サマリ
1.トークン化と機関投資家参入で金融の融合が加速
暗号資産ETFやトークン化商品の拡大により、暗号資産は伝統金融へ統合されつつある。ステーブルコインを起点に、投資・運用までを一体化した金融エコシステムの構築が進む見通し。
2.金融機関との連携であらたな価値創出へ
大和証券グループとの提携を軸に、相互送客や商品連携を推進している。暗号資産と従来金融をつなぐハブとして、ウェルスマネジメント領域でのあらたなサービス展開を目指す。
3.日本市場を重要拠点にアジア展開を強化
日本は市場規模と流動性の観点からトークン化ビジネスで優位性を持つ可能性があり、進出を本格化している。ライセンス取得や既存業者の買収も視野に、アジア全体での事業拡大を狙う。
──2025年は機関投資家や金融機関の参入が著しい1年だったかと思いますが、2026年の展望についてはどのように考えていますか?
川辺健太郎(以下、川辺):昨年は機関投資家、金融機関の参入が加速し、主に暗号資産ETFを中心にその動きが顕著でした。今年もその流れは継続するものと考えていますし、伝統金融側でも動きが加速すると思います。
特に法整備が進んだことで、最近出てきているトークン化商品などを後押しするプレイヤーや業者が増えてきています。そうした分野を中心に、2026年は賑わっていくと考えています。
瀬戸口翔(以下、瀬戸口):世界的に暗号資産が「怪しいもの」から金融の世界に統合していく流れが加速していることを実感しています。株式投資やトークン発行の領域に注力しているプレイヤーが増えています。
また、日本でも「JPYC」や「JPYSC」などのステーブルコインが話題になっています。今後、単にステーブルコインを買って暗号資産を買うというだけではなく、そこから証券会社や金融機関がオルタナティブ商品やローンなど、さまざまなところに投資を行う動きが強まります。入り口から運用、利用まで、ステーブルコインを活用した一気通貫のエコシステムが日本でも本格的に構築されるイメージを持っています。
──Penguin Securities はシンガポールを拠点としていますが、暗号資産やセキュリティトークン等の文脈で日本との違いを感じる部分をお聞かせください。
川辺:税制面の違いが大きく、シンガポールと日本のギャップはまだ埋まっていません。ただ、日本も金融制度改正や税制改正に取り組み始めています。日系金融機関もビジネスチャンスを見出そうとして、パートナーシップがようやく始まった印象です。
一方、基礎となる資産、たとえばETFや株式市場の規模をみると、日本の方がマーケットは大きく流動性もあります。トークン化ビジネスにおいては、将来的に日本が優位になる可能性があると考えています。
瀬戸口:シンガポールや他地域ではパブリックチェーン上でトークンを発行している流れがあるのも違いの1つです。一方、日本では発行段階からパブリックチェーン上で発行するケースはほとんどありません。それでも、今後は基本的にパブリックチェーンに頼る方向になるのではないかと思います。