サマリ
1. マネーロンダリング事件が転機に──規制緩和国家が一転「透明性強化」へ
2023年に数十億ドル規模のマネーロンダリング事件が発生し、“税優遇×外資受け入れ国家”だったシンガポールは方針転換。特に暗号資産は越境性ゆえリスクが高いため、2025年6月までに無ライセンス企業へ国外サービス停止を要請。違反すれば最大約2,900万円の罰金・最長3年の懲役。
2. DTSP規制で「国外サービス」もライセンス必須に
今回のガイドラインはFSM法に基づくもので、国外向けサービスを提供するDTSP企業にもMAS(金融管理局)の正式ライセンス取得が義務化。ただし、事業モデルの合理性や国際基準準拠など、MASが認める場合は例外的にライセンス付与の可能性あり。
3. ライセンス条件は厳格化──資本要件250,000SGD+厳しいAML/CFT対応
取得には以下が必須:
- AML/CFT体制、外部監査、法的意見書の提出
- 最低資本 250,000SGDの保持
- 技術リスク管理、サイバー対策
- 年間1万SGDの継続費用+定期監査
取得できる企業はごく一部で、実態のない業者は排除へ。
MAS(シンガポール金融管理局)は透明性を高める方向へ
シンガポールは人口約611万人、国土は約720kmiと、東京都23区よりやや大きい程度の小さな国だ。人口が少なく、出生率も低いため、国を支える優秀な人材を海外から誘致する目的で、法人税率を低く設定し、投資優遇措置なども充実させてきた。建国当初から外資規制もほとんど存在しなかった。
しかし、2023年に国内で数十億ドル規模のマネーロンダリング事件が発覚。投資優遇の裏で不正資金が流入するリスクが明らかになり、MAS(シンガポール金融管理局)は透明性を高める方向へシフトした。
特に、暗号資産はオンラインでサービスを利用する点や、国境をまたいで取引が行われる特性から、マネーロンダリングやテロ資金供与、拡散金融などのリスクが高い。
そこでMASが認めた事業ライセンスを持たない暗号資産企業に対し、2025年6月30日時点で国外へのサービス停止を要請した。違反した場合は最大250,000SGD(約2,900万円)の罰金と最長3年の懲役刑が科される可能性も。
