となれば、トランプ氏は追加の暗号資産関連政策を打ち出す可能性も浮上する。

本特集では、トランプ氏とハリス氏の両名が掲げる公約や大統領選を巡る現在の状況、そして大統領就任に伴う暗号資産業界への影響について整理し、考察していく。

両者の主な公約

ジョー・バイデン大統領の大統領選挙撤退により、沸き起こったハリス氏に対する期待の高まりはいまだ衰えてはいない。しかし、ハリス氏が採択した民主党の政策綱領は、事前の予測通りバイデン政権の主要政策を継承する内容だった。強調されていた点といえば、トランプ氏の名前を150回以上出して同氏の批判を繰り返したに過ぎず、ハリス氏独自の色はほとんどみられていないといえる。

事実上の公約となる党綱領は約90ページあり、「トランプのビジョンは、機会や楽観主義ではなく、遺恨と報復に焦点をあてたものだ」と書き記すなど、トランプ氏に対する姿勢を一層強めている。さらに、トランプ氏は個人や女性の自由を奪い、労働者の負担を増やし、社会保障を削減するものであると強く主張した。

実際にはトランプ氏率いる共和党の綱領では暗号資産を推進するなど、ビジョン的にはこれまでよりもあたらしさを感じさせるが、そうした点には触れていない。その一方で、民主党の方針としては「低所得者層の底上げや中間層の拡大」、「製造業の復活とインフラ再構築への投資を加速する」などバイデン政権の基本政策を並べた上で、トランプ氏が比較的重要視していない気候変動対策を盛り込んでいる。

また、若い世代が反発するイスラエル支援に関しては「パレスチナ自治区ガザの停戦合意」を主張した。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」などへの反対する姿勢も示した。しかしながら、イスラエルに対する武器禁輸は一切触れておらず、説得力に欠けるものだった。

ハリス氏が最も注力しているのは、若年層と低所得者層、マイノリティの取り込みだ。ハリス氏は伝統的に黒人女子学生で構成された社交クラブ「アルファ・カッパ・アルファ(Alpha Kappa Alpha =AKA)に所属していた。これは全米の36万人の女性と直接つながるネットワークだ。AKAの会員はハリス氏を支持することを事実上、表明している。

女性と黒人を主な支持層としている民主党にとっては大きな力となる。社交クラブ自体が民主党支持というわけではないが、会員達はハリス氏を支持しているのだ。その反面、トランプ氏は全米黒人ジャーナリスト協会(NABJ)によるインタビューでハリス氏に対し「インド人と主張していたのに突然黒人になった。私は彼女が黒人だとは知らなかった」と述べ、黒人女性層の支持を失いつつある。

今大統領選の争点の1つとなっている人工妊娠中絶に関しては「憲法上の権利として法制化し、生殖に関する権利を回復させる」と明言。トランプ氏が全面的にうたう移民問題については、議会に対して「国境警備の強化、難民申請制度改革、合法移民の受け入れ拡大」の法案化を目指すとした。党綱領の草案はバイデン大統領が撤退する前に、民主党全国大会の綱領委員会が承認したものだ。

綱領は民主党が数年にわたり調査、検討してきたものであり、簡単に変えることができないこともまた事実としてある。バイデン政権の業績や2期目の計画に何度も言及しており、党内部の融和が優先される。トランプ氏陣営は「カマラ(ハリス)は自分が作り出した危機の数々を解決するプランがない」と批判するが、実際バイデン政権による政策のなかには成功したといえるものもあり、踏襲することはしごく当然のことでもある。

イスラエル・パレスチナ問題、急激なインフレなど負のイメージが強調されるが、それでも概ね民主党には期待する米国民が多いことも大統領選が混戦を極める要因になっているといえる。記事執筆時点でトランプ氏とハリス氏の支持率は依然として拮抗しており、やはり結果は蓋を開けてみないと最後までわからない状況だ。

