2025年1月18日、米国大統領就任直前のドナルド・トランプ氏が、自身の名を冠したオフィシャルミームコイン「TRUMP(トランプ)」を発表した。自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」に投稿され、取引が開始されると価格は高騰し、大統領就任の20日には一時75ドル(約11,700円)ほどまで急上昇した。
出典:TradingViewその後、この成功があったことからか、トランプ氏の妻であるメラニア氏の名を冠した「MELANIA(メラニア)」も発行された。しかし、こちらは取引開始直後には一時13ドル(約2,000円)まで上昇したものの、その後は3ドル(約465円)ほどまで下落するなど、乱高下が目立った。
MELANIAへの資金移動やミームコインの発行の乱発に対する不信感からか、同時期にTRUMPの価格も急落。MELANIA発行から24時間が経過する前にTRUMPは39ドル(約6,000円)程度まで価格を落とした。
出典:TradingViewいうまでもないが、これらの暗号資産はミームコインと呼ばれるものだ。ミームコインとは、インターネット上の流行のネタやジョークをもとに作られた暗号資産の一種であるので、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のように明確なユースケースや技術的な革新を目的としたものではなく、実態がないといわれる暗号資産のなかでも、特に本質的な価値を有さないものである。
どうして、わざわざこのようなものを発行するのかというと、基本的には、ジョークや自分たちの所属するコミュニティを証明するためだ。仲間であることの証明や、仲間内で通じるジョークに対して、誰でも簡単にトークンの発行ができるというブロックチェーンの特性を組み合わせたものだ。