金融・経済

新NISAの落とし穴 銘柄選定や気を付けるべきポイントを徹底解説

2024/07/28 16:00 (2025/04/04 16:10 更新)
Iolite 編集部
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新NISAの落とし穴 銘柄選定や気を付けるべきポイントを徹底解説

「つみたて投資枠」「成長投資枠」など、新NISAの変更点を解説

2024年1月から始まる「新NISA」。非課税保有期間の無期限化、投資可能期間の恒久化など、長期的な運用がさらにできるのが大きな特徴だ。

従来のつみたてNISA、一般NISAが「つみたて投資枠」「成長投資枠」になり、年間投資可能額・生涯投資上限額が大きく引き上げられた。一見すると利便性が向上した格好だが注意点はないのだろうか。ここでは2人のマネーライターに新NISAについて語ってもらった。

現行NISAと新NISAの違いを比較

——今回はNISAに精通している2人のマネーライターに集まっていただきました。さっそくですが、2024年から始まる新NISAに対する評価からお聞かせください。

A氏:本日はよろしくお願いします。現行NISAは2023年末をもって新規投資可能期間が終了し、2024年から新NISAが始まります。両者の大きな違いですが、新NISAは制度が恒久化、非課税期間も無期限になったことです。時限的な措置でなくなるので、制度終了を気にすることなく個人のタイミングで始められます。

B氏:年間投資上限額や非課税限度額が大幅に引き上げられたことも、私は評価しています。

成長枠投資(現行の一般NISAに相当)は年間240万円、つみたて投資枠(現行のつみたてNISAに相当)は年間120万円になり、保有限度額は1,800万円。成長投資枠は1,200万円までしか使えませんが、非課税投資がかなりしやすくなった印象です。

▶つみたて投資枠
成長投資枠現行制度の「つみたてNISA」を引き継ぐ枠のこと。販売手数料ゼロ、信託報酬が一定水準以下など、要件を満たした投資信託を年間120万円、トータルで1,800万円まで投資できる。

▶成長投資枠
現行の「一般NISA」を引き継ぐ存在で、上場株式・投資信託などが対象。年間240万円、トータルで1,200万円まで投資できる。年間の投資上限は一括・分割のどちらも使って構わない。

A氏:現行制度では一般NISAとつみたてNISAを併用できませんが、新NISAでは可能になるのもポイントです。

B氏:そこで気になるのが、投資信託の使い分けです。つみたて投資枠では現行のつみたてNISAと同じく長期の積立分散投資に適した投資信託が対象になっていますが、成長投資枠でも上場株式に加えて投資信託も含まれています。少しややこしい気がしますね。

A氏:つみたて投資枠は長期の積立分散投資を目的としているので、対象商品は金融庁が認める一定の投資信託に限られます。他方、成長投資枠ではそれ以外の投資信託を扱い、最終的に2,000本程度になる予定です。

スタートに間に合わせるべく新ファンドの設定も相次いでいますが、実績がないので選ぶ際には注意することです。すぐ飛びつかず実績や値動きを確かめてからでも遅くありません。

B氏:ふたつの投資枠を併用できるのは便利なようで、どうやって使いわければ良いのでしょうか。

A氏:たとえば、つみたて投資枠ではローリスクなインデックスファンドを長期的に積み立て、成長枠投資ではアクティブファンドでリターンを狙う、あるいは高配当銘柄を保有して配当を受け取るといった使いわけができます。

ですから、それぞれの枠でどいった投資をしたいのか、方針や目標を明確にした上で商品選択することが求められます。ちなみに、ふたつの投資枠を別々の金融機関で利用することはできません。ひとつの金融機関で利用するのが決まりですが、年単位で変更することはできます。

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