「Web3.0×新潟」広大な県土に広がる多種多様な文化を保存し伝える新潟県のWeb3.0活用

2025/07/30 10:00 (2026/02/19 19:15 更新)
Iolite 編集部
文:Iolite 編集部
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「Web3.0×新潟」広大な県土に広がる多種多様な文化を保存し伝える新潟県のWeb3.0活用

越後の多様性を活かす新潟のWeb3.0を活用した地方創生

日本海に面する新潟県は、日本有数の米どころである。魚沼産コシヒカリなどのブランド米は、高級品として全国的に知られている。日本有数の豪雪地帯であり、昼夜の寒暖差が大きい。潤沢な雪解け水と肥沃な大地もあり、江戸時代以降稲作の中心地となった。

もともと現在の新潟県のほぼ全域は越後国と呼ばれていたが、江戸時代になると、村上藩・新発田藩・長岡藩・高田藩に加えて、幕府直轄地の佐渡などに細かく分割された。明治以後も、11の藩と県に分割されている。

以上のような経緯から、新潟県は今もエリアによってまるで異なる文化があり、各自治体はブランディングの一環として積極的にWeb3.0技術を採用している。

Nishikigoi NFT 山古志DAO

代表的なものの1つが、山古志村で行われている「Nishikigoi NFT」「山古志DAO」だろう。「Nishikigoi NFT」は山古志村の電子住民票も兼ねたNFTアート。このNFTを所有した人は、山古志村の一員として山古志地域を存続させるためにアイデアや事業プランをともに考えることができるようになる。

Niigata 1
プレスリリースより引用

▶新潟県長岡市山古志村で、NFTとDAOを活用して地域活性化に挑むLocal DAOの先駆的な存在。2021年12月に発行された「Nishikigoi NFT」は、地域の伝統産業・錦鯉養殖をモチーフにしたNFT。これを「デジタル住民票」とし、金融投資ではなく、人々を集めるツールとして活用したことが、新潟でのWeb3.0活用の指針となった。

導入している企業・団体→山古志村

燕三条NFT匠の守護者

食器の町として知られる燕市と三条市が共同で行っている取り組みが「燕三条NFT 匠の守護者」だ。隣り合った2つの自治体が共通のNFTを発行し、ふるさと納税の返礼品とした事例は、日本初。販売されているNFTは、燕三条に数多あるものづくりにまつわる会社、商店、団体を擬人化したもの。NFT所有者は、両市の各所でさまざまなユーティリティを受けることができる。さらに、燕三条DAOのDiscordサーバーにも接続が可能となり、町おこしにかかわっていくことができる。

Niigata 2
プレスリリースより引用

▶新潟県燕市・三条市の地場産業を擬人化し、地域PRと関係人口拡大を目指す産学連携プロジェクト「匠の守護者」(トレーディングカード)のNFT版。TCGの人気カード30種+αをPolygon上のNFTとして発行した上で、保有者に対しては飲食店クーポンやイベント参加券などの地域特典が付属するほか、燕三条DAOでの交流が可能だ。

導入している企業・団体→燕市、三条市、株式会社燕三条

SHIMENAWA

ちなみに燕市では、ブランド包丁のメーカーである「藤次郎」がブロックチェーンを利用した包丁の真贋証明を行っている。

Niigata 3
プレスリリースより引用

▶︎SBIグループが取り組むリアル資産×ブロックチェーンを組み合わせた革新的なトレーサビリティ&NFTサービス。真贋証明の手段や開封証明に用いられており、包丁や日本酒といった新潟の名産品のブランドを守るために活発に活用されている。NFCタグは位置情報不要でスマートフォンの読み取りで完結し、専用ウォレット不要という設計だ。

導入している企業・団体→SBIトレーサビリティ株式会社、大光銀行、藤次郎

NiiFT

新潟市中心部の万座エリアに商品を限定した「NiiFT」は、新潟県に密着した地域密着型コンテンツをNFT化し取引するためのNFTマーケットプレイス。エリアを絞ったのは、市町村単位の取り組みの方が独自色を出しやすいという狙いからだそう。

Niigata 4
プレスリリースより引用

▶︎新潟発の地域密着型Web3.0プロジェクトで、NFTを活用して地域の伝統、文化、産業、観光資源を再発見・再活性化することを目的として作られた地域密着型のNFTマーケットプレイス。名称の「NiiFT」は、「Niigata」と「NFT」を組み合わせた言葉だ。OpenSeaなどほかのマーケットプレイスやMetaMaskなどとも互換性を持つ。

導入している企業・団体→株式会社NIZA

oO SPACE Niigata

一風変わった所では、新潟市の古町エリアで行われている「oO SPACE Niigata」がある。古町エリアで新しく起業にチャレンジしたい方と、地元経営者をつなぐために作られたコミュニティスペースなのだが、この店舗スペースでどのような運営を行うかは、DAO形式で意思決定されている。議決権はスペースを利用してお金を落とすほか、スペースの運営のための労働力提供や、起業希望者の紹介で手に入るトークンの所持量に左右される仕組みだ。

Niigata 5
プレスリリースより引用

▶︎オンラインコミュニティ「oO COMMUNITY」と連動し、実地での出会い・議論・学びを促進。リアルの場でビジネスの地域創生のアイデアを育む仕掛けの場。スタンディングバーと、経営者や挑戦者向けの会員制ラウンジを併設した空間では、利用者・スタッフ・出資者が「貢献トークン」「オーナートークン」を使って経営会議に投票で参加できる。

導入している企業・団体→エスイノベーション株式会社

地域創生といえば、2025年6月には関川村で県内初となる「地域おこし協力隊DAO」が開始された。村の自然や文化などの魅力をデジタル上で可視化することで、ふるさと納税を始めとする地域振興を推進させるという取り組みだ。地域課題に対して自治体外からの新鮮な意見が住民の想いと化学反応を起こし、革新的な解決策を生み出す。交流人口や関係人口が増え、持続的な地域の発展が期待できるとして全国に利活用が広がっている。

このように、多様な文化が古くから共生している新潟では、その文化を守り次世代につなげるための方策として、積極的にWeb3.0が利用されている。


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