ビットコインにとって最もパフォーマンスの良い時期がいよいよ訪れようとしている。過去の市場データを振り返ると、10月は例年ビットコインを始めとする暗号資産価格が大きく上昇する傾向があり、投資家やトレーダーの間で「Uptober」と呼ばれるなど、注目されている月となる。2020年や2021年の強気相場期には、10月が年末にかけた急騰の起点となったことも記憶にあたらしい。
背景には、半減期サイクルや機関投資家の参入、年末相場への期待感など、複合的な要因が絡んでいる。今も米国における暗号資産規制に関する動向や経済情勢、そして金利政策など、さまざまな要因が重なり、暗号資産市場に活況をもたらすことが期待されている。
はたして、2025年の10月もこれまでのように、歴史的な上昇相場を演出することになるのだろうか?
平均・中央値で20%の上昇を記録する10月

ビットコイン、そして暗号資産にとって10月は特別な存在感を示す月だ。市場分析プラットフォーム・CoinGlassのデータによれば、2013年から2024年の過去12年において、ビットコインが1ヵ月あたりの騰落率でマイナスを記録したのは2014年と2018年のわずか2回。騰落率だけでみれば、2月も同様に2013年から2024年においてマイナスとなったのは2回だけだが、平均でのパフォーマンスは13.12%、中央値でみても12.21%のプラスにとどまる。
もちろん、ほかの月と比べれば2月のパフォーマンスも悪くはないが、10月はそれを凌駕する平均21.89%、中央値でも21.20%と、安定して高水準でのプラスを叩き出している。図表における2月の平均値及び中央値に関しては2025年の結果も織り込まれているが、仮に本年を度外視したとしてもそれぞれの数値は15%程度にとどまり、10月には及ばない。