What's Aptos
Aptos(アプトス)は高性能レイヤー1ブロックチェーンとして注目を集めるプロジェクト。2022年にメインネットがローンチされ、かつてMeta(旧Facebook)のDiemプロジェクトにかかわっていた開発者たちが中心となって開発を進めている「Move」と呼ばれる独自のプログラミング言語を活用し、安全性と拡張性を両立させている点が特徴。
──Aptos Labsの立ち上げの原点について教えてください。どのような背景からAptosを立ち上げようと思ったのでしょうか?
エイブリー・チン(以下、チン):Aptosは高性能なレイヤー1ブロックチェーンで、Meta(旧Facebook)の元エンジニアやテクノロジストのチーム、そして私を始めとする共同創業者によって設立されました。また、AptosはDiem※1ブロックチェーンとMoveというプログラミング言語を基盤に構築されています。
所属していたMetaでは、Diemのブロックチェーンアーキテクチャの設計と立ち上げを主導し、数十億人規模のユーザーに向けたブロックチェーンのスケーラビリティという最も難しい課題に取り組んでいました。
Diemプロジェクトが中止された際、私たちが築いてきた技術とビジョンは、あまりにも有望で、このまま手放すわけにはいかないと確信していました。そして私たちは、ブロックチェーンが人々のオンラインでのコミュニケーションや取引の在り方を、より安全に、効率的かつスケーラブルに変革できると強く信じていました。その信念から、私はAptos Labsを共同創業し、そのビジョンを実現するために歩みを進めることを決意しました。
創業当初から私たちは、セキュリティ、スケーラビリティ、高いスループット※2、そして低遅延を備えたレイヤー1ブロックチェーンを、開発者中心のアプローチで構築することを使命としてきました。Web3.0をより身近に、より使いやすく、そして世界中の何十億もの人々にとってより大きなインパクトをもたらす存在になることを目指しています。
──2024年末にチンさんはAptos LabsのCEOに就任されましたが、これまでの振り返りをお聞かせください。
チン:2024年末にAptos LabsのCEOに就任したことは、Aptosが「革新的なプラットフォームを構築する」というミッションから、「現実世界のアプリケーションを大規模に支える存在」へと進化する上での重要な節目となりました。
この1年で、ブロックチェーンはメインストリームとして世界中の注目を集めるようになり、投機的なテクノロジーという側面ではなく、現実の課題に対応する実用的なソリューションとしての評価が高まっています。これにより、企業やコミュニティ、そして社会全体に本当の価値をもたらすような、日常的なアプリケーションを提供するあらたな機会が生まれています。
その一例が、Aptosが提供する「EXPO2025デジタルウォレット」のブロックチェーン基盤としての役割です。すでに「Aptos EXPO Memorialスタンプラリー」といった取り組みを通じて、ユーザーとのあらたな接点を生み出しています。
CEOとしての私の使命は、Aptosブロックチェーンを活用した現実世界のユースケースを構築することにあります。規制当局や企業、開発者と連携して課題を解決し、持続的な価値を創出するソリューションの実現に注力しています。

※1:Meta(旧Facebook)が主導していたデジタル通貨開発プロジェクト。
※2:1秒間あたりに処理する総トランザクション量。