
ビットコイン(BTC)が10万ドルを突破した昨年12月5日から1ヵ月半ほどが過ぎた。4年に1度行われる米大統領選でドナルド・トランプ前大統領が勝利したことが大きな要因となっており、市場は勢いそのままに盛り上がりをみせた形だ。
また、SEC(米証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長がトランプ氏の就任と同時に退任する見通しとなったことも市場を後押しした。同氏は暗号資産業界への引き締めを強化したことで知られ、在任時代には多くの暗号資産関連企業がSECより訴訟されている。
記事執筆時点におけるビットコインの最高値は昨年12月18日に記録した約10万6,100ドル。当時レートで日本円換算すると約1,500万円だ。
2023年末時点で2024年のビットコイン価格を予想するレポートのなかには、80,000ドル台までの上昇を予想するものが多かった。なかには10万ドル台を予想するものもあったが、それでもトランプ氏の勝利がこれほどまでの影響を与えると予測できたものは少なかったのではないだろうか。
昨年11月5日時点のビットコイン価格は約68,000ドルであったが、その1ヵ月後には10万ドルを突破している。わずか1ヵ月で32,000ドルもの急速な上昇を記録したことを踏まえると、いかにトランプ氏の影響が大きかったかがわかるはずだ。
そんなトランプ氏は、本稿が読者の目に触れる頃には正式に大統領へ就任し、第2次トランプ政権を発足させていることだろう。大統領就任と同時に暗号資産関連の大統領令を発令するとの報道もあり、暗号資産価格にも影響を与える可能性がある。
本稿では、年初から慌ただしくなりそうなビットコインを中心に、価格動向に影響を及ぼす要因や2025年の暗号資産市場の行方を考察する。