世界の暗号資産規制 Vol 2「シンガポール」

2025/11/29 10:00
Iolite 編集部
文:Iolite 編集部
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世界の暗号資産規制 Vol 2「シンガポール」

規制強化の口火を切ったマネーロンダリング事件

サマリ

1. マネーロンダリング事件が転機に──規制緩和国家が一転「透明性強化」へ

2023年に数十億ドル規模のマネーロンダリング事件が発生し、“税優遇×外資受け入れ国家”だったシンガポールは方針転換。特に暗号資産は越境性ゆえリスクが高いため、2025年6月までに無ライセンス企業へ国外サービス停止を要請。違反すれば最大約2,900万円の罰金・最長3年の懲役。

2. DTSP規制で「国外サービス」もライセンス必須に

今回のガイドラインはFSM法に基づくもので、国外向けサービスを提供するDTSP企業にもMAS(金融管理局)の正式ライセンス取得が義務化。ただし、事業モデルの合理性や国際基準準拠など、MASが認める場合は例外的にライセンス付与の可能性あり。

3. ライセンス条件は厳格化──資本要件250,000SGD+厳しいAML/CFT対応

取得には以下が必須:

  • AML/CFT体制、外部監査、法的意見書の提出
  • 最低資本 250,000SGDの保持
  • 技術リスク管理、サイバー対策
  • 年間1万SGDの継続費用+定期監査

取得できる企業はごく一部で、実態のない業者は排除へ。


MAS(シンガポール金融管理局)は透明性を高める方向へ

シンガポールは人口約611万人、国土は約720kmiと、東京都23区よりやや大きい程度の小さな国だ。人口が少なく、出生率も低いため、国を支える優秀な人材を海外から誘致する目的で、法人税率を低く設定し、投資優遇措置なども充実させてきた。建国当初から外資規制もほとんど存在しなかった。

しかし、2023年に国内で数十億ドル規模のマネーロンダリング事件が発覚。投資優遇の裏で不正資金が流入するリスクが明らかになり、MAS(シンガポール金融管理局)は透明性を高める方向へシフトした。

特に、暗号資産はオンラインでサービスを利用する点や、国境をまたいで取引が行われる特性から、マネーロンダリングやテロ資金供与、拡散金融などのリスクが高い。

そこでMASが認めた事業ライセンスを持たない暗号資産企業に対し、2025年6月30日時点で国外へのサービス停止を要請した。違反した場合は最大250,000SGD(約2,900万円)の罰金と最長3年の懲役刑が科される可能性も。

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中心となる規制法「DTSP規制」

ガイドラインの概要

  • 国外にサービスを提供している暗号資産企業「DTSP(デジタルトークン・サービスプロバイダー)」が対象
  • 事業ライセンスを持たない暗号資産企業は、国外へのサービスを停止するよう要請
  • 事業ライセンス取得の申請方法や基準、継続要件を提示することを目的としたガイドライン

Singapore regulations 2

本規制による市場への影響

ライセンス取得義務化……国外でサービスを提供するDTSPはライセンス取得が必須に。市場参加者が減する可能性もある。

消費者保護・透明性向上……顧客資産の信託管理義務、リスク開示、苦情処理体制の整備などが求められる。投資家の信頼は向上するが、業者側は運営コスト増。

市場の健全化と選別……実態のない企業や悪質な事業者が排除され、信頼性の高いプレイヤーだけが残る。短絡的には取引量の減少やサービス選択肢の制限が起きる可能性も。

イノベーションへの影響……規制対応にリソースを割く必要があるため、新規サービス開発のスピードに影響。しかし、正規業者が安心してサービス提供できる環境が整い、中長期的には健全な市場成長につながる。

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