──2025年以降のWeb3.0領域の展望をお聞かせください。
近藤智彦(以下、近藤):昨年から米国大統領選を経て、トランプ大統領の就任に至るまで、米国が主導する形で暗号資産市場が活性化しました。この流れを踏まえると、2025年も概ね良好な市場環境が続くと考えています。
しかし、4年に1度訪れるビットコインの半減期後には、一時的に市場が盛り上がるものの、その後大きな調整局面を迎えるというアノマリー(市場の規則性)が定着しつつあります。2026年に下落トレンドが訪れるかは不確定ですが、経営者として常に警戒すべき局面であると考えています。
その上で、SBI VCトレードとしては、単に売買による収益機会を提供するだけでなく、さまざまなニーズに対応したサービスを展開し、運営できる体制を整えています。
たとえば、当社が提供するステーキングサービスでは、保有している暗号資産からインカムゲイン(継続的な収益)を得ることが可能です。このようなサービスを通じて、相場の状況にかかわらず、お客様が安定した収益機会を得られるように努めております。

──電子決済手段等取引業のライセンス取得とUSDCのベータ版が3月12日にリリースされましたね。
近藤:3月4日付けで、国内初・単独でステーブルコインの取扱いが可能となる「電子決済手段等取引業者」(登録番号 関東財務局長第00001号)の登録が完了しました。これを受けて、3月12日より、利用者を限定したUSDCのベータ版の提供を開始いたしました。
日本国内でステーブルコインのことよく理解されている人は1%未満にとどまると推定しています。業界関係者にとっては「ついに来た」と感じる一方で、一般の人々にとっては、ステーブルコインがもたらす具体的な変化がイメージしにくいのが現状でしょう。
しかし、ステーブルコインを「魅力的な年率で運用できるデジタル資産」として提供できれば、外貨預金と同様のものとして認識される可能性があります。もし、銀行の外貨預金よりも高い年率で運用できるようになれば、ステーブルコインは既存の金融商品に匹敵する、あるいはそれ以上の魅力を持つ選択肢となるでしょう。
たとえば、銀行の1年定期外貨預金で4%の金利が付くものと、1ヵ月のロック期間で年率5%程度を提供できるステーブルコインがあった場合、後者が選ばれる可能性があります。こうした新しいテクノロジーを活用することで、銀行では実現が難しかった金融条件を、ステーブルコインを通じて提供できる可能性が広がるでしょう。
暗号資産やステーブルコインの認知度を高めるだけでなく、その利便性や使いやすさを広く普及させることが、私たちの目指す方向性です。