「ビットコイントレジャリー戦略」という聞き慣れない言葉。しかし奇怪にみえるこの戦略が今、株式市場で旋風を巻き起こしている。
ビットコインを財務戦略の一部として採用するビットコイントレジャリ ー戦略は、現在国内外の上場企業のトレンドとなりつつある。それはビ ットコインの価格がただ上がっているからという理由だけではない。ビ ットコインが世界的にあらたな資産クラスとして認められ、不確実性が高まる現代において需要を集める「デジタルゴールド」としての性質や、企業の革新性を打ち出すブランド戦略の一環として、ビットコイントレジ ャリー戦略を取り入れる動きが加速している。
この戦略は米国のStrategy(旧MicroStrategy)が真っ先に取り入れたことで知られる。2020年からビットコインを購入して財務資産とする戦略を推し進めるStrategyは、今もなお世界を代表するビットコイントレジャリー企業として最前線を突き進む。Strategy は7月10日時点で、世界各国の上場企業において最も多い59万7,325BTCを保有。これは日本円にして約9.7兆円相当、ビットコイン保有量の観点でみても総発行数のうち約2.84%を保有していることとなり、ビットコイン市場において圧倒的な存在感を放っている。まさに、“ビットコイン財務戦略の巨星”ともいうべき企業だ。
そんなStrategy への評価は株価にもあらわれている。ビットコイントレジャリー戦略を発表した当時と現在の株価を比較すると、Strategy株は約3,900%もの上昇率を記録している。この成功事例を起点として、さまざまな企業がビットコイントレジャリー戦略を採用しつつあるのが現在の状況だ。
では、いったいどのような企業がこの革新的な戦略を取り入れているのだろうか。注目動向などとあわせてピックアップしていく。