しかし、ハリス氏とトランプ氏の直接対決となったテレビ討論会によって風向きに変化がみられようとしている。この討論会はハリス氏が民主党の候補者になってから初めて行われるトランプ氏との貴重な対決の場となり、今後の選挙戦を大きく左右する極めて重要な意味を持つ。実際、バイデン大統領はテレビ討論会で散々な姿をみせ、撤退に追い込まれている。

討論会はトランプ氏が得意の“口撃”で終始民主党政権を非難し、ハリス氏もそれに対して応戦するなど、両者一歩も退かない展開となった。それでも、冒頭からハリス氏には余裕がうかがえ、討論会のペースを握っていたといえる。ハリス氏は検事出身ということもあり、展開を踏まえながら攻めていた印象だ。

一方のトランプ氏は防戦のイメージが強かった。米CNNによれば、「討論会に勝利したのはどちらか」という調査で、63%がハリス氏の勝利を支持した。6月に行われたバイデン大統領とトランプ氏の討論会では、67%がトランプ氏勝利と答えたことから、まさに真逆の結果になったといえる。この討論会を契機として、今後ハリス氏がリードしていく可能性が高まっている。

バイデン路線継続で支持集めるも暗号資産には懐疑的なハリス氏

ゲーリー・ゲンスラー“財務長官”誕生か

バイデン政権の失敗の1つと指摘されているのが、暗号資産業界への極めて異例の締め付けだ。ハリス氏は「先進的な技術を応援する」とはいうものの、その言動をみれば暗号資産業界に対して厳しい目線を持っていることはうかがえ知ることができる。

ハリス氏が暗号資産業界に懐疑的であることを示す動向としては、自身が大統領に就任した場合、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長を財務長官に指名する方針であることが判明したことだ。ゲンスラー委員長が財務長官に就任すれば、次期SEC委員長もゲンスラー氏に近い者が就任することが想像にたやすく、同氏の暗号資産業界に対する姿勢を受け継ぐことになる。

そうした場合、暗号資産業界にとってはますます厳しい環境となり得る。ただ、暗号資産業界にはハリス氏に近付く動きもみられる。暗号資産の投資家や業界幹部が、ハリス氏を支援する資金集めのイベントを9月13日にワシントンで開催する。記事執筆時点で少なくとも暗号資産により10万ドル以上の資金調達を目指す。

ブロックチェーン財団のエグゼクティブディレクターで主催者の1人、クリーブ・メシドール氏はこのイベントのチケットは500ドルから5,000ドルになると述べた。ハリス氏が民主党候補になって以降、急激に集めた数億ドルに比べると同イベントの目標調達金額が少ないともいえるが、暗号資産業界内では、友好的な政策を公約することで大口献金者を取り込もうとしてきた共和党候補のトランプ氏ではなく、ハリス氏を支持しようとする動きもある。

主催者には法律事務所のウィルマーヘイルのブロックチェーン&暗号資産ワーキンググループ共同議長ティファニー・スミス氏も存在している。ハリス氏が大統領となることで暗号資産に対する規制が緩和されることを期待しているのだ。

また、ハリス陣営の政策上級顧問、ブライアン・ベルソン氏は民主党全国大会で開催されたブルームバーグ・ニュース円卓会議でハリス氏の暗号資産業界への対応について問われ、「(ハリス氏は)あらたな技術や関連業界が成長し続けられるような政策を支持するだろう」とも述べている。これに対して、ハリス陣営がコメントを発表していない点は、やはり暗号資産業界などに対する姿勢を疑う要因となっている。ただハリス氏のチームは、暗号資産業界に関するセーフガード(安全策)導入になお関心があるとも示唆している。

ハリス氏は自身の経済政策の概要を説明したノースカロライナ州での演説で、暗号資産については一切言及しなかったものの、大統領に選出された場合、「不必要な官僚主義と煩雑な手続きの削減に焦点をあてる」と明言した。「一貫性と透明性を備えたルールで消費者を保護し、安定したビジネス環境を創出する、革新的技術」を後押しするとも述べた。

