
ROBLOXとは?
全世界でおよそ4億人のユーザーが楽しんでいるゲーミングプラットフォーム。2,000万本とも3,000万本ともいわれるゲームが配信されているが、これらのゲームはROBLOXが用意した独自エンジンを用いて開発されている。誰でも簡単に自作ゲームを制作・公開できるようになっており、ゲーム版YouTubeという評価もあがっている。
メタバースに人を集めるために必要な条件は、1にも2にも、まずコンテンツ
「メタバースはオワコン」という声が聞こえてくる。Microsoft社やMeta社は2023年頃からメタバース開発スタジオを続々と閉鎖しており、Sandbox上のLand価格も下落が止まらない。こうみると、確かに一過性のブームに過ぎなかったようにみえる。
思えば20年以上前、3D空間のなかで第二の生活を楽しむというコンセプトの「セカンドライフ」が、オンライン空間内の不動産をリアルマネーで売買しているというニュースが流れた時、我々は小説『ニューロマンサー』のような未来の到来を予見した。
だが、実際のところ当時のスペックでは制限も大きく、セカンドライフは広がりを提示できないままひっそりと忘れられていった(余談だが、セカンドライフは現在もサービスを続けており、売り上げを伸ばしている)。初期セカンドライフの失敗の原因は、コンテンツがなかったという一言につきる。
セカンドライフはユーザーがコンテンツを作るというコンセプトだったが、コンテンツを作れるユーザーの数はそれほど多くなかった。結局、広大なWeb空間だけ提供されても我々は楽しむことができなかったのだ。実は、この数年で話題になったメタバースも、セカンドライフと同じ轍を踏んでいるものが多い。
マシンスペックがあがりセカンドライフの頃よりもはるかにリアルで、大勢が集まれるメタバースはできあがったが、そこでお散歩をするだけでは何も面白くないし、リアルな商品を買えるだけなら、ほかのECサイトと変わりがない。オンライン上で話をするだけなら、Zoomで十分だ。
結局のところ、仮想空間ならではの体験ができるコンテンツはゲームであるという月並みな回答に異論を挟む人は少ないだろう。無料の対戦型TPSである『Fortnite』は、MAUが500万人を超え、売り上げも月300億円を誇る。
銃を撃って対戦するゲームモードが主ではあるが、「Creative」と呼ばれる、オリジナルの仮想世界を作るモードも盛り上がっており、このモードで世界的アーティストが行う音楽ライブは、1,000万人以上の人を集めた。
Fortniteはe-Sportsとしても定着し、大会の中継が行われたり、地上波のバラエティ番組でプレイの様子が放送されたりと、ゲームをしない人の間でも知名度がある。さて、そんなFortniteよりもさらにユーザー数が多く、巨額の資本が動くゲーム×メタバースのコミュニティ「ROBLOX」については、ゲーマー以外の認知度はまだまだ低い。