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ROBLOXはこれからのメタバーススタンダードなのか?

2024/12/03Iolite 編集部
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ROBLOXはこれからのメタバーススタンダードなのか?

ROBLOXは世界でもっとも成功しているメタバース⁉

ROBLOXとは?

全世界でおよそ4億人のユーザーが楽しんでいるゲーミングプラットフォーム。2,000万本とも3,000万本ともいわれるゲームが配信されているが、これらのゲームはROBLOXが用意した独自エンジンを用いて開発されている。誰でも簡単に自作ゲームを制作・公開できるようになっており、ゲーム版YouTubeという評価もあがっている。

メタバースに人を集めるために必要な条件は、1にも2にも、まずコンテンツ

「メタバースはオワコン」という声が聞こえてくる。Microsoft社やMeta社は2023年頃からメタバース開発スタジオを続々と閉鎖しており、Sandbox上のLand価格も下落が止まらない。こうみると、確かに一過性のブームに過ぎなかったようにみえる。

思えば20年以上前、3D空間のなかで第二の生活を楽しむというコンセプトの「セカンドライフ」が、オンライン空間内の不動産をリアルマネーで売買しているというニュースが流れた時、我々は小説『ニューロマンサー』のような未来の到来を予見した。

だが、実際のところ当時のスペックでは制限も大きく、セカンドライフは広がりを提示できないままひっそりと忘れられていった(余談だが、セカンドライフは現在もサービスを続けており、売り上げを伸ばしている)。初期セカンドライフの失敗の原因は、コンテンツがなかったという一言につきる。

セカンドライフはユーザーがコンテンツを作るというコンセプトだったが、コンテンツを作れるユーザーの数はそれほど多くなかった。結局、広大なWeb空間だけ提供されても我々は楽しむことができなかったのだ。実は、この数年で話題になったメタバースも、セカンドライフと同じ轍を踏んでいるものが多い。

マシンスペックがあがりセカンドライフの頃よりもはるかにリアルで、大勢が集まれるメタバースはできあがったが、そこでお散歩をするだけでは何も面白くないし、リアルな商品を買えるだけなら、ほかのECサイトと変わりがない。オンライン上で話をするだけなら、Zoomで十分だ。

結局のところ、仮想空間ならではの体験ができるコンテンツはゲームであるという月並みな回答に異論を挟む人は少ないだろう。無料の対戦型TPSである『Fortnite』は、MAUが500万人を超え、売り上げも月300億円を誇る。

銃を撃って対戦するゲームモードが主ではあるが、「Creative」と呼ばれる、オリジナルの仮想世界を作るモードも盛り上がっており、このモードで世界的アーティストが行う音楽ライブは、1,000万人以上の人を集めた。

Fortniteはe-Sportsとしても定着し、大会の中継が行われたり、地上波のバラエティ番組でプレイの様子が放送されたりと、ゲームをしない人の間でも知名度がある。さて、そんなFortniteよりもさらにユーザー数が多く、巨額の資本が動くゲーム×メタバースのコミュニティ「ROBLOX」については、ゲーマー以外の認知度はまだまだ低い。

ROBLOXの特徴と支持を集める背景

ROBLOXは、ゲーミングプラットフォームでありゲームの開発ツールだ。プログラムをまったく知らなくてもゲーム開発ができるプリセットが用意されており、実際筆者も、触り始めて1時間程度で3D空間のなかを車が走るプログラムを作ることができた。

ROBLOXで開発されたゲームは、ROBLOX内で配信ができ、ユーザーはそれらを無料で自由に遊ぶことができる。さらに、ROBLOX内でユーザーの分身となるアバターに着せるスキンや、アイテムを開発することも可能だ。一部のアイテムは、ROBLOX内で使用される通貨「Robux」を用いて売買もできる。

ROBLOXの特徴

  1. プログラミング初心者でもゲームやメタバースが作成できる
  2. 作ったゲームやスキンを販売できる
  3. 手にしたゲーム内通貨を換金できる
  4. メタバースとして交流に使える