しかしこれが暗号資産を指しているかどうかは不明だ。ハリス氏は低所得者層や中間層、マイノリティの票固めに奔走している。そのため、トランプ氏と異なり暗号資産業界票を重要視していない点は明らかだ。

SECのゲンスラー委員長が財務長官に就任した場合暗号資産業界の締め付けはさらに強まる可能性

トランプ大統領実現で米国は暗号資産大国に

ハリス氏とは対照的にトランプ氏は暗号資産支持派を表明しており、Web3.0領域に近い人物たちはトランプ氏を支持している。代表的な人物としては、イーロン・マスク氏、ピーター・ティール氏、a16z創設者アンドリーセン・ホロウィッツ氏、オラクルのCEOサフラ・カッツ氏だ。カッツ氏はトランプ次期大統領の政権移行チームの執行委員会に参加し、マスク氏にいたってはトランプ陣営に毎月4,500万ドル(約71億円)を献金していることが判明している。

副大統領候補のJ・D・バンス氏は、ピーター・ティール氏のファンドでマネージャーを務めていた。また、バンス氏は暗号資産関連政策に積極的な人物として知られ、トランプ氏は当選した暁に米国を本気で暗号資産大国にする体制を整えようとしている。

また、トランプ氏が当選すればSECのゲンスラー委員長が即時解任されることも濃厚であり、その後は暗号資産支持の委員長が就任するのも既定路線といえる。これは暗号資産業界には大きな追い風になり、ビットコインを始めとした暗号資産が大幅に価格を伸ばす大きなきっかけになるといえる。

トランプ氏はマイニング企業を支援して、新規ビットコインのマイニングにおいて米国を世界一にすると明言している。また、米政府による暗号資産の戦略的保有、暗号資産の発行や関連アプリケーションの規制及びETF承認フローの緩和のほか、暗号資産の売却における減税も表明している。

トランプ氏が当選すれば暗号資産業界は活気付き、米国が暗号資産分野のトップとして明確に君臨することになる。暗号資産について民主党は懐疑的な姿勢を崩しておらず、民主党の支援者も暗号資産否定派が共和党支持者に比べて多いとされることから、ハリス氏が暗号資産支持派に方向転換する可能性は非常に低い。

ハリス支持派のソロス氏のファンドは暗号資産をポートフォリオのなかに組み込んではいるが、ソロス氏自身は暗号資産に懐疑的で「ビットコインは通貨ではない。なぜなら通貨とはその価値が安定的であるべきだからだ。誤解にもとづくただの投機だ」と述べ、バフェット氏はいまだに暗号資産を妄想だと主張している。

ただ、ソロス氏はブロックチェーンについては「革新的技術であり、さまざまな用途が考えられる」とも認めている。ハリス氏の支持者で主要ともいえる投資家が暗号資産について積極的でない以上、ハリス氏も暗号資産を積極的に支持するわけにはいかないという事情がありそうだ。

その反面、トランプ氏の周りを固める人物は親暗号資産派が多く、同氏の当選によって暗号資産を活用したビジネスを加速させていく可能性も考えられる。業界としても、直近ではトランプ氏当選のシナリオがベストであるという見方は依然として変わっていない。

結果次第で暗号資産にとっては天と地の差

ハリス氏が当選した際、暗号資産業界は衰退こそしないものの、飛躍的な発展もイメージがしにくい。どちらかといえば、従来のスタンスが継承されると見込んだ暗号資産企業が米国外へと活動の場を移すことの方が想像にたやすく、結果的に米国にとってはイノベーションの促進という点でマイナスとなる可能性の方が大きい。

最新の公約でも暗号資産には触れておらず、「半導体やクリーンエネルギー、AIなどの最先端技術で米国がリーダーとしていられるよう引き続き取り組む」と言及したのみだ。先述した通りハリス氏はバイデン政権の中枢で暗号資産否定路線を主導した人物の1人であり、同氏の背景に映る支援者も考慮すると、業界にとってはネガティブなイメージしか残らない。

