──最近ではWeb3.0領域での活動も多い印象です。この領域に足を踏み入れるようになった経緯について教えてください。
あいだ:暗号資産に興味を持ったのは、2017年頃にビットコインを「通貨」という文脈で知ったことがきっかけです。たくさんの通貨を調べましたが、昔から今も変わらず推しているのはビットコインです。加えて、イーサリアムのスマートコントラクトが生み出す可能性に衝撃を受け、「これは世の中を変える」と強く確信しました。
2021年にはYouTubeを始めました。そこではビットコインで買い物をしたり、Web3.0ゲームをプレイしたりと、実際に体験することを重視しました。
現在、暗号資産の数が非常に増えているのですが、生き残るものには類似点があると思います。そのなかで、金融の世界で役立つもの、スイスフランのように堅牢性がしっかりしているもの、そして女性アイドルのように人を喜ばしてくれる暗号資産が生き残っていくと私は予想しています。だからこそ将来どのようなプロジェクトに需要が集まって、暗号資産にどのような未来が訪れるかを知りたいと思うようになりました。
しかし、2022年にクリプトウィンターが訪れYouTubeの活動からは離れることになりました。それでも、暗号資産への関心の熱は冷めることなく、Web3.0領域のイベントに足を運ぶようになりました。有識者の話を直接聞き、最前線の知見を得ることに大きな価値を感じ、基調講演をひたすら聴き続ける日々を送っていました。
2023年にクリプトウィンターが終わり、再びWeb3.0領域のお仕事の依頼が増えました。特に私が興味を持ったのが、Web3.0ゴルフゲーム「GOLFIN」です。2025年にはアンバサダーに就任させていただきました。Web3.0に触れていない方々とどう接点を持ち、興味を引き出すかという課題に私自身が直面していました。そんななかで、1つの可能性を見出したのがゴルフでした。
ゴルフは世代や職業を超えて人々をつなぐスポーツであり、Web3.0や暗号資産を知らない人とも自然に会話が生まれます。この特性を活かせば、Web3.0の世界への入り口をよりスムーズに提供できるのではないかと考えたのです。GOLFINとの出会いは、まさにその思いを実現するきっかけとなりました。ゴルフという共通の舞台でWeb3.0の魅力を広めることができると感じ、このあらたな挑戦に強く魅了されています。

──暗号資産のほかにメタバースも好きとのことですが、それはいつ頃からですか?
あいだ:私がVRの世界に魅了されたのは、2017年頃です。「VRグラビア」が登場した時期でもあり、当時グラビアアイドルとしても活動していた私は、自ら志願してVRグラビアに挑戦しました。初めて立体的に映し出された自分の姿をみた瞬間、そのリアルさに衝撃を受け、「今後、あらゆるものがデジタルの世界で表現される時代が来る」と直感しました。
現在は女優・タレントとして活動するなかで、VR作品にも出演する機会をいただいています。しかし、従来の演技とは異なり、メタバース特有の難しさがあることも実感しています。視点や距離感、没入感の作り方など、通常の演技とは異なるスキルが求められるのです。そして、「いずれ俳優が演じる必要すらなくなる日が来るかもしれない」と考えると、どこか複雑な気持ちも抱きます。
VRやメタバースの可能性を最も感じるのは、医学や工学の分野です。たとえば、VR技術を活用して医師が手術の様子をリアルタイムで共有すれば、医学生やほかの医師の学びが飛躍的に向上するでしょう。また、名古屋工業大学で働いていた際に、スマートグラスを活用して視覚障害者へ情報を伝える研究を目の当たりにし、「本当に世の中が変わる」と強く実感しました。
私がVRやメタバースに惹かれる理由は、単なる技術の進化ではなく、それが人々の生活や社会そのものを変革する可能性を秘めているからです。これからも、この分野の進化を見届けながら、演技という立場からもあたらしい挑戦を続けていきたいと思います。
