YouTubeやTikTokのショート動画をみていて聞いたこともない企業の動画がリールに流れてくることはないだろうか?
大企業偏重だった日本の採用も工夫を凝らした動画広告の登場で中小企業にも勝ち目が出てきている。
出所:株式会社よつば制作所「Z世代の就職・転職活動でのSNS活用」(2024年8月1~2日)よりかつて、就職活動といえば、学校の就職課に相談へ行くか、企業説明会に足を運ぶか、場合によっては就職情報サイトで検索をするかというのが一般的だった。転職活動だと、これにハローワークが加わるくらいだろうか。既存の企業の多くが、採用活動のためこれらへ多額の費用を投入していた。ところが、現在Z世代と呼ばれる層の実に40%が、情報取得の手段の1つにSNSを加えている(株式会社よつば制作所調査)。40%という数値は、就職情報を探している母数全体に対しての割合だが、これを現在進行形で就職活動や転職活動を行っている求職者に絞ると、SNSの活用状況は80%にものぼるという驚くべきデータが判明している。
就職活動・転職活動中はSNSによる情報収集が活発化していると断言してよいだろう。若年層からすれば何を今さらという話題かもしれない。Z世代のSNSアカウント所有率は90%を超えており、企業の採用担当者は、下手に媒体料を支払ってメディアで募集広告を打つよりも、SNSに力を入れた方が効果的に自社アピールを行うことができる時代となった。
現在Z世代が利用しているSNS上位5つを並べてみると、面白い特徴がみてとれる。「1位Instagram」、「2位TikTok」、「3位YouTube」、「4位X」、「5位BeReal」。いずれも、ショート動画配信機能に力を入れているのだ。
このことに気付いた企業は、すでに採用のためのショート動画制作を始めている。しかも、今までなら見向きもされなかったような中小企業の動画ほど、バズっている傾向があるのだ。実は、こうした採用系ショート動画には従来の動画編集マンが聞いたら卒倒しそうな、制作上の工夫がある。ここでは、採用ショート動画制作に隠された工夫と、なぜそれが採用につながるのかを解説していこう。

採用向け動画を立ちあげるメリット
MERIT 1:採用ミスマッチの低減
ショート動画は、さまさまな企画を通して、従業員のリアルな人柄・雰囲気を伝えることが可能。求職者にとっては「社風」「雰囲気」といったものを知ることができる。
MERIT 2:採用コストの低減
業者に頼むと採用コストは100万円近く必要となるが、DMコミュニケーションや、自社Web誘導切り替えで、少しずつさげていける。通年採用活動も枠に入れた投資だ。
MERIT 3:認知度向上
SNSの運用は求職者だけでなく、取引先や顧客へのアプローチにもつながる。今後主力となっていくZ世代に向けての認知向上は、BtoB企業であっても有効だ。