人材の獲得競争が激化している昨今。さまざまな企業が優秀な人材獲得に向け工夫をみせており、金融領域も例外ではない。そこで今回、近年口座開設数などを順調に伸ばしている松井証券の人事担当者へ、「企業と求職者のマッチング」の“今”について話を聞いた。

写真右:
金澤 遥|松井証券株式会社 人事総務部 副部長
2013年に新卒で松井証券に入社。顧客サポート部、事業開発部を経て2021年に人事総務部。現在は管理職として、3名の部下のマネジメントを行い、採用活動と自律的に学習・成長する組織づくりに貢献。好きな言葉は「袖振り合うも多生の縁」。
写真左:
藤井 香奈|松井証券株式会社 人事総務部部長代理
事務系アウトソーシング、生命保険会社を経て、2023年に中途で松井証券に入社。新卒採用と研修業務を中心にキャリアを歩み、現在はミッション・ビジョン・バリューを軸にした選考プロセスの構築・提案や研修制度の体系化を実行。好きな言葉は「元気があれば何でもできる」。
━━松井証券における現在の採用状況について教えてください。
金澤遥(以下、金澤):新卒採用と中途採用で、それぞれ毎年10名前後採用をしている状況です。2025年度の新卒採用に関してはすでに目標の人数に達していて、中途採用についても、競争の激しいIT領域の人材を含め8割程度の採用が完了しています。
━━IT領域はやはり人気のポジションなんですね。ちなみに、最初からそのようなポジションに応募される学生はどのようなことに取り組んでいる方が多いのですか?
金澤:当社の新卒採用は、ポジション別の募集はありません。入社後に、新人研修や複数回の面談を通じて本人の希望、適性などを考慮して、配属を決定します。理系の学生はもちろん、文系の学生がIT部門へ配属されて活躍するケースも多いです。株や暗号資産の取引を実際にやっていた方から応募いただくこともありますし、一方で投資そのものに縁はなかったものの、eスポーツ大会、チームへの協賛やYouTubeに載せている動画コンテンツで松井証券に興味を持った学生からの応募も増えています。学生が取り組んできたことの多様性も広がっています。
━━松井証券としては具体的にどのような人材を求めていますか?
藤井香奈(以下、藤井):松井証券がコーポレートスローガンとして掲げている“投資をまじめに、おもしろく。”というテーマに共感していただける方と、一緒に働きたいと考えています。具体的な人物像としては、当社で定めている”お客様起点”や“チームワーグ”といった行動指針に、マッチするような方を求めています。
面接などで学生と交流する際には、インタラクティブな会話を心がけることで、当社と学生の双方の理解が深まるように努めています。
━━実際にお二人からみて、採用した方の「このアイデアは面白い」と感じたものはありますか?
金澤:新入社員研修で、「投資をもっと面白くするためにどうすればいいか」をテーマにした新サービスを考える課題があるのですが、そこで出た「松井証券が就活アプリを作る」という発想は面白いと感じました。やはり就活生は、企業についてさまざまなリサーチをして応募をしますので、その点が投資と親和性があるのではないかという発想から生まれたようです。お客様に提供するサービスになるかは別の話になりますが、投資と就活の一体型アプリというアイデアは斬新だと感じました。
━━松井証券に入社された方の入社動機として多いものを教えてください。