──2025年のWeb3.0領域の展望について、お考えをお聞かせください。
山田耕三(以下、山田):今年はWeb3.0の実用事例が増えてくると考えていて、そのなかでもDePIN(分散型物理インフラネットワーク)領域に注目しています。これまでWeb3.0に触れてこなかったプレイヤーが、Web3.0領域の方法論に従って実際のビジネスに活かしていく1年になると思います。
また、国内におけるステーブルコインを活用した事例も本格的に増えてくると考えています。国内暗号資産取引所での取り扱いが始まることで、ステーブルコインを使った経済活動がより身近なものになってくるのではないでしょうか。
──昨年発表した「PicTrée(ピクトレ)」は2024年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、業界内外で大きな話題となりました。改めてこれまでの手応えを教えてください。

山田:やはり東京電力さんの存在が大きく、全面的な協力を得て取り組むことができた点が成果につながったと思います。
PicTréeはゲーミフィケーションと報酬という2つの要素で行動を駆り立てて、誰かが望む正しい行動をとってもらうというのがコンセプトになっています。実際に現場で電柱の点検を行う方々などにもご協力いただき、さまざまな知見を結集してゲーム性と報酬性、そして社会貢献性がより良いバランスに整ったのではないかと思います。
ここ数年で町の不備などを報告するデジタルツールも増えてきていますので、先駆者的な大発明というわけではないですが、しっかりとしたバランスがとれたことが良い評価をいただくことにつながったのかなと感じていますね。
──実際にPicTréeをプレイしたユーザーから受けた評価で山田さんの印象に残っているものはありますか?