暗号資産業界にとってはトランプ氏が当選した方が望ましいといえる。トランプ氏はすでに自らを“暗号資産大統領”と自称しており、これまでの言動も踏まえると業界にとってはハリス氏よりも断然ポジティブな見方ができる。経済政策についても現状からの大幅な転換を図る可能性が高く、伝統金融の動向も考慮する必要があるが、暗号資産価格を大きく押し上げる可能性を秘めている。

しかし、トランプ氏を巡る状況は日々厳しさを増している。同氏よりも若く、当選すれば女性初の大統領となるハリス氏に対する期待感は当初の予想よりも遥かに大きい。またハリス氏の当選で米国政治に一定の刷新感が生まれることはいうまでもない。

大統領選の結果次第で、暗号資産業界の行く末は天と地の差が生まれる。今回も最後まで情勢がまったくみえない大統領選になることが必至ともいえる状況で、11月の決着まで暗号資産市場も軟調な動きとなる可能性がある。今回の米大統領選は、これまで以上に暗号資産業界にとって目の離せないものとなりそうだ。

Short Column

米大統領選の結果がどちらに転んでも日本のWeb3.0には有利?

米国のあらたな大統領がトランプ氏、ハリス氏どちらに転んでも日本のWeb3.0業界にはプラスに働く可能性がある。

仮にトランプ氏が当選した際には、米国で暗号資産を取り巻く動きが加速するとみられることから、日本においても暗号資産ETFや税制改正に関する議論が加速する可能性を秘めている。

また、ハリス氏が当選すると米国におけるWeb3.0関連の動きが停滞し、海外に拠点を移す企業が出てくるかもしれない。そうなった際には、日本を始めさまざまな国においてWeb3.0関連の競争が激化し、業界の成長が底上げされる可能性が出てくるだろう。

トランプ氏が立ち上げたあらたなWeb3.0プロジェクト

米大統領選で激戦を繰り広げているトランプ氏だが、この度あらたなWeb3.0プロジェクトを発表した。その名も「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)」。暗号資産を通じて借入と貸付を可能にする分散型金融(DeFi)プロジェクトだ。

厳密にはトランプ氏の家族が指揮をとるプロジェクトだが、トランプ氏は発表で、「暗号資産で未来を受け入れ、時代遅れの銀行を置き去りにする」と、強気な発言を残している。米大統領選に与える影響は未知数だが、独自トークンの発行も検討されていることから、今後ますます注目を集めるものとみられる。

トランプが大統領になった際のポイント

  1. ビットコインを始めとした暗号資産に関する規制が緩和される可能性。米政府が準備金の一部としてビットコインを購入したり、マイニング企業の支援などが見込まれる。
  2. SECのゲンスラー委員長が即刻解任される可能性が極めて高い。その後、暗号資産に対して明るい人物がSECの委員長に就任し、規制環境が改善する可能性がある
  3. 富裕層や法人に対する税率が優遇されることに関連して、暗号資産への資金流入が考えられる。特に現物ETFの取引はさらに活発化の可能性を秘めている。

ハリスが大統領になった際のポイント

  1. バイデン路線を引き継ぐことから、暗号資産に対するスタンスも現状維持、あるいは規制強化に傾く可能性。引き締めが強まることで米国外に拠点を移す企業が増加する可能性も。
  2. 暗号資産業界の引き締めを強化してきたゲンスラー委員長が財務長官に就任する可能性が浮上。その場合、あらたなSEC委員長も暗号資産に厳しいスタンスをとる人物が就任するものとみられる。
  3. トランプ氏とは対照的に富裕層のキャピタルゲインに対する課税強化を表明していることから、市場からの資金流出も考えられる。一方、中間層などからの資金流入は増加していく可能性もある。

イノベーションの促進や税制に関する政策も踏まえトランプ氏勝利が業界にとってポジティブなシナリオ

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