ビジネスの現場、特にマーケティングの分野において今やSNSの活用は必要不可欠な存在となっている。
しかし、やみくもに運用しても効果は期待できない。効果的な運用には最新トレンドを押さえる必要がある。
総務省の令和3年通信利用動向調査によると、インターネット利用者のうち、SNSを利用する個人の割合は78.7%に達し、令和2年より約5ポイント増加したとある。10〜40代までの利用率は平均して約90%、50〜70代の利用率も平均して約70%とほぼ全世代でSNSは高い利用率を誇っている。
また、これまでSNSは若い世代のツールという認識があったが、60代の利用率が前年比から約10ポイント、70代の利用率が前年比から約13ポイントも増加しており、特に70代にいたっては、全世代トップの伸び率を記録しているのだ。
これまでSNSマーケティングというと若い世代向けの商品や情報を発信するためのものとして考えられてきたが、こうした調査結果を踏まえると、もはやSNSマーケティングは全世代に向けてのものだということがわかる。
さらにSNS利用者のうち、その利用目的を見てみると、ほかの項目は前年比ほぼ横這いなのに対して、「知りたいことについて情報を探すため」という項目のみ、前年比から数ポイントアップしていることがわかる。
総務省では毎年この調査を行っているが、ほかの項目はその年によって前年比のポイントの上げ下げがあるものの、「知りたいことについて情報を探すため」という項目に関しては毎年ポイントアップしている。
つまり、SNS利用者は全世代で年々増加しており、その利用目的としてSNSでの情報収集を目的にしている利用者も年々増加傾向にあるということだ。
SNSが登場して以来十数年、当初はTwitterやFacebook、LINEが主流となっていたSNSマーケティングも今や先述の三大SNSに加え、Instagram、TikTok、YouTubeと実に多様な時代になった。
これからは適材適所なSNSマーケティングが求められる時代。そのためには各SNSの特徴や利用者傾向と最新トレンドを押さえておく必要がある。
運用目的のために考慮すべきトレンド
総務省の令和3年通信利用動向調査にもある通り、情報収集を目的としたSNS利用者が全世代で年々増加傾向にある。SNS利用者の増加傾向を受けて、SNS運用に取り組む企業も増えてきている。
SNSを運用する際、まず下記のような運用目的の設定が必要不可欠だ。目的が曖昧だと打ち出す施策も曖昧になってしまいがちになり、思うような効果が期待できなくなる。
「商品やサービスの購入」「企業ブランディング」「認知度の上昇」「公式サイトへの導線」「ユーザーとの交流」など。
そして、運用目的の設定と同じぐらい重要なポイントが最新トレンドを考慮できるかどうかだ。務
おそらくそう遠くない将来にGoogle検索と同じ感覚で誰もが当たり前のようにSNSで情報検索するようになっていることだろう。
そうなるとトレンドも時代によって当然変化していく。トレンドすべてにあわせてSNS運用するというのは難しいことではあるが、それでも運用目的のために考慮すべきトレンドが2、3は必ずあるはずだ。トレンドに敏感になることでユーザーライクなSNS運用が可能にもなる。
今後、SNSトレンドになりそうな項目をいくつかあげるのでSNS運用の今後の参考にしてみてほしい。
TREND.1
ナノインフルエンサーとマイクロインフルエンサー
フォロワー数が多い=エンゲージメントが高いとも限らないことからコスト高のトップインフルエンサーより、ナノインフルエンサーやマイクロインフルエンサーの活躍が増えることが予想される。
TREND.2
わかりやすいショート動画の作成
TikTokやYouTubeなどでショート動画が高い人気を誇っている。昨今のユーザーの趣向に沿って、ユーザー向けの動画は尺に注意が必要だ。投稿動画は短くて簡単な内容にすることがポイントになる。
TREND.3
分散型ソーシャルネットワーク
アカウントの制御や検閲問題で現在主流のSNSプラットフォームから近い将来Mastodon(マストドン)といった分散型ソーシャルネットワークに代替される可能性がある。
TREND.4
リスクマネジメント
拡散力が強いSNSは販売促進だけでなくリスクマネジメントでも活用される時代がきている。トラブルがあった時は消費者に対してSNSを通して速やかに説明責任を果たすことがポイントになる。
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