イノベーション促進か、監視阻止か── 米国の暗号資産政策が大再編。3大法案が描く未来図とは?

2025/09/30 10:00 (2025/10/01 18:38 更新)
Iolite 編集部
文:Iolite編集部
SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
イノベーション促進か、監視阻止か── 米国の暗号資産政策が大再編。3大法案が描く未来図とは?

米国の暗号資産政策が大きく動き出した

2025年夏、「GENIUS Act」「CLARITY Act」「Anti-CBDC Surveillance State Act」という3大法案が相次いで議会で審議・可決。これらは市場の健全化と利用者保護を掲げつつ、金融イノベーションの促進と過剰な監視への懸念という相反する課題を同時に解決しようとする試みである。ドルの基軸通貨としての地位を維持しながら、新興分野のルールメイキングを主導しようとする米国の意図が鮮明に。世界の暗号資産市場に与える影響はいかに──

米国は急成長するステーブルコイン市場の秩序を整えるため、用語や制度を法律で明確化し、発行者に銀行秘密法やマネーロンダリング防止法の遵守、準備資産の定期開示や監査報告を義務付けた。さらに、破産時には保有者が裏付け資産に優先的にアクセスできる権利を保障し、透明性と利用者保護を一層強化している。

これにより、健全な発行体と不正リスクの高いプレイヤーがふるいわけられ、金融システムへの信認を高める狙いがある。一方で、許可取得や監査維持のコストは小規模発行者や新興スタートアップの参入障壁となる懸念も残る。規制は市場集中を進める可能性があり、競争とイノベーションをどう両立するかが焦点になるだろう。

米国はこうした法整備を通じてグローバルなステーブルコイン覇権を確立する戦略を鮮明にしている。国際的な標準作りに影響を与える可能性も高く、日本を含む各国の政策や事業者の対応が今後ますます注目される。

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
Side Banner
Side Banner2
Side Banner
Side Banner2
MAGAZINE
Iolite(アイオライト)Vol.16

Iolite(アイオライト)Vol.16

2025年11月号2025年09月30日発売

Interview Iolite FACE vol.16 concon株式会社 CEO 髙橋史好 PHOTO & INTERVIEW 片石貴展 特集「2026 採用戦線異常アリ!!」「ビットコイン“黄金の1ヵ月”に備えよ」「米国3法案 イノベーション促進か、監視阻止か— 米国の暗号資産政策が大再編 3大法案が描く未来図とは」 Crypto Journey 「暗号資産業界の“影の守護者”が見据える世界のセキュリティ変革」 Hacken CEO ディマ・ブドリン Interview 連載 「揺れる暗号資産相場を読み解く識者の視点」仮想NISHI 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等

MAGAZINE

Iolite(アイオライト)Vol.16

2025年11月号2025年09月30日発売
Interview Iolite FACE vol.16 concon株式会社 CEO 髙橋史好 PHOTO & INTERVIEW 片石貴展 特集「2026 採用戦線異常アリ!!」「ビットコイン“黄金の1ヵ月”に備えよ」「米国3法案 イノベーション促進か、監視阻止か— 米国の暗号資産政策が大再編 3大法案が描く未来図とは」 Crypto Journey 「暗号資産業界の“影の守護者”が見据える世界のセキュリティ変革」 Hacken CEO ディマ・ブドリン Interview 連載 「揺れる暗号資産相場を読み解く識者の視点」仮想NISHI 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等