各動画プラットフォームにおいてショート動画が存在感を増している。最大手のYoutubeが2023年2月にショート動画の収益化を開始したこともあり、このジャンルで一稼ぎすることを目指している人も多いようだ。
ショート動画で収益を獲得することは可能なのか、どれくらい難しいのか、企業はどのように活用すべきかについて実際にショート動画を制作している2人に語ってもらった。
ショート動画の定義とは?
——本日は実際に動画制作でお金を稼いでいる2人に集まってもらい、最近話題のショート動画について聞きたいと思います。さっそくですが、ショート動画の定義を教えてください。
A氏:よろしくお願いします。ショート動画というのはYoutubeなどに投稿できる短尺の動画のことです。プラットフォームごとに多少の違いはありますが、動画の時間は15秒から90秒程度になっています。
B氏:TikTokが2017年にリリースされて、瞬く間に若年層を中心に世界中で流行したことが、ショート動画ブームの始まりといわれています。日本でも2018年にはすでに流行り始めていて、その年の新語流行語大賞にも選ばれています。
A氏:TikTokが流行り始めた頃は、ショート動画市場は視聴者も投稿者もほぼ10代から20代前半くらいが中心でした。その後、Instagramが2020年に「Reels」という名称でショート動画の投稿機能を追加し、Youtubeも2021年にショート動画機能をリリースしたことで、動画市場の一分野として完全に確立されました。現在も、日本のショート動画市場はこの3つのサービスがほぼ独占していますね。
B氏:TikTokの初期は学生が自分たちの思い出や内輪ネタを投稿して楽しむもの、というイメージでしたよね。その後、ショート動画で面白いものを投稿するインフルエンサーが誕生するなどして成長しつつ、Instagramの参入によってより幅広い層へとリーチするようになったと思います。
視聴者や投稿者の層としては、TikTokは若年層、InstagramのReelsは20代30代の女性、そしてYoutubeは男性や幅広い年齢層が主な視聴者になっています。

——なぜ一気にショート動画が流行したのでしょうか?
A氏:1番の理由は、誰でも簡単に動画を作成できるからでしょうね。Youtubeの15分動画とかになると、やはり編集にかなりの労力が必要になります。ところがショート動画なら、たとえば学生が同級生の面白い人に一発芸をやってもらって、それをそのまま投稿しても成立しますから。
TikTokの場合は、アプリ内でエフェクトをかけたり音楽を載せたりする機能も搭載されていたので、素人でもなんとなく”それっぽい”動画を作れることが若い人を惹きつけたのだと思います。
B氏:初期のTikTokは、そういう内輪ネタを投稿しあうようなイメージのプラットフォームでした。ただ、しっかりと動画のネタを作り込んで投稿するようなインフルエンサーが次々と誕生し、動画も徐々に内輪ネタから大衆向けへとシフトしたイメージです。
その後にリリースされたReelsでは、TikTokのようなおもしろ動画ではなく、美容情報などの女性向けコンテンツ、それから有名人の投稿がメインコンテンツになっています。
A氏:もともとそのアプリが抱えているユーザー層がそのままショート動画にも反映されていますよね。なので、Youtubeは比較的男性であったり、中年以上の大人向けのコンテンツも少なくない印象です。Youtube動画の投稿は数年前から副業として人気でしたが、ショート動画によってさらにその敷居が低くなりました。
