首相の名前を冠したトークンが本人と無関係のまま発行され、政治的な誤解や社会的影響を招いた。
関係者との連携を強調しながら後に否定されるなど説明が食い違い、運営体制の不透明さが露呈した。
一連の騒動により業界が積み重ねてきた信頼を揺るがし、あらたな規制導入を招く契機になり得る。
2月末、高市早苗首相の名前を冠した暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン)」が発行され、国内を中心に大きな波紋を広げている。本人や政府とは無関係であるにもかかわらず、あたかも政治的な関係性を想起させる形で発行・拡散され、高市首相自身が直接否定する事態となった。
このトークンは、YouTube番組「NoBorder」を運営するNoBorderDAOが発行。「Japan is Back」と称するプロジェクトにおけるインセンティブトークンとして位置づけ、YouTube番組でも紹介された。当初の説明では、高市首相の支援者らとの連携が取れていることなどが強調されていたが、事態が重くなると双方の主張に食い違いが生じ始めた。ついには金融庁までも調査に乗り出し、プロジェクトはトークン発行からわずか10日に達することもなく中止を発表した。
とはいえ、免責事項に「高市氏と提携または承認されているものではない」「類似性または関連性は、まったくの偶然であり、ユーモアの目的で意図されています」などと“逃げ道”を自ら設け、一貫性に疑問を抱かせるようなプロジェクトであったため、瓦解するのは時間の問題だったかもしれない。
