What's SHIFT AI
「日本をAI先進国に」をミッションとして掲げ、AIに特化したコミュニティやメディア事業などを手がける。AI人材不足や日本におけるAI活用の遅れなどといった課題解決に向け、現在8,000名の会員を有するAI大学「SHIFT AI」などを運営し、シンギュラリティの加速を目指している。
──木内さんのこれまでの経歴と、AI領域に注力しようと思った理由をお聞かせください。
木内翔大(以下、木内):私はゲームが好きで、もともと10歳の時からプログラミングに触れていました。AIとの出会いもゲームプログラミングの延長線です。15歳の時にシューティングゲームを作っていたのですが、敵キャラクターの動きを設計する上でAIを使う必要がありました。そこからAI技術を学び始めた形です。
当時はまだディープラーニングも出ていないタイミングでしたので、そのもととなるような技術を学びつつ、ルールベースの簡易的なAI開発から始めていきました。
その後、私が18歳の頃にAIの権威であるレイ・カーツワイル氏が書いた「シンギュラリティは近い」という本が日本でも発刊されたのですが、それを読んでニューラルネットワークが進化していくと、AIが人間を自ずと超えていき、シンギュラリティが来ると感じました。
一方で、日本のIT教育は当時すでに、世界と比べると10年も20年も遅れていました。私は10歳からプログラミングをしていましたが、これは非常に稀有なポジションだったわけです。
当時、プログラミングをしっかりと教えている学校もなかったので、そこで日本初となる専門的なプログラミングを、マンツーマンで丁寧に教えるサービスを立ち上げようと考えました。それが2013年に立ち上げた「SAMURAI ENGINEER」です。
たった1人で立ち上げたSAMURAI ENGINEERでは、これまでに累計4.5万人を指導してきました。もともとITエンジニア不足を解消すればIT革命が加速して、次なるAI革命につながると確信していたので10年間取り組んできましたが、今ではプログラミングが義務教育に組み込まれていますし、この10年でエンジニア不足も解消しています。
社会問題としてもエンジニア不足が解決されつつあり、少しでもシンギュラリティを加速させ、IT革命に貢献することができたのではないか思ったことから会社を売却しました。
それから2年ほどが経った頃、今度は生成AIブームがきました。そこで「今度は生成AIの教育が必要だ」と考え、現在に至ります。シンギュラリティ実現に向かう世界の潮流において、日本人もAIリテラシーを高める必要があると強く感じています。
余談になるのですが、実は8歳の時に私は核融合エネルギーに興味を持って、その頃は科学者になるのが夢だったんです。OpenAIのサム・アルトマン氏もシンギュラリティ社会の三種の神器として、AGI(汎用人工知能)、UBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)にならび核融合をあげていますね。たまたまですが、当時から興味を持って携わりたいと思っていました。
──それは何がきっかけになったのですか?
木内:「なぜ人類は戦争をするのだろうか?」と疑問に思ったんです。当時、父と話していて、その背景には利権構造があり、エネルギー戦争のようなものが起きているということを知りました。
それならば、フリーエネルギーのようなものが確立されることでさまざまなコストや物価がさがり、利権構造を崩すと同時に、戦争を防ぐことができるのではないかと考えたんです。それが科学者になりたいと思ったきっかけです。
結局、10歳でプログラミングにのめり込んだので科学者の夢を忘れていた時期もあったのですが、今思えば核融合もシンギュラリティも、人類を1つ上のステージにあげてくれる技術だといえます。そんな技術をワクワクしながら探求し、社会実装していくことにやりがいを感じています。