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2024年 「株主優待」の選び方 知って得する「特典」や投資時のポイントを紹介

2024/02/04Iolite 編集部
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2024年 「株主優待」の選び方 知って得する「特典」や投資時のポイントを紹介

値上がりに一喜一憂するのではなく、知って得する「特典」の中身を公開

株式投資やNFT投資は、価格上昇でキャピタルゲインを獲得するのが大きな目的。でも、正直なところ価格の予想は難しいし、誰にも予想できない。

それなら、「優待」に注目して投資を楽しんでしまうのも”アリ”!

株式投資の楽しみはキャピタルゲインや配当だけではない

中川:新NISAが始まることもあって、世間では株式投資の熱が一段と盛り上がっていますね。私も、この機会にがっつり株を始めたいと思っているんですが、正直なところどれを買えばいいのかまったくわかりません。

岸:株初心者の方が陥りがちな悩みですね。

中川:色々調べてみても、正直なところどの株が値上がりするのかなんてわからない、というのが本音です。それに、配当と優待があって利回りがこれくらいある、みたいな情報もインターネット上にたくさんありますが、その2つの違いもいまいちわかりませんし、結局どれがいいのか判断できないんですよね。

岸:配当と利回りについては、初心者の方は混乱してしまいがちですね。配当というのは、株を持っている株主に分配される現金配当のことです。持っている株の量とその会社の業績に応じて、利益の一部を株主に現金で配るのが配当です。

一方、優待は正確には、株主優待と呼ばれる制度です。これは、株主に対して現金ではなく自社商品やサービスをプレゼントする制度ですね。たとえば外食企業なら、その企業の店舗で使える商品券をもらえたり、サービスが安く利用できる割引券のようなものがもらえたりします。

中川:どちらをもらえるのかは、企業ごとに決まっているのですか?

岸:そうですね。配当と優待の両方がある企業、配当だけで優待はないという企業、それから配当と優待のどちらもないという企業もありますね。

中川:配当も優待もない……?

岸:そういう企業の株を買うのは、株価の値上がりで得られるキャピタルゲインを目的にしている人たちです。配当だけがある企業の株を買う場合は、キャピタルゲインだけではなく配当金も期待することになります。

配当はお金がそのまま手に入るので非常に魅力的ですが、企業の業績次第で配当金がゼロになるようなケースもあるので、ある程度企業のことを見極める力が必要かもしれません。

中川:やはりある程度見極める力が必要なんですね。

初心者にとっては優待が1番わかりやすい

岸:ただ、それに比べると、優待制度でもらえるプレゼントは非常にわかりやすいという点が魅力です。とにかく決められた数の株を持っておけば、もらえるものは明確なので、初心者でも安心ですね。それに、現金をもらうよりも商品券や食事券をもらえる方がなんとなく嬉しい気分になりませんか? その”オトク感”も、株主優待が人気の理由です。

中川:たしかに、初心者の私にとっては優待が1番わかりやすい気がします。テレビやネットでも、株主優待を楽しむ有名人の方をよくみますね。

岸:そうですね。優待はその企業が作った製品やサービスを実際に体験できるので、満足度が高く、さらに将来的な投資判断の材料にもなるというメリットがあります。また、株主優待を受けるために必要な株の数、要するに必要な投資金額は個人投資家向けに低く設定されているんです。

数十万円から始めるような初心者でも、数千円くらいの価値があるプレゼントをもらえるので、「株式投資していて利益を得られた」という実感を得やすいはずです。

それに、企業としてもせっかく株主に利益を還元するのであれば、自社サービスを利用してもらえる形にした方が、より自社への愛を持ってもらえるからという理由で、配当よりも優待を少し豪華にしていることも多いんですよ。しかも自社サービスであれば、原価に近い金額で提供できるのでコストカットになるというメリットもあります。

中川:良いことばかりのように聞こえますが、デメリットはないんですか?

岸:これは配当と同様のデメリットですが、株主優待の内容も企業の業績次第で突然変更されたり廃止されたりすることがあります。また、どれほど株主優待の内容が魅力的でも、株価自体が下がってしまえば、投資の収支がマイナスになってしまうこともあります。

株価が下がれば損をするというのはどんな株式でも同じですが、優待だけを目当てにしていると、ついつい日々の株価の変化に鈍感になってしまうんですよね。

ただし、実は初心者が陥りがちな罠として、「株価の変化に敏感になりすぎてストレスがたまる」という問題があります。特にキャピタルゲインだけを目的にして投資をしていると、こうなってしまいがちです。だからこそ、優待目当てでいることで、ストレスを感じずに株式投資を続けられることが、メリットだと考える人もいますね。

中川:なるほど。では、株主優待にはどういうものがあるんですか?

岸:分類としては、QUOカードなどの金券、自社製品やサービスを使える割引・優待券、日用品や飲食料品、カタログギフトなどですね。

中川:どれもほしいと思ってしまいますね。優待目当てで株を買う場合、どういう基準で選ぶのが良いでしょうか?

