第4回 貨幣史から学ぶ暗号資産——価値証明の設計

2026/05/29 10:00 (2026/05/29 12:33 更新)
Iolite 編集部
文:Shinichi Arima
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第4回 貨幣史から学ぶ暗号資産——価値証明の設計

300年以上にわたり繰り広げられた大西洋奴隷貿易の歴史

サマリ

1.大西洋奴隷貿易の複雑な制度

16〜19世紀の大西洋奴隷貿易では、人間という複雑な商品を取引するため、鉄の棒を基準にした制度や「取り合わせ」という複雑な仕組みが構築された。しかし、産業革命などの環境変化により、この制度は一瞬で崩壊した。

2.キッシー・ペニーの価値証明

部族が作った鉄製貨幣「キッシー・ペニー」は、品質が視覚的にわかるという単純な価値証明により強固な信用を獲得した。国家の裏付けがないにもかかわらず、奴隷貿易の制度が崩壊した後も100年以上にわたり流動性を維持した。

3.暗号資産普及への単純化設計

現代のステーブルコインやトークン化金融商品は仕組みが複雑化しているが、一般層への普及には「単純化された設計」や分かりやすいPRが不可欠である。購入者目線での扱いやすさこそが、市場の成長と真の安定をもたらす。


今回の貨幣:『キッシー・ペニー』

Kissi Penny image1
それまでアフリカ諸国で流通していた鉄の棒状貨幣を整理し、18世紀から20世紀初頭にかけて西アフリカのキッシー族周辺で広く使われた、鉄製貨幣。

人類の歴史において最も悲惨な出来事は何だろう。人によっていくつかあがってくるかと思うが、16~19世紀にかけて続けられた大西洋奴隷貿易をあげる人は多いはずだ。

一説には1,250万人ものアフリカ人が連れ去られ、強制的に移住・労働させられたという。同時に、この悲劇が300年以上にわたり繰り広げられたのは、欧州人とアフリカ人の双方合意のもとで、人間を商品として売買することが都合がよかったからにほかならない。

Kissi Penny image2

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