──2025年のWeb3.0領域の展望について、お考えをお聞かせください。
天羽健介(以下、天羽):まずはDePIN(分散型物理インフラネットワーク)に注目しています。Web3.0に関連する事業を展開していく上で、ブロックチェーンは手段でしかないのでやはりトークンを使う理由をしっかりと見出せるプロジェクトでないと進めていくことが困難だと思います。
そのなかでもDePINプロジェクトはトークンを使用してユーティリティが明確なものが多い印象です。Web3.0領域は暗号資産の市況サイクルに大きく影響を受ける領域ですので、そこを意識した戦略をAnimoca Brands Japanとして進めていく予定です。
また、日本でも現在さまざまな動きがみられています。事例でいえば、たとえばLINEが手がける「Mini Dapp」があげられます。昨年、高い関心が寄せられたTelegramのミニアプリを踏まえた動きで、今後も注目を集めるのではないかと考えています。
そして、日本の規制に関連した動きにも注目しています。現在、暗号資産交換業者のライセンスとは別に、仲介業ライセンスに関する議論が行われています。早ければ今年後半にもこの仲介業ライセンスが創設されそうですし、これによってあらたに参入する企業も増えていきますので、業界の勢力図にも変化がみられる可能性があります。
加えて、日本における暗号資産の取り扱いについて、現行の資金決済法下で規制するのか、それとも金融商品取引法を適用する形に変更するのかなどといったことも現在議論の最中にあります。そのなかには、IEOなど国内で資金調達をしたトークンに関して、分離課税の対象とすることも含まれており、実現する可能性があります。こうした動向は今後も注視していきたいと思います。
──天羽さんは昨年12月に代表取締役社長CEOに就任されましたが、この人事にはどのような経緯、背景があったのでしょうか?