2025年夏、「GENIUS Act」「CLARITY Act」「Anti-CBDC Surveillance State Act」という3大法案が相次いで議会で審議・可決。これらは市場の健全化と利用者保護を掲げつつ、金融イノベーションの促進と過剰な監視への懸念という相反する課題を同時に解決しようとする試みである。ドルの基軸通貨としての地位を維持しながら、新興分野のルールメイキングを主導しようとする米国の意図が鮮明に。世界の暗号資産市場に与える影響はいかに──
米国は急成長するステーブルコイン市場の秩序を整えるため、用語や制度を法律で明確化し、発行者に銀行秘密法やマネーロンダリング防止法の遵守、準備資産の定期開示や監査報告を義務付けた。さらに、破産時には保有者が裏付け資産に優先的にアクセスできる権利を保障し、透明性と利用者保護を一層強化している。
これにより、健全な発行体と不正リスクの高いプレイヤーがふるいわけられ、金融システムへの信認を高める狙いがある。一方で、許可取得や監査維持のコストは小規模発行者や新興スタートアップの参入障壁となる懸念も残る。規制は市場集中を進める可能性があり、競争とイノベーションをどう両立するかが焦点になるだろう。
米国はこうした法整備を通じてグローバルなステーブルコイン覇権を確立する戦略を鮮明にしている。国際的な標準作りに影響を与える可能性も高く、日本を含む各国の政策や事業者の対応が今後ますます注目される。