暗号資産Web3.0

イーサリアムの抱える矛盾とは?

2025/03/04 12:42 (2025/04/23 11:42 更新)
Iolite 編集部
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イーサリアムの抱える矛盾とは?

イーサリアムの成長と抱える課題

イーサリアムはブロックチェーン技術の先駆けとして大きな成功をおさめている。だが、成長と普及に伴い、いくつかの矛盾や課題が浮き彫りになっている。創始者であるブテリン氏は、あくまで中立を貫いているが、その矛盾は、不満として人口に膾炙するようになってきた。

非中央集権を貫き、分散性をうたうイーサリアムではあったが、分散性を維持しつつネットワークをスケール※1していくということは、なかなか難しい。

結果として、分散性を高めるほどスケーラビリティやトランザクション速度が犠牲になり、ユーザーにとって使いにくいプラットフォームとなってしまった。

解決のためレイヤー2などの開発も進んでいるが、これらの技術は複雑で、使用するためには限られた人の力添えが必要となる。一部有識者に頼らざるを得なくなり、分散性は犠牲となってきている。

さらにイーサリアムは、1秒あたりの処理能力(TPS)が限られており、ネットワークが混雑するとガス代が急騰するという問題がある。イーサリアムはほかのブロックチェーンと比較してガス代が高いと指摘されているが、このことは、小規模ユーザーやプロジェクトにとって障害になってしまっている。

ガス代のことを考えなくても問題がない富裕層や大規模プロジェクトがネットワークを利用しやすく、一般ユーザーは利用しにくいという不平等が、自然発生的に生じてしまっている。これは、ネットワークの「民主化」というWeb3.0の理念と矛盾する。

さらに、イーサリアムは「完全な分散性」を目指しているが、実際には特定のプレイヤーや開発者(例:Ethereum Foundationや主要開発者グループ)への依存度が高く、ハードフォーク(例:The DAO事件、The Merge移行)などの最終意思決定は、理念に反してこれら有力プレイヤーによって「集中的」に進められていることも指摘されている。

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