ユーザー同士の取引をメインチェーン外で行う仕組み
イーサリアムのスケーラビリティ問題解消のため、初期に誕生したのがステートチャネルという技術を用いた“ライデンネットワーク”だ。決済などのトランザクションに関しては、レイヤー1※1で行わず、レイヤー2でバッチ処理を行いその結果データのみをレイヤー1に記録するというのがその概要。
ライデンネットワークではユーザー間のみでチャネルを開設することができる。オフチェーン上※2の取引内容は、チャネルに参加した双方が、同意しデジタル署名を行った場合にのみ許諾されるため、比較的不正取引が行われにくく、2者しかチャネルに参加しないため取引も高速だ。
ガス料金※3はチャネルの開設時と閉鎖時にのみかかり、レイヤー2利用時にはかからないため、コストも大幅に削減できる。また、取引の詳細な内容はオンチェーンに記録されないため、プライバシー保護の観点からも優秀である。行う業務も単純作業なので、1秒で数万件の取引を行うことができ、スケーラビリティ問題の解消に多大な寄与をした。
コストが安価であるため、現在少額の送金や、定額課金を行うdAppsなどによく用いられている。しかし、課題も多い。相手もライデンネットワークユーザーでなければ利用できないことや、開設手順が複雑であったことから、発展技術である“ロールアップ”やより進化したほかのレイヤー2ソリューションに押され気味になっている。
ロールアップでは、トランザクションを、オフチェーンで更新するところまでは同じだが、一定期間が経過するか、ある程度のトランザクションが蓄積された後にまとめてメインチェーンにデータを転送する。これによりさらに通信を圧縮することに成功している。
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