Industry review 2024.3
ブロックチェーンゲーム(BCG)は、暗号資産やNFTによって「稼げること」が、その魅力であるともいわれている。しかし、「稼げるか否か」ばかりが話題になり、稼げないBCGはすぐに飽きられる傾向にある。
そこに一石を投じているのが、『SYMBIOGENESIS』だろう。本作には独自トークンが存在せず、稼げすぎることも損しすぎることもない(NFTは存在する)。ストーリーや世界観を楽しむことがメインであり、NFTはそのための要素の1つでしかない本作が、BCGのあらたな可能性を広げてくれるかもしれない。
一方、『Chain Colosseum Phoenix』は「適切に稼げる」エコシステム(経済圏)を、かつてないほど綿密に構築している。日本発であるこの2タイトルの行方に期待したいところだ。
1.SYMBIOGENESIS
スクウェア・エニックスの 新作タイトルがついに本リリース
スクウェア・エニックスによるWeb3ゲーム第2弾となる新作タイトル(1作目は資産性ミリオンアーサー)。「浮遊大陸」を舞台に、多数のキャラクターが共生する世界で、ストーリーに秘められた謎を解くゲームとなっている。
マップ上のキャラクターやアイテムをクリックすることであらたなストーリーが開放され、徐々にストーリーの核心に近づいていくことを目指す。ディスコードなどを使ってほかのプレイヤーと協力して情報を分配しあうソーシャ ル的面白さもある。
2.Champions Tactics
OasysチェーンでUbisoft初のBCG開発中
『アサシンクリード』シリーズなどで知られる世界的ゲーム企業・Ubisoftによる初のBCG。BCG特化型チェーンであるOasysを基盤に開発されている。
2023年の東京ゲームショウで試遊プレイも実施されていて、ゲーム内容は3対3のタクティクスゲームになっている模様。NFTの取引開始後に、大手NFTマーケットプレイス「OpenSea」にて一時的に取引高ランキング1位になるほどの盛り上がりで、24年の本命タイトルの1つ。
3.ChainColosseumPhoenix
”ゲーマーのためのBCG”を目指し投機勢を排除
ゲーム内容は、敵に勝利することでランダムドロップするアイテムや独自トークンを取得できるというオーソドックスなものだが、本作の最大の魅力はエコシステムへの力の入れ方。
ゲームをプレイするユーザーが稼げるように、投機勢を排除する多くの仕組みを採用していること、NFT販売額をすべて初期流動性に投入する(執筆時点で283万ドル(約4千万円)以上)ことなど、他に類をみない施策が多いため、BCGのあらたなスタンダードを作るかもしれないと期待されている。
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