──まずは、サンリオが取り組んでいるWeb3.0事業に関して教えて下さい。
濱崎晧介氏(以下、濱崎):現在サンリオでは、デジタル領域、特にWeb3.0やその関連技術を活用したあたらしいエンターテイメント体験の創出や、クリエイター支援に向けて、主に3つの事業に取り組んでいます。具体的にはXR事業、UGX支援事業、ファンコミュニティ事業です。UGXというのは、近年注目されているUGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)に加えて、ユーザーが主導するIP、プロダクト、ビジネスなどを総称した呼称です。
──それぞれ、詳しく教えてください。
濱崎:まず、XR事業としては、VR(仮想現実)空間での取り組みを進めています。代表的なものが、世界最大級のソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」で開催している『Sanrio Virtual Festival』です。
VR技術やそれを活用したメタバースは、まだ一般に広く普及しているとはいえませんが、私たちはこのあたらしい技術のなかに、これまでにないユーザー体験を提供できる大きな可能性があると考えています。
具体的には、サンリオピューロランドの世界観をVR空間に再現し、さらにそれを拡張する形で、IP(知的財産)を軸とした「VRテーマパーク」のようなものを構想しています。このバーチャル空間は、多様なアーティストやクリエイターの方々にライブやイベントを行っていただき、あらたな活動やファンとの交流の場となることを目指しています。
さらに、単にコンテンツを提供するだけでなく、インタラクティブ性を重視したいと考えています。常に何かしらのイベントが開催されていたり、VTuberが配信していたりと、訪れるたびにあたらしい発見があるような、持続的に楽しめるエンターテイメント空間を創っていきます。
