生成AIサービスの拡大がとどまらない。株式会社ICT総研の調査によると、2024年末には、生成AIサービスを利用している人数は1,924万人に達する見込みとされている。
NVIDIAを筆頭にGPU関連企業の株価の伸びはとどまるところを知らず、今やIT業界=生成AI関連事業といっても過言ではない勢いだ。
もっとも、生成AIで盛り上がるGPUと、それらを読み取り利用するパソコンのために用いられているCPUとは、まったく異なる設計思想のため、今後両者はまったく異なる業種として進歩していく可能性も指摘されている。では、実際に日本人はどのような生成AIサービスを利用しているのだろう。
これまたICT総研の同調査内に、1年以内に生成AIサービスを利用したユーザー1,243人に対するWebアンケートの結果が含まれている。それによると、やはり断トツの利用率を誇るのはOpenAIのChatGPT。実に、生成AIサービス利用者の18.3%が利用している。
次いで、MicrosoftのCopilotが8.9%、GoogleのGeminiが5.4%と続く。この上位3サービスを除くと、途端に利用率は3%以下にさがり、上位サービスによる独占が進み始めているように思う。
ChatGPTは先行サービスと知名度によるスタートダッシュ効果だと思われるが、2位と3位のサービスに関しては、既存のofficeアプリやAndroidスマートフォンに自動搭載されていることによって、気が付いたら使うようになっていたというパターンだろう。新進気鋭の生成AIサービスでも、大手プラットフォーマーが強いという事実は、夢がないように思われる。
一方で、実は明るい兆しもある。同調査では各サービスのユーザー満足度も、調査していたのだが、実に4人に3人が満足と答えているサービスは、AdobeのAdobe Fireflyだったのだ。このサービスはデザイナーなどクリエイターが愛用している画像加工や動画加工に特化した生成AIだ。
前述の利用者調査では全体の1.2%の人しか使っていなかった。しかし、そのUIのすばらしさによりこの高い満足度を獲得している。サービスの質をあげれば超巨大資本にも対抗できるということだろう。