詳細は省くが、米国大統領選挙期間中から「暗号資産の優遇」を公約に掲げていたドナルド・トランプ氏の政権が確定したことにより、2024年末からBTCを中心に、暗号資産銘柄の市場価格高騰が続いている。
特にETHの価格チャートは、BTCの動向に大きく影響を受ける傾向があると一般的にいわれている。今回、BTCが大きく上昇したことで、ETHも後追いの形で大きく上昇しており、この通説通りの動きとなった。
▶ビットコインと異なり、2024年は、イベントに対してETHの市場価格はしばらく低迷が続いていた。だが、米大統領選でのトランプ氏有利の情勢を皮切りにようやく火が付いたようだ。
▶ETHの2024年月間騰落率ETHもほかの暗号資産と同じく、ボラティリティ※1が非常に大きな商品とみられているが、ほかの暗号資産と比べると比較的安定傾向にある。長期的な視座に立つなら2015年の誕生から安定して上昇傾向にあるということは大きな魅力であろう。
The DAO事件によって1度はバブル崩壊の様相も呈したが、2019年のDeFiブームで再び注目を集め価格は徐々に回復していった。2022年の暗号資産の冬※2の際には、ETHも大幅に下落し、調整局面に入る。
ほかの暗号資産が回復していくなか、ETHはイーサリアム2.0へのアップグレードという大きなイベントを迎えたこともあり、なかなか価格が回復することはなかった。そのため、今回の上昇はETHを保持し続けた人にとっては、ようやく訪れた雪解けに感じられることだろう。
では、これからのETHの価格動向はどのようになっていくのだろう。注目されるポイントは、イーサリアムならではの事情である、メジャーアップグレードの進捗具合であろう。
ETHに限らず、金融商品というものはイベントドリブン※3な値動きをするものであるが、ETHにはイーサリアムのネットワークアップグレードや、DeFiやNFT市場の動向、さらにブテリン氏の発言などの特殊なイベントが多い。これまでもイベントが大きく影響を与える傾向が見て取れた。
ということは、2025年に予定されている大型アップグレード“Pectra”の進捗が、これからの値動きに影響を与える可能性がある。次のPectraへのハードフォークが実行された後の、ユーザーの反応や意見をみることは、市場価格予測の一助になるだろう。
また、関係者が2月をめどにPectraへのアップデートの第1段階を実施すると発言している。ということは、2月を過ぎてもアップデートが遅々として進んでいないようならば価格が下落していく予想も立つ。