インフラの「近代化」に焦点 XRPLが見据える伝統金融との共存と拡張機能の役割——マーカス・ インファンガー インタビュー

2026/05/29 10:00 (2026/05/29 12:37 更新)
Iolite 編集部
文:Shogo Kurobe
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インフラの「近代化」に焦点 XRPLが見据える伝統金融との共存と拡張機能の役割——マーカス・ インファンガー インタビュー

XRPLが目指す伝統金融との「共存」

サマリ

1.伝統金融との「共存」によるインフラの近代化

既存の金融システムを排除・代替するのではなく、決済や照合、担保移動といった分断されたバックエンド業務の摩擦を減らす「拡張機能」として、伝統金融機関と密接に共存していく方針を掲げている。

2.ステーブルコイン「RLUSD」と「XRP」の明確な役割分担

規制に準拠したRLUSDが価格安定性を要する決済や資産トークン化のフローを支える一方、XRPは異なる資産やネットワーク間を即座につなぐ中立的な「ブリッジ資産(流動性レイヤー)」として機能し、双方が補完し合う。

3.2030年に向けたRWA(現実資産)の拡大と最大の課題

「規制の整合性」 レポ市場やオンチェーン・レンディングなどの機関投資家向けユースケースの本格的な実用化を推進。 今後のグローバルな普及における最大のハードルは、技術ではなく「国や地域をまたぐルール(規制)の明確化と一貫性」であると指摘している。


──XRP Ledger(以下、XRPL)の活用領域は現在、DeFiやトークン化などへ領域を広げています。最終的には、既存の金融インフラのどの部分を置き換え、どの部分と共存する存在を目指しているのでしょうか?

マーカス・インファンガー(以下、インファンガー):XRPLはもともと、国際的な価値移動、特に支払い・決済における非効率性解消するために構築されました。この点は現在も、XRPLの中核的な強みであり続けています。

しかし最近では、この同じインフラがさらに幅広い金融ワークフローを支え得ることがわかってきました。具体的には、資産のトークン化、流動性管理、レポ型の資金調達、さらには機関投資家向けDeFiのユースケースなどがあげられます。今後、オンチェーンでのレンディング(貸付)のような機能もさらに拡充していくことが期待されています。

ただ、私たちの目的は「既存の金融システムそのものを置き換えること」ではありません。規制、リスク管理、資産のカストディ、そして長年築かれてきた金融機関同士の信頼関係には、それぞれ存在する理由があります。

私たちがビジネスチャンスと捉えているのは、システムの下支えとなるインフラを「近代化」することにあります。いまだに処理が遅く、分断され、運用面で非効率が残る部分が対象となります。その意味で、決済、照合、担保移動、そして国境を越えた流動性の確保といった領域では、XRPLのようなブロックチェーンが取引の摩擦を大幅に減らし、資本効率を向上させることができます。

つまり、XRPLは伝統的な金融機関や決済プロバイダー、カストディアンといった既存の市場構造を排除するのではなく、むしろ彼らと密接に「共存」していくものだと考えています。ブロックチェーンは今の金融システムの代替ではなく、その機能をより高めるための「拡張機能」のような存在なのです。

最終的に私たちが目指しているのは、金融の破壊ではありません。既存のインフラが、よりリアルタイムでプログラマブルに、そして組織の壁を越えてスムーズに相互運用できるよう、裏側から支える存在になることです。

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