岸:これは優待に限った話ではありませんが、まずは自分が興味ある企業、すでに好きな企業、または詳しい分野について買うという人が多いですね。というのも、結局株を買う時には、その会社が何をやっていて、今後どの程度成功しそうなのかについて、考える必要があるからです。

その点では、すでに自分がある程度知っている企業の方が調べるモチベーションが湧くでしょう。それに、株主優待の場合はその会社の製品やサービスの優待券をもらえることが多いので、どうせなら普段から自分が使うお店や商品に関連するものの方が嬉しいですよね。

優待がある株投資する時のポイント!

  1. まずは予算を決める。20万円程度あれば選択肢が 広がるが、数千円から買えるものもあり。
  2. 利回りは配当とあわせて2 ~3%が目安。ただし、利 回りが高すぎる株は中身をしっかりチェックしよう。
  3. 長期保有することで特典がレベルアップすることもあ る。安定している株なら長期保有してもっとオトクな 優待をもらうのも◎

株式投資をするならやっぱり利回りに着目?

中川:そうですね。ただ、せっかく株式投資をするなら、やっぱり利益が多い方がいいなと思います。

岸:もちろん利回りに着目して投資先を選ぶのも間違いではありません。配当と優待をあわせた実質的な利回りがどの程度なのかを表示してくれるようなWebサイトも、大量にあります。そのなかから、利回りが大きいものを選ぶのも良いでしょう。

ただしこのような選び方をする際には、注意点もあります。利回りは非常に注目される指標なので、過剰な配当や優待をして、注目を集めようとする企業も少なくありません。そのような企業は、翌年からは平均以下の利回りになることも珍しくないんです。

利回りに着目するのであれば、その配当や優待が数年間、数十年間にわたって続いていることを確認してから買いましょう。

中川:利回りは、どの程度あればオトクといえるのでしょうか?

岸:おおよその目安としては、3%以上あればかなり「良い」といえるでしょうね。10万円分の株を持っている時に、3,000円分の商品や優待券をもらえるということなので、十分すぎるほどです。通常は1~2%程度であると考えてください。

さまざまなWebサイトを検索してみると、「利回り100%以上」というようなものもありますが、こういうのは一時的なものだったり、かなり利用できる範囲が狭い優待券だったりするので注意しましょう。

それから、優待をもらうためには、基本的には100株以上保有する必要があります。予算にあわせて、自分が購入できる範囲で選ぶ必要もあります。

中川:具体的にはどれくらいの予算が必要になるのですか?

岸:それは企業の株価次第で変わりますが、ある程度知名度があるような企業のなかから自由に選びたいのであれば2,30万円程度はほしいですね。とはいえ、予算を超えて無理をして買うようなものではないので、自分の予算を守って投資してくださいね。

ちなみに、もっと少ない資金で優待を受けたい場合は、単元未満でも優待がある株を買うのがおすすめです。単元未満というのは、要するに100株未満のことです。

通常、国内の上場株式は100株単位で取引をするのですが、多くの証券会社では、それよりも少ない数の株を取引できる「単元未満株」を用意していて、1株だけで優待をもらえるケースもあります。もちろん100株単位で保有している場合と比べれば優待の内容は劣りますが、安いものなら数千円程度で購入できるんですよ。

初心者にもオススメ人気企業

中川:ちなみに、株主優待を好きな人たちのなかで人気があるのは、どんな企業ですか?初心者にもオススメできるものがあれば教えてください。

岸:人気があるのは、長年に渡って安定的に1~ 2%程度の利回りがあり、優待でもらえる内容の満足度が高く、会社自体も安定している株ですね。最近では、新NISAが始まったこともあり、長期的に保有することを前提にして銘柄選びする人も増えています。

実は優待のなかには、株の保有期間が長くなると優待のランクが上がるものもあります。ほとんどの人は、長期的な資産形成を目指して株式投資をするので、長く保有できること、そして長く保有することでトクする要素があるものが好まれていますね。

たとえばビックカメラは、100株以上を保有していると、同社グループであるソフマップやコジマなどでも使えるお買い物優待券がもらえます。家電製品のお買い物券なら誰でも使いやすいので非常に人気があります。優待の利回りも換算すれば2.1%程度ありますし、1月時点で約13万円ほどで100株購入できるので、手を出しやすいというのも魅力です。

ちなみに、ビックカメラは2月と8月にそれぞれ権利確定日があり、2月は株数ごとに固定ですが、8月は保有期間に応じてもらえる額が変わります。100株以上の保有で、1年未満なら1,000円相当、1年以上は2,000円、2年以上は3,000相当になりますね。

他にはカタログギフトがもらえるKDDIも人気があります。こちらは100株以上で、保有期間5年未満なら3,000円、5年以上なら5,000円相当の商品をカタログギフトから選択できます。株を購入する時点で何がほしいのか定まっていなくても、カタログギフトならもらったタイミングでほしい物を選べるので助かりますよね。

中川:利回り、優待の内容、それから予算などを総合的に考えて投資先を選ぶ必要があるということなんですね。魅力的な優待が色々とあるので、今度はそれを選ぶために迷ってしまいそうですが、今日の話を参考にして私も投資先を探してみます!

