仮想NISHIが解説!暗号資産の相場動向と読み解くポイント 第2回「ビットコイン準備金と金融緩和の行方」

2025/03/28 12:30 (2025/05/30 00:51 更新)
Iolite 編集部
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仮想NISHIが解説!暗号資産の相場動向と読み解くポイント 第2回「ビットコイン準備金と金融緩和の行方」

ビットコインが軟調である2つの要因

──ビットコインはトランプ大統領就任後、さまざまな動きがあるなかで軟調な値動きとなっていますが、そのような状況になった要因のおさらいと、今後の展開について教えてください。

仮想NISHI:まずビットコインが価格を落とした要因の1つには、トランプ大統領による暗号資産関連の動向が市場の期待を下回ったことがあげられます。当初、1月23日にされた大統領への署名では、市場が期待していた20万BTCを5年間備蓄する100万BTC規模のビットコイン準備金創設というものではなく、あくまでもビットコインやステーブルコインなどを含めたデジタル資産準備金の設立を検討するといったものでした。

さらに3月6日にされた署名でも、追加のビットコイン購入に関する内容は乏しく、トランプ大統領が事前にアルトコインに関するSNS投稿を行っていましたがそれも除外され、失望感が広がる結果となりました。

このほか、ビットコインが現段階で軟調な動きとなっている要因は大きく2つあげられます。

まず1つは、米国による関税関連の動きと、それに伴う金利動向です。トランプ大統領がカナダやメキシコ、中国に追加関税を課すと宣言したことで、暗号資産価格が2月初旬に全面安となったことは皆さんの記憶にもあたらしいと思います。実際の動きとしても、カナダ及びメキシコ、中国に追加関税が課せられました。

追加関税や相互関税を課すことで輸入物価が高くなりますから、米国のインフレ率は高くなることが予想されます。そうすると、インフレ退治のため、これまでの金融緩和姿勢が後退する可能性が高まり、利下げ回数の減少なども考えられます。

ビットコインと金利の関係性は前号を参照いただければと思いますが、こうした情勢により市場参加者の見通しはネガティブな方へと傾き、1日で史上最大となる3.5兆円もの売りが発生しました。

2つ目は、「納税売り」です。日本と同じように米国でも納税シーズンに差し掛かってくるわけですが、暗号資産で得た利益を納税する際には基本的にドルを準備する必要があります。そうすると納税資金を準備するために暗号資産を売却する動きが加速します。

ビットコイン価格は昨年大きく上昇していますので、多くの人が納税資金の準備のために売却する可能性を考えると、今後も当面は上値が重くなることが予想されます。

──納税シーズンを超えると今度は「Sell in May(5月に売れ)」と呼ばれる時期が訪れ、低調な夏バテ相場にも突入します。その上で起爆剤になり得る要因は何かあるでしょうか?

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