「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」のデジタルマーケティング戦略で話題沸騰。ユーザー数は前年比5倍、2025年の配布は20,000件超。ファンと新規層を巻き込む熱狂が広がっている。
2025年のNFTの市場規模は300億ドルを超えるとも試算されている。「投機対象」として注目を浴びたNFTは時代の変化とともに、株式・債券・不動産といった伝統的金融資産をデジタル化する仕組みであるST(セキュリティトークン)への応用や、会員証・チケット・ロイヤルティへの展開を機に、再び日の目を浴び始めた。
ヒステリックグラマーが取り入れたNFTを活用した事例も、会員証・チケット・ロイヤルティへの展開というユーティリティの側面に注目してデジタル時代のファンコミュニティを形成し、ブランドと消費者が双方向に利益を享受できる関係を築くことを目指している。
「スタンプラリーのデジタル版です!」店頭のスタッフが顧客とコミュニケーションをとる。ヒステリックグラマーは2023年10月、ブランド初となるNFT企画「HYSTERICGLAMOURNFTPROJECTS23-24」をスタートさせた。このプロジェクトは2024年冬までに全6回のイベントを開催し、各イベントでブランドの人気アイコンを限定NFTとして配布する試みであった。
ファンはイベント来場時に限定NFTを受け取り、集めたNFTの数に応じて特典が得られる仕組みだ。配布された一部のNFTそのものにも、ファン同士の一体感を醸成する役割がある。譲渡不可のSBT(ソウルバウンドトークン)であるため、各ファンが保有するNFTは「自分がイベントに参加した証」として半永久的にブロックチェーン上に刻まれ、ファン同士がSNS上で自分の獲得したNFTを披露したり、自慢のコレクションを共有することで、デジタル空間でのコミュニティ形成にもつながっている。


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