実は「おまけ」や「特典」が重要なNFT投資

デジタルアートが高額で取引されたことが話題のNFTも、実は「特典」が用意されていることが多い?株主優待とは少し違う、NFTの「優待」とは。

岸:最近話題のNFTにも、株主優待のようなものがあると聞きました。このジャンルは中川さんの得意分野ですよね。

中川:そうですね。NFTを持っていることで何かしらの特典が得られる、というものがあるので、考え方によっては優待に近いものといえるかもしれません。あ、そもそもNFTがよくわからないという方向けに説明すると、NFTというのはデジタルデータに「真贋鑑定書・所有証明書」を付けたものだと思ってください。

デジタルデー タは通常は無限にコピペできますが、NFTになったデジタルデータは、コピーされたものではない”オリジナル品”であることが判別できるようになり、取引もできます。

岸:NFTといえば、デジタルアートが数億円で売れた、みたいな話を聞きましたが、そういうのにも特典があるのですか?

中川:高額なデジタルアートの場合は、どちらかといえばアート自体に価値がついているものなので、特典とかはないケースも多いですね。NFTを持っている人向けに特典を用意するかどうかは、そのNFTを作った企業が自由に決められるので、優待のようなものが存在しないNFTもあります。

ただ、最近ではNFT に投資をする人のなかでも「そのNFTにどんなユーティリティ(実用性)があるのか」ということに注目する雰囲気があります。特に多いのはジェネラティブNFTなどと呼ばれる、デジタル画像シリーズのNFTですね。

NFTの優待って?

岸:どんな優待が付いているのですか?

中川:株のような法律的な縛りや、「当然こうだろう」というような常識が存在しない世界なので、本当に千差万別であるという前提で聞いてくださいね。

たとえば日本発の「CryptoNinja Partners(CNP)」というジェネラティブNFTがあります。このプロジェクトはCNPというキャラクターのシリーズを次々と展開しているのですが、NFT保有者はそれを優先的に購入する権利が与えられます。

また、このプロジェクトはDiscordというSNSから生まれたのですが、NFT 保有者だけが参加できるチャットルームがあるなど、NFT保有者はプロジェクトのコミュニティでさまざまな権利が与えられるのです。

岸:なるほど。でも、正直なところ、NFTに投資してあたらしいNFTをもらってもあまり嬉しくないという気がします。

中川:普通の感覚ではそうですよね(笑)。実際のところ、NFTには株主優待のような、誰でも嬉しい特典というものはほぼありません。それでも、あらたに制作されたNFTが大ヒットすれば価格が急激に上がるので、それを売却するだけでかなり利益を獲得できるケースがあります。

また、CNPのように、保有していることで特定のコミュニティへの参加券のような意味を持つNFTも少なくありません。

あと、試験的に試みられたものとしては、「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」というジェネラティブNFTの保有者向けに、一部の空港のVIPラウンジが使えるという特典が与えられたことがあります。BAYCは数千万円するようなものもあるような高級NFTなので、その保有者がいわゆる富裕層として扱われたということです。このように、NFTが「VIPコミュニティの会員権」のような役割を持つこともありますね。

ほかには、NFT保有者向けのイベントが開催されたり、NFT保有者だけでそのプロジェクトを今後どうしていくかという投票が行われたりもします。NFTを好 む人たちには「コミュニティを大事にする」という文化があるので、保有していることで”コミュニティ内で” 特典があるというケースが多い気がします。

岸:もらったNFTが値上がりして大儲け、というのは少し心惹かれる話ではありますが、株主優待とはやはり性質が違うようですね。

中川:そうですね。NFTの場合は、優待や特典を期待して買うのではなく、どのような特典があるのかをみてNFTを買うかどうかを判断する、と考えた方が良いかもしれません。

先程もいった通り、最近ではNFT保有者向けに何か特典を用意するのが当然という雰囲気があるので、どのNFTの発行企業も、さまざまな特典があることを公表したり、匂わせたりします。逆に、それがないNFTは値上がりにも期待できないので、買わない方がいいでしょうね。

NFTに付いている特典とは!

  1. 特典内容はそのNFTを持っている人たちのコミュニティ内で”オトク 感”があるものが中心。
  2. あらたなNFTの優先購入券をもらえるなど、キャピタルゲインを得られるチャンスが手に入るケースもあり。
  3. 特典の有無自体がNFTの価格に大きく影響するため、NFT購入時には必ずチェックしておこう。


Profile

岸 マコト
株投資の世界で有名な将棋棋士・投資家の桐谷さんに影響を受けて、優待をメインにした投資を楽しむIT企業勤務のサラリーマン。毎年、すかいらーくグループ、大戸屋、吉野家の優待お食事券を受け取った時に、テンションが上がる。

中川 賢
東京在住、30代のフリーライター。Web3.0やNFTに詳しく、最新テクノロジーを中心にIT専門記者として活動している。趣味はポイ活で、コツコツと貯めたポイントを、外食で一気に使うことに喜びを感じる。


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