サービスの開始は2006年と古い。だが、ROBLOXが急速に成長したのは2020年頃だ。きっかけは、新型コロナウイルスの流行であった。

感染対策により、オンライン授業となった小学生たちが、基本プレイ無料のROBLOXに集まり友人作りを始めたのだ。やがて、他人の作ったゲームだけでは満足できなくなると、自分たちでゲームを作りそのゲーム空間へ友人を招待し始める。

こうして大人たちの知らないところでROBLOXは単なるプラットフォームの枠を超え、子どもたちがコンテンツをキーに集まり情報交換をするメタバースとして機能し始めた。

ROBLOXの最大の魅力は、メインユーザーの年齢層が圧倒的に若い点にある。ROBLOXは現在世界に4億人のアクティブユーザーを抱えているが、そのうち半数以上が13歳以下だ。

子供の環境適応速度は早い。彼らは、ROBLOXを通じた交流を自然なものとして受け入れており、我々大人世代よりも、ナチュラルにメタバースで生活を行っている。これからのメタバース時代の一般常識はROBLOXで育つ子供たちが作っていく可能性が高い。

ここ2~3年、ROBLOXの隆盛に気付きROBLOX内に広告出稿や出店を始める企業が増えてきた。その広告手法は、これまでのメタバースでの展開と大きな違いがある。ROBLOXの主役は、あくまでユーザーである若年層を楽しませるコンテンツだ。

とある映画は、ROBLOX内で予告編を流さず、映画キャラクターになりきれるスキンを開発し無料配布した。スキンをきっかけに映画に興味を持った子供たちが、そのままROBLOXから映画チケットを購入したという結果が出ている。

人気ゲームのアニメ化を宣伝をするために、ROBLOX用新作ゲームを開発してしまった大手ゲームメーカーも出てきている。これらのコンテンツを開発するには当然、開発のための企画や予算がかかる。そのため、ROBLOX内でのコンテンツ開発を専門に請け負う会社まで誕生している。

ペアレンタルコントロールサービスを提供するQustodio社の調査によると、現在、世界の小学生は、ROBLOXのプレイに1日3時間も費やしている。常にゲームで遊んでいるわけではなく、友人同士の会話に費やしたり、次に開発するゲームのアイデア出しを行ったりしているようだ。

これはまさに、我々が思い描いていたメタバースの姿ではないか。メタバース文化は、大人のまったく気付いていなかった大地でしっかりと根を張り、幹を伸ばしていたのである。

若年層が主役だからこれからの発展にますます期待が持てる

ROBLOX News

デイリーアクティブユーザーが約7,950万人

ROBLOXは、デイリーアクティブユーザー(DAU)が7,950万人であると公表している。これは、月間に直すと23億8,500万人のユーザーがアクセスしているということになり、世界の大人気オンラインゲームや、人気メタバースの20倍近い集客能力を持っているということになる。

Z世代α世代を中心に圧倒的な人気と知名度

大人世代にはいまいち知られていないROBLOXだが、世界中の子どもたちにとっては、今やYouTubeやTikTokを超えるサービスとして認知されている。コンビニでAmazonなどのPOSAカードを販売しているところをよくみていると、実はROBLOXの課金カードが販売されており子どもが購入している。

年間売上は8億$!世界有数の成功しているメタバース

ROBLOXは2020年のコロナ禍を境に、右肩上がりの成長を続けている。2024年の第2Qの収益は8億9,350万ドル(約1,370億円)。メインユーザーの大半が小学生ということもあり、1人あたりの月間売上額自体は約1,800円と決して多くはない。だが、ユーザーが多いためこの数字になっている。

有名ブランドも多数参加!リアルの売上に直結する例も

ROBLOXでは、有名なブランドが自分たちのブランドストーリーをモチーフとしたワールドを多数展開している。リアルへの売上へ結び付けるだけでなく、アバター着せ替えのアイテムとしての販売システムが整備されているため、メタバース内独自コンテンツの開発・販売にも力を入れている。


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