先日、面白いニュースが目に入ってきた。中国でAI搭載のロボットが、警察の業務を補助しているというのだ。このロボットは、全身をタイヤのゴムで覆われた球形となっており、東西南北あらゆる方向へスムーズに方向転換が可能だ。
最大時速35㎞で転がって犯人を追跡し、場合によってはネットランチャーを発射し犯人拘束を行う。「階段はどうするのか?」「誤射した場合の対処は?」と疑問も浮かぶが、映画『ロボコップ』を思い出したのは、筆者だけではないだろう。あるいは『攻殻機動隊』の自律型AI戦車・タチコマだろうか。
日本で、SF映画のようにロボットを犯罪捜査の現場の最前線で活躍させるには、法整備が必要と思われる。だが、民間が行っている警備業務なら、中国の警察ロボットを転用してすぐにでも機械化が可能に思える。
本邦の警備業界というと、高齢の方が一日中門の前に立っていたり、警備室でアナログモニターを眺めていたりといった、ステレオタイプのイメージが先行してしまうが、いったい警備業界の機械化はどこまで進んでいるのだろう。
ということで、まずお話をうかがったのは株式会社AIKの取締役・飯尾喜一郎さん。同社はSNSの炎上などのリスク対策支援を行っている株式会社エルテスが2017年、“デジタル活用の余地を多く残す領域へ参入を志す”ために立ちあげられた会社だ。
株式会社AIKは現在、警備業界のDXに取り組んでいる。「警備会社の経営者層や従業員に年配の方が多く、デジタル活用に慣れていらっしゃらないことは、事業化以前から理解していました。実際に取り組んでみると、やはり慣れているやり方からの変化を厭う傾向や、ITやシステム利用に対する苦手意識があらわれましたね」と飯尾さん。
しかし、そのような好き嫌いをいっていられないくらい警備業界の働き手は不足しているそうだ。そこでAIKは「AIK order」というプラットフォームを開発している。同プラットフォームは、警備を依頼したいクライアントと警備会社をつなぐことに特化している。