これまで半導体業界の景況は短期的に好況・不況の波を繰り返してきたが、コロナ禍においても自動車メーカーでは半導体不足による減産・操業停止になるほど、高い成長が続いている。
世界各国の新工場の稼働時期は2024年頃となっていることから、2024年問題が取りざたされているが、IoT・AI・5G・ビッグデータ活用など、世界中でデジタル社会への移行が進んでいるため、中長期的な視点からみて半導体の需要は高い。
今後10年で100兆円規模になると指摘されるだけに、仮に2024年問題で半導体関連銘柄が大きく売られた場合があれば押し目買い好機といえる。
※ページ内の表内データは2023/11/10時点のものです
●レーザーテック(6920)+63.41(6ヵ月)
世界的にみても圧倒的な、半導体検査装置のシェア率の高さ誇る
先端半導体向けのEUVマスク欠陥検査装置が柱。
EUV光源品は独占。柱のマスク検査装置は膨大な受注残の消化で活況。顧客投資意欲旺盛のSiCウエハ検査装置も伸びが続く。
営業益続伸、連続最高純益、増配と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いが続く。
ただ、 高い成長性を織り込み、すでに2024年6月期予想PER54.82倍と高く買われているため、調整(株価の下落)を待っての「買い」がよいと思われる。
▶▶注目の理由
なんといっても半導体検査装置のシェア率の高さ。半導体市場の拡大で今後の株価推移に期待が持てる。
●東京エレクトロン(8035)+41.97%(6ヵ月)
半導体製造装置とFPD製造装置の分野で国内トップシェアを誇る
熱処理成膜装置など各種成膜装置、コータ/ディベロッパ、エッチング装置、洗浄装置、テストシステム、ウェーハボンディング装置など、半導体製造に関わる幅広い製品を扱っている。
半導体製造装置は成熟世代の車載・産機用途中心に中国向け堅調だが、PC・スマートフォン需要が弱く上期ロジック向けは苦戦。
メモリー顧客の生産調整も打撃となっているが、株価は上昇が続いている。
▶▶注目の理由
2023年の前年比で10%ほど落ち込む予想だが、半導体需要で2024年には需要が回復する見込み。
●アドバンテスト(6857)+48.18%(6ヵ月)
世界各地に拠点を設けて、グローバルに半導体サプライチェーンへサポート
DRAM、フラッシュメモリなどメモリ用テスタ、システムLSI向けテスタなどで高いシェアを持つ。
非メモリー向けはスマートフォン・PCなど民生品需要低迷で上期中心に苦戦。2024年3月期第1四半期の通期計画に対する進捗率は売上高で21.1%、営業利益13.6%と低いが、会社側は売上高の水準は四半期ごとに高まっていく見通しを示唆。
予想PER56.9倍、実績PBR8.5倍に割高感で調整を待ちたい。
▶▶注目の理由
パワー半導体などの、新市場の需要の取り込みといった戦略が上手く実を結べば、さらなる発展をみせる可能性も。
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