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NFTを活用しテクノロジーとアイデアで“流通革命”を起こす チケミー宮下大佑(チケ男)独占インタビュー

2024/03/28Iolite 編集部
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NFTを活用しテクノロジーとアイデアで“流通革命”を起こす チケミー宮下大佑(チケ男)独占インタビュー

チケミーが提供するあたらしい流通の形

イベント券やグッズ引換券、会員権などのNFTチケットを売り買いできる、日本初のマケプレアプリ「TicketMe」。

あらゆるモノの所有権やサービスの利用権を売買できるのが特徴で、権利利用前に「チケット」が流通されると、利益のなかから10~90%が1次販売者に還元される。

2023年10月には、NFTチケットの売買を制御する技術で特許も取得済みだ。インタビューを通して、「流通革命」を目指すチケミー宮下氏のミッションに迫る——

テクノロジーとアイデアで現状の課題を突破する

——以前は1度の流通ごとに5%が1次販売者に還元する仕組みを実装していましたが、直近アップデートした点をお聞かせください。

チケ男:以前は1次販売者に流通ごとに上乗せ分の5%が還元される仕組みでした。その後、利用者様からの要望もあって、利益のなかから還元率を選択できるという仕組みに変えました。

具体的には10%~90%の値から任意で設定可能です。最初に2万円で売れて、それが8万円で2次流通されたとしたら、その差額の6万円の10%から90%が販売者に還元されます。

この還元率の設定は、還元率を下げるとリセールの可能性は高くなりますが一回あたりの還元金額が減り、還元率を高く設定するとリセールはされにくくなりますが一回当たりの還元率が増える、という難しい面もあります。

2つの数値は反比例の関係となるので、弊社では、今まさにそれぞれを最大化させる還元率の数値(ポイント)をみつけようとしているところです。

データを蓄積していけばしていくほどチケットごとに最適な数値がわかりますので、その数値をユーザーに提示することにより、価値を生み出した人や事業者への還元を最大化できる流通が生まれると見込んでいます。

——データの提示はアプリ上を想定していますか?

チケ男:はい。今我々が分析しているのは、実際に販売された時に、販売されたものに対してどれくらいのアクセスがあるかとか、オファーされるまでの時間というデータです。

さまざまなデータを分析することによって、価値の還元を最大化できるように、分析した最適な数値をアプリ内で提示する予定です。

あるべき場所にあるべき価値を届ける


——昨年の夏からリアルワールドアセット(RWA)が話題となっています。RWAの強みというのはどういうところにあると思いますか?

チケ男:RWAのなかでもコモディティに近いものと、遠いものというのがあるという認識です。金やオイルなどは比較的コモディティに近いですよね。

逆に通貨や債権、株価指数などはコモディティから遠い位置にあります。我々はいわゆるコモディティに比較的近いアセットの中でも特に消費されるものの権利、たとえばイベント券をトークン化したり、モノの引換券をトークン化しています。

その観点からいうと、RWAのメリットは「共通の在庫化をした上で流通性を高めること」にあると考えています。

たとえば、イベント券において、10席はAというプレイガイド(イベント券販売サイト)で、次の10席はBというプレイガイドというようにわかれているとしましょう。

プレイガイドAで販売されているイベント券は、プレイガイドBで販売されるイベント券とは別の規格のものと捉えられる状況です。

しかし、これを共通在庫化することにより、あらゆるプレイガイドで発売されたイベント券の売買が簡単にできるようになります。結果として流動性が高くなります。

お金についても同じようなことがいえると思っていて、その場その場で両替をするとなると手数料や送金までの時間など、さまざまな課題があると思うのですが、これをトークン化することによってこれらの課題は解決し、流動性が高くなります。これがRWA、ひいては共通在庫化の大きな利点です。

——流動性が高まることにより商品の選択肢が広がるメリットがあると思いますが、事業者側からみて流動性が高まるメリットは何でしょうか?

チケ男:流動性が高くなると市場原理によって商品が高く売れやすくなります。流動性の高い市場において需要と供給のバランスを考えると、供給側の量は基本的には大きな変動があることは稀ですが、流動性が高ければ高いほど需要側は増えていきます。

需要が高くなっていくと、価格は上がっていきます。流動性が高くなるということは、マーケットへの参加者が増えているということです。

その結果、価格は本来あるべき価格へ上がりやすい環境になる。これにより、本当に欲しい人は購入することができ、結果として、事業者側は売上が伸びるという事業者へのメリットがあると思います。

エンタメ領域で今課題となっていることの1つとして、イベント券で特定の席ごとに価格を変動させることができないということがあります。もう少し具体的にいうと、Aブロックの席、Bブロックの席というブロックごとの価格設定が一般的です。

これが仮にA席とB席の間の列の席の価格に流動性を持たせることができると、A席の中でも一番前は高いままですが、後ろの方の席は価格を下げることもできるようになるでしょう。

今よりも柔軟な価格が市場によって決まる未来が訪れると思っています。

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