柿の木NFTプロジェクト ― 3つの要点サマリ
1|NFT × 農業体験で「地域と人をつなぐ新モデル」を創出
奈良県は“食と農の収益力向上”を掲げ、NFT購入者が現地で柿の収穫体験に参加できる仕組みを構築。夕張メロンNFTなどの成功事例を参考に、「体験価値 × 応援の気持ち」をデジタルで可視化する取り組みとして企画された。
2|担い手不足・後継者問題を“共感コミュニティ”で補完する試み
柿の生産現場では高齢化や手作業の多さによる担い手不足が深刻化。NFTとして“木のオーナー”となった参加者が収穫体験や交流を通じて農家との関係性を深め、地域農業を支える仲間意識を育てることが狙い。
3|行政から民間へ引き継ぐ持続モデルを模索──将来は他特産へ展開も
課題は行財政の制約を超えた“継続運営モデル”の構築。現段階では体験価値を重視して譲渡は限定的だが、今後は民間主体の仕組みへ発展し、清酒や他の奈良特産への展開も検討。NFTを地域支援の新たな標準モデルに育てる構想がある。
奈良県が挑む「食と農の再構築」──柿の木NFT誕生の背景
──2025年9月に発売が開始された「柿の木NFT」ですが、このプロジェクトが生まれたきっかけを教えてください。
丸岡嘉人(以下、丸岡):プロジェクトを始める前提としてのお話になりますが、奈良県は「地域デジタル社会の構築」を進める条例を定めています。地域の課題解決を出発点として「県民の幸福な生活の実現」と「地域の持続的な発展を図る」ことを基本理念とし、この理念をもとに「奈良デジタル戦略」を策定しました。
主要テーマの1つに「食と農の収益力向上と賑わいづくり」を定め、生産者と消費者のあたらしい関係構築に取り組んでいます。将来的な「奈良の賑わいの担い手を発掘する」という狙いにより「奈良の食と農を応援できるNFT」プロジェクトをスタートしました。メンバー登録制のオンラインプラットフォームを構築し、NFT購入者である登録メンバーには、奈良を訪れて農業体験を行っていただきます。