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Animoca Brands 天羽健介が語る 2024年以降のWeb3.0

2024/03/31Iolite 編集部
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Animoca Brands 天羽健介が語る 2024年以降のWeb3.0

Web3.0領域のど真ん中で、時代のうねりを感じる

Web3.0領域400社以上に投資をするAnimoca Brands(アニモカブランズ)
8,000億円にのぼる企業価値を持つ同社の副社長COOである天羽健介氏は2024年以降のWeb3.0領域はどのような発展を遂げるのか語ってもらった。

Web3.0業界のリーディングカンパニーAnimoca Brands

ーーAnimoca Brands(アニモカブランズ)といえば、Web3.0業界では著名な投資企業として知られていますが、あらためて事業内容を教えてください。

天羽健介(以下、天羽):アニモカは香港に拠点を置くWeb3.0企業で、投資事業においては、さまざまなレイヤーのWeb3.0企業400社以上に投資しています。

また、単体の事業としてもWeb3.0プロダクトを開発しており、直近の企業価値は8千億円にのぼります。簡単にいえば、この数年間にわたってWeb3.0業界のど真ん中にいて、急成長した企業ですね。

そのアニモカが、日本の知財やIPの世界展開を支援する目的で設立した戦略的子会社がAnimoca Brands Japan(社名:Animoca Brands株式会社)です。

現在は、日本のマンガやアニメなどのIPのWeb3活用を支援する事業に加え、アニモカ本社のアセットを活かし、トークノミクス(トークンを中心とする経済圏の設計)の設計やマーケティング支援などを行うアドバイザリー事業も手掛けています。

また、アニモカ本社との連携という点では、注力プロジェクトであるMocaverse(モカバース)の日本市場への展開も進めていきます。

ーーMocaverseというのはどういうプロジェクトですか?

天羽:アニモカが展開するメンバーシップNFTであり、投資する400社以上の企業・プロジェクトや、それらを通じて集まる7億人のユーザーを束ねネットワーク効果を最大化させ、世界最大のカルチャー経済を構築するWeb3.0プラットフォームです。

仕組みとしては、DID(※分散型ID:ブロックチェーン技術を用いるIDの仕組み)を用いて、さまざまなサービスを連携可能にしています。

2024年以降のWeb3.0領域

ーーものすごく簡単にいってしまえば、Web3.0の世界でソーシャルログインを実現するような仕組みですね。

天羽:Web3.0の世界では、一人一人がDIDに紐づいたウォレットを保有して、さまざまなアプリケーションに接続します。

そこで、「アプリAに接続している人はアプリBにも接続できる」とか、「アプリCを頻繁に利用する優良顧客は、アプリDでこんな特典を受けられる」といった風に、DIDを通じて多くのアプリケーションを横断的に利用できるようなものと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

また、各アプリケーションの利用を通じてトークンがもらえるといった、ポイ活的な展開も考えられます。

この”グローバルDID”と呼ぶべき仕組みは2024年以降の重要トピックになりますし、だからこそアニモカとしてMocaverseに注力しています。

しかも、日本はすでに「さまざまなサービスを利用して共通ポイントを貯める」カルチャーが浸透しているので、親和性が高いはずです。

なので国内でもMocaverseを広め、さまざまな企業をこのグローバル連携の波にお誘いできるようにしたいと考えています。

ーー天羽さんはコインチェックで、IEOやNFTといった先進的な事業を推進してきましたが、そこからアニモカにジョインしたのはなぜですか?

天羽:2021年にNFTが広まってから、Web3.0業界の状況は少しずつ変化しています。以前は単なる投機対象と見られていましたが、NFTが広まり、徐々にさまざまなユーティリティ(実用性・用途)が実装されるようになったことで、”実際に使われるアプリケーション”であると認識されるようになったのです。

それまでは、イーサリアムなどのプロトコルレイヤー(=アプリケーションの基盤となるブロックチェーンレイヤー)と、取引所レイヤーがWeb3ビジネスの中心でした。

しかしNFTの普及以後、Web3の主戦場は暗号資産取引所・NFTマーケットプレイス・Web3ウォレット・DApps(ブロックチェーンベースのアプリケーション)を組み合わせたプロダクトやサービスによる、総力戦と呼ぶべきものになっているのです。

そのような状況のなかで、Web3.0のさまざまなレイヤーを繋ぐど真ん中の存在となっているのが、アニモカです。

もちろん、取引所レイヤーも引き続き流動性提供などの重要な役割を担うことは間違いありませんが、より”見晴らしがいい場所”としてアニモカを選びました。

また、かねてからアニモカと一緒にするなかで、”絶対にWeb3.0の世界が来る”と信じ、それを社会に広めていく使命感を持っているビジョナリーな部分に共感したことも大きなポイントです。

領域の"ど真ん中"で時代のうねりを感じながら、世の中に貢献したい

ーー実際にアニモカに入ってみて、どのような変化を感じていますか?

天羽:世界中でどのような先進的なトークノミクスが生まれているのか、Web3.0ビジネスの”勝ち方”はどのようなものがあるのか、これからWeb3.0業界に入ってこようとしている大企業はどのような動きをしているのか。

そういった、Web3.0を取り巻く大きな動きをより知れるようになったと感じます。

それらをもとに、実際にさまざまなレイヤーに位置する企業やプロジェクトと力を合わせて、ビジネスを進めていく力がアニモカにはあります。

また、多くの企業と関わっていく中でアニモカはグループとして「信頼」を大事にしていて、以前から私も近くでそういう姿勢を見てきました。

実際に入ってからも、気持ちよく働けそう、良いものを一緒に作っていける、と実感しています。

ーー最後に、Web3.0業界の”ど真ん中”で働くことの面白さはどういうものだと感じていますか?

天羽:ブロックチェーンを始めとしたテクノロジーの進化によって色々な仕組み、価値観が変わっていくという時代のうねりのなかにいるという実感があります。

私はインターネットが普及しはじめた頃は学生だったので、その変化の中にいることはできなかったのですが、今Web3.0業界にいることで、人生で1、2回しかないような大きな革命のなかで生きていると感じますね。

そこで自分の力を発揮して、世の中に何か貢献するという体験をできることが、大きな喜びです。


Profile

天羽健介 | Kensuke Amo
2018年、コインチェック株式会社入社。2020年より執行役員として日本の暗号資産交換業者初のNFTマーケットプレイスや日本初のIEOなどの新規事業を創出。2022年6月にコインチェックの常務執行役員に就任。同社とAnimoca Brandsが2020年に締結したパートナーシップのもと、『The Sandbox』や『Otherside』などの日本展開にも携わる。2024年2月より現職。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)および渋谷区のスタートアップ・エコシステムのアドバイザーを兼任。著書に『NFTの教科書』『ノンファンジブルミー』(朝日新聞出